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ラ・マンチャ地方でのブドウ栽培に関する言及がなされたのは、12世紀と言われています。
このエリアは穀物や放牧の栽培が盛んだったため、18世紀半ばのブドウの栽培面積は、農地全体の面積の約8％ほどでした。

ヨーロッパでは19世紀後半にフィロセキラ（ブドウネアブラムシ）が流行し、ブドウ栽培に甚大な被害を与えましたが、幸いな事にラ・マンチャの土壌はフィロセキラの活動を食い止めることができました。
ブドウ畑が破壊されてしまう危機から逃れたことと、この時代にブドウ畑が拡大したことによって、ラ・マンチャは1880年代半ば頃にはスペイン最大のブドウ産地になったのです。

そして、ラ・マンチャは1932年に、DOに認定されます。
DO（デノミナシオン・デ・オリヘン）とは、スペインの食品に与えられる原産地呼称制度です。この場合、スペイン地域で栽培されたブドウ品種を原料として、厳しい基準で造られたワインのことを指します。

1950年代には協同組合がワイン生産の主導となりテーブルワインを主に生産していましたが、1970年代にはワインが高級志向となり始めたため、ラ・マンチャ地方でも高品質の白ブドウを用いた高級ワイン造りが盛んになりました。

2010年にはラ・マンチャのブドウの栽培面積は16万haを越え、スペインの数ある原産地呼称の中でも最大の栽培面積と生産量を誇る産地となっています。
オーストラリアのブドウ畑の総面積は約15万haのため、それ以上に広大な土地で栽培されているということがわかりますね。

ラ・マンチャはスペイン中央部に位置するメセタの上に広がっており、赤色度と黄色土の土壌が広がっています。
周りの山脈が湿った風を遮るため、高原特有の乾いた強い風が吹き、常に乾燥しているのが特徴的です。
ちなみに「マンチャ」とは「乾燥した土地」というアラビア語が語源になります。

1年を通して冷涼な気候ですが、変化の激しい大陸性気候でもあるため、夏は昼間に45℃、冬は夜間に－15℃に達することもあります。
年間の降水量が約300～400mmと少なく、日照時間は約3000時間と多いことから、ブドウが完熟しやすい栽培環境だと言えるでしょう。

このように、ラ・マンチャは乾燥した気候と日照時間の長さを活かして、凝縮された果実味のある、個性的でリーズナブルなワインを作る産地として知られています。
傾向としては、赤白どちらも濃厚な果実味と香りを持ちながらも、酸味は強すぎずまろやかさを感じるようなワインが多いでしょう。

続いて、ラ・マンチャのワインに使われているブドウ品種を紹介いたします。

ラ・マンチャでは安価な白ワインを大量生産してきた歴史があり、その影響で今でも栽培面積の約8割は大量生産に適した「アイレン」という白ブドウ品種が占めています。

一方で1970年代からは高級ワイン路線に舵を切る農家が多くなり、白では「マカベオ」や「シャルドネ」、赤では「テンプラニーリョ」といった、高級ワインに使われる評価の高いブドウ品種への転換が進んできました。

アイレン

アイレンはスペインが原産地のブドウ品種で、スペイン全体で栽培されるブドウの30％を占めています。
黒ブドウも含めて、最も生産量が多い白ブドウです。「ライレン」「ブランコン」「アイデン」などといった呼び方もあります。

乾燥するラ・マンチャ地方の気候でも適応できる上に、日照時間が長くても上手く育つ事から、アイレンはラ・マンチャで重宝され大量生産されてきました。

アイレンを使ったワインは酸が強くなり、ガルナッチャと同様アルコール度数が高くなるのが特徴です。
光沢のある淡い黄色の外観と、果実味と風味が感じられるものに仕上がります。
大量生産に適する一方で、高級品種に比べると平凡なワインになりやすいという傾向があります。

マカベオ

マカベオは、主にスペインの北部で栽培されている白ブドウ品種です。
「マカベウ」「ビウラ」など土地によって呼び名は異なります。

スペインのカタルーニャ州やリオハ州で栽培が盛んですが、フランスの南部に位置するラングドック地方でも広く栽培されています。
緑がかった茶色で、酸味は強め。花やハーブの華やかな香りと、風味豊かな味わいです。
短期熟成でもすっきりとした味わいを楽しめますが、樽によっては長期熟成にも向いているポテンシャルを秘めたブドウ品種です。

気候や土壌の影響が味わいに反映されやすいため、栽培されるエリアによって味の違いが出てきます。
s ほかの品種との相性が良いため、ブレンド用のブドウとしても人気の品種です。

テンプラニーリョ（センシベル）

テンプラニーリョは栽培面積世界4位のブドウ品種で、スペイン語の「早熟」が由来です。
スペイン固有品種であり、95%がスペインとポルトガルで栽培されています。

ちなみにテンプラニーリョは国によって呼び名が違います。
スペインの中でも地域によって「ティンタ・デル・パイス」「ティント・フィノ」「センシベル」と呼び方が変わります。

テンプラニーリョは熟成期間によって味わいに変化が出るため、様々なスタイルのワインに仕上がりますが、基本的にタンニンはしっかりめで、ほどよい酸があるのが特徴です。
乾燥させたストロベリー、イチジクといった果実、タバコや皮の香りも加わり、複雑でありながら芳醇な赤ワインに仕上がります。

こちらで、ラ・マンチャのワインを通販での選び方について解説していきます。

より一層ワインをお楽しみいただけるよう楽しみ方も一緒にご紹介いたしますので、ご参考くださいませ。

ラ・マンチャのワインの選び方

まず、ラ・マンチャのワインは「自然派ワイン」を探されているオーガニック重視の方や、リーズナブルな「普段使いのワイン」を探されている方におすすめです。

ラ・マンチャには昔から変わらない醸造の仕方でワインを造り続けている、歴史あるシャトーが数多くあります。
自然派のワインと聞くと手間暇がかかっていて、割高だという印象があるかもしれません。
ですが、ラ・マンチャのワインはオーガニック志向でありながら、デイリーユーズしやすい手頃な価格になっています。

中でもスペインNo.1の自然派生産者と名高い「アルスピデ」の「パソ・デ・アドス」「プラ・サヴィア」などはブドウ品種ごとに沢山のラインナップがありますので、普段使いしても飲み飽きないでしょう。

「化学的な物質である農薬、化学肥料は使わない」といった強いポリシーを持ち、自然にのびのびと健康に育ったブドウを使ったオーガニックワインは、日本人の舌にも合っていて飲みやすいとの評判です。
やはり普段使いの大量に消費するワインだからこそ、オーガニックである事は健康面から考えても嬉しいですね。

また、実績重視で探されている方は、受賞ワインや高級ホテルで採用されているワインから選んでみるのも良いでしょう。

例えば前述した生産者アルスピデの「アゴラ」というワインは、サクラワインアワード2017でゴールド賞を受賞した実績もあります。
サクラワインアワードとは、日本のソムリエ、生産者、講師などといったワインの専門家である女性方が審査員となって評価する審査会です。
つまり数多くのエントリーの中から、上位ランクであるゴールド賞を受賞するほどの実力と女性受けの良さを持っているのです。

続いて「MasiaJ（マジア・ジェイ）」。
こちらは7つ星ホテル「バージュ・アル・アラブ」で採用された実績もあり、世界各国の星付きレストランから入荷依頼が殺到するほどの人気を博しています。
有名ホテルやレストランで採用されているということは、味わいや品質が良好であることはもちろん、様々なお料理にも合わせやすいという証拠ですね。

最後に「ワインが好きだけど、あまりお酒に強くない」という方に。
ラ・マンチャのワインの中には「Lando（ランド）」という、なんとアルコール度数が6％と低めの、新感覚の低アルコールワインがあります。
アルコール度数は低いですが香りはしっかり感じられ、酸味や甘みが凝縮されていますので、お酒を飲み慣れていないという方でも気軽に飲むことができるワインです。

ラ・マンチャのワインの楽しみ方

ラ・マンチャは様々な料理と合わせやすいワインですが、スペイン産のワインですので、やはりスペイン料理との相性は抜群です。
スペイン料理以外ですと、イタリアの代表料理のひとつであるパエリアや、タパス(小皿料理)と組み合わせるのもいいでしょう。

赤ワインでしたら「ステーキ、ビーフシチュー、ローストビーフ」などといった肉料理と合わせるのが特におすすめです。

白ワインの場合は、淡白な味付けの魚料理が合わせやすいでしょう。
カルパッチョや魚介系のパスタなどと一緒に召し上がれば、より一層ワインをお楽しみいただけます。

とはいえ基本的に料理を選ばないワインですので、上記以外のお料理でも大丈夫です。
オーガニックワインでありながら飲みやすく、お食事との相性を熟考する必要がないという点も、ラ・マンチャのワインの魅力でしょう。

ラインナップも豊富にありますので、ブドウ品種の違いを飲み比べたり、ストックして毎日のお食事に合わせても飽きることなくお楽しみいただけます。
もちろん女子会やホームパーティーといった、複数人で大量に飲む際にもおすすめです。

この機会にぜひ、ラ・マンチャの自然派ワインをお試しになってみてはいかがでしょうか。