ブレンド用としてよく使われるブドウ品種グルナッシュの特徴 グルナッシュを使ったおすすめワイン8選

ブレンド用としてよく使われるブドウ品種グルナッシュの特徴 グルナッシュを使ったおすすめワイン8選

ブレンド用としてよく使われるブドウ品種グルナッシュの特徴 グルナッシュを使ったおすすめワイン8選

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グルナッシュの特徴

樹勢が強く、気候条件が揃えば育てやすいことから、現在、フランスをはじめスペイン、イタリア、アメリカ、南アフリカなどさまざまなワイン産地で栽培されているグルナッシュ。
ボディのしっかりした長期熟成型のワインから、ロゼ、酒精強化ワインまで、じつにさまざまなワインが世界で造られています。
そこで、本日はグルナッシュについてお話します。

グルナッシュとは

グルナッシュは、スペイン北部のアラゴン州原産の赤ワイン用ブドウ品種で、世界7位の栽培面積をもつ国際品種です。
フランスをはじめとする多くの産地でグルナッシュと呼ばれていますが、原産地のスペインでは、ガルナッチャと呼ばれており、イタリアのサルデーニャ島ではカンノナウと呼ばれます。グルナッシュは、スペインからピレネー山脈を越えて、フランスのラングドック=ルーション地方に伝わり、そこから世界に広まったと言われています。
グルナッシュ自体は比較的病害に強い品種ではありませんが、暑く、風が強くて乾燥している地域を好むため、病害が発生しにくく、気候条件が揃えば、樹勢が強く、発芽も早いため栽培しやすい品種です。
晩熟のため長い生育期間を必要としますが、糖度がとても高くなりやすいのが特徴で、南フランスでは甘口ワインの原料としても使用されています。
また、突然変異しやすい品種でもあり、白い皮のグルナッシュ・ブランや、ピンク色の皮のグルナッシュ・グリなどさまざまな亜種が存在します。

グルナッシュの主な生産地域

世界的に見て、この20年間で35%ほど栽培面積が減少していますが、それでも、まだ多くの産地で栽培されており、もっとも栽培面積が広いのが、フランスの南部・ラングドック=ルーション地方です。
ラングドックでは、シラーなどのスパイシーな黒ブドウ品種とブレンドされ、グルナッシュのアルコール度数の高さで、ボディのしっかりした長期熟成型のワインが生み出されています。
またプロヴァンス地方では、ドライなロゼワインの原料としても多く栽培されています。
そして、ローヌ地方南部のフランスを代表する歴史あるアペラシオンの1つ、シャトーヌフ・デュ・パプでは、使用できるブドウ品種が、グルナッシュ、シラー、ムールヴェードル、サンソーなど13種類にも及び、フランスのAOCでの使用ブドウ品種数は最多となります。
なかでも、グルナッシュを主体としたワインが多く造られ、力強く濃厚なスタイルで、あたたかみが感じられるワインが多いですが、
近年は、驚くほどエレガントな味わいのものも増えています。
原産地であるスペインは、アラゴン州、リオハ州、ナバーラ州、カタルーニャ州が主な産地で、アラゴン州では、単一品種のワインがおもに造られ、リオハ州では、スペインの固有品種テンプラニーリョとよくブレンドされます。
その他、イタリアではおもにサルディーニャ島で多く栽培されており、オーストラリア、アメリカ、南アフリカなど、世界の主要なワイン産地で多く栽培されています。

グルナッシュから造られるワインの特徴

前述のとおり、グルナッシュは、単一品種のワインも多く造られていますが、個性の強いシラーなどのスパイシーな黒ブドウ品種とブレンドされることが多く、グルナッシュのアルコール度数の高さで、ボディのしっかりとした長期熟成型のワインが生まれています。
しかし、産地によっては、ジューシーでライトな味わいのワインや、甘口ワイン、辛口のロゼワイン、酒精強化ワインまでじつにさまざまなタイプのワインになります。
グルナッシュから造られるワインの味わいは、ベリーなど赤い果実に、イチジクやプルーンなどのドライフルーツを思わせる、凝縮されたまろやかで甘みを感じさせる果実味に、スパイスとカカオ、少し土っぽいニュアンスがあり、口当たりは柔らかく、タンニンが控えめで、肉厚な果実味があり、あたたかさを感じる味わいが特徴です。

おすすめのグルナッシュワイン

ユヌ・プティット・キュヴェ・オ・ポワル
セリエ・デ・シャルトリュ&セバスチャン・シャバル
プロヴァンスとラングドックの間、コート・デュ・ローヌの首都コート・ダヴィニョンにあるセリエ・デ・シャルトリュ。
石灰質の畑で生まれるワインは、ミネラル分豊富で舌触りが良く、香り高く仕上がります。
そんな土を守るためにも、農薬や化学肥料は基本的に使用せず、リュット・レゾネと呼ばれる農法で栽培しています。
もともとは自分たちのテロワールを表現するという思いでワイン造りをしていましたが、よりシンプルに、ワイン好きのため、素直に美味しいと思えるワインを造りたいという思いのもと再出発し、プロからワインを熱烈に愛するアマチュアまで、いろんなタイプの人々が情熱を持って運営しています。「au poil (素晴らしい)」という意味の言葉がついたこのロゼワインは、グルナッシュ100%で造られており、色調は淡いピンク色で、ピンクグレープフルーツやパッションフルーツを思わせるアロマがあり、しっかりとボリュームと張りのある味わいで、「仲間とにぎやかに飲むワイン」にぴったりです。

ユヌ・プティット・キュヴェ・オ・ポワル

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シャトーヌフ・デュ・パプ・ルージュ ドメーヌ・ド・クリスティア
あのロバート・パーカー氏が「飲む人を興奮させるような長い余韻が印象的」と賞賛し、パーカーポイント98点を獲得したシャトーヌフ・デュ・パプの新生。
ドメーヌ・ド・クリスティアは、エティエンヌ・グランジュオンによって70年前につくられたドメーヌで、2ヘクタールのグルナッシュの畑から始まりました。
優れた熟成のポテンシャルを備えた、素晴らしい品質のワインを造るため、最高の区画を選択することに注力し、オーガニック農法の基準に基づいた自然な栽培方法でブドウ栽培を行っており、2008ヴィンテージから公的な認証も取得しました。
樹齢50年のグルナッシ75%、シラー15%、ムールヴェ―ドル10%のブレンドで造られたこのワインは、濃い色調に、プラムやブラックベリーといった黒系果実が主体の芳醇なベリーのアロマに、
アロマ同様ピュアで濃厚な果実味とスパイスとチョコレートの奥行のある味わいで、しっかりとした骨格のあるボディで、モダンなスタイルのシャトーヌフ・デュ・パプ。
10年以上の長期熟成はもちろん可能ですが、1回目の花開いた状態として今楽しむことをおすすめしたい1本です。

シャトーヌフ・デュ・パプ・ルージュ ドメーヌ・ド・クリスティア

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カルカニア・クレア・ヴァレー・グルナッシュ・シラーズ・ムールヴェードル バーン・ヴィンヤーズ
バーン・ヴィンヤーズは、1960年に最初のブドウを植えて以来、少しずつ畑を増やしながら3世代にわたって成長してきたバーン・ファミリーのワイナリー。
現在はクレア・ヴァレーと、リヴァーランドにいくつもの畑を所有しており、中にはあのペンフォールズのグランジを生み出した伝説的醸造家マックス・シューベルトが見出した畑も所有しています。
当初はブドウ栽培農家としてブドウを他のワイナリーに供給していましたが、2008年から元詰めとしてワインを造り始め、2010年からマスター・オブ・ワインの一人 Phil Reedman氏が参画することになり、2018年には、オーストラリアワイン評価の第一人者ジェームス・ハリデーが最高評価を下し、「ダークホースワイナリー」としてトップ10に入賞するまでに成長を遂げました。
そんなバーン・ヴィンヤーズが手掛けるカルカニアとは、アデレードの130km北、クレア・バレーのスタンリーフラットにあります。
この特別な畑から生まれる、最高品質のブドウだけを使ったワインが、カルカニアシリーズです。
グルナッシュ(Greneche)、シラー(Syrah)、ムールヴェードル( Mourv?dre)の頭文字を取って「GSM」と名付けられたこのワインは、グルナッシュは華やかなベリー系果実味、シラーズは凝縮感のある力強い果実味とスパイシーな風味、ムールヴェードルは滑らかなタンニンで骨格を造り、バランスの良いワインになります。

カルカニア・クレア・ヴァレー・グルナッシュ・シラーズ・ムールヴェードル バーン・ヴィンヤーズ

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シドニー・ウィルコックス・グルナッシュ・シラーズ
バーン・ヴィンヤーズが手掛ける『シドニー・ウィルコックス・ヴァインドライドシリーズ』は、サウス・オーストラリアの豊富な食材をもっと楽しむために、ワイン造りの段階からそれぞれの食材にマッチすることを目的に造られたシリーズで、ラベルに描かれるのは、そのワインを合わせるべき食材です。
ジャミーで重厚な味わいを造るシラーズと、華やかな香りで柔らかい質感を持つグルナッシュをブレンドし、ミディアムボディの香り高いスタイルに仕上げ、豚肉料理に合う、バランスの良い味わいに仕上げました。
ラズベリーやカシスを思わせるジューシーな果実味に、レザーのような深み、野性味のある香りが続き、料理の味わいを引き立てます。
豚肉を使った様々な料理によく合います。また、ハムやソーセージなどの前菜、トマトベースのソースを使ったパスタや煮込み料理にも合います。

シドニー・ウィルコックス・グルナッシュ・シラーズ

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グラン・ヴァン・ルージュ シャトー・リヴィエール・ル・オー
ラングドック最上位のテロワールの1つとされる「ラ・クラープ」は、とびぬけて優れたワインを生み出すポテンシャルをもっており、安旨ワインの産地というラングドックのワインのイメージを変えるほど。
そんなラ・クラープで、シャトー・ラフィット・ロートシルトの元醸造責任者であるエリック・ファーブル氏がボルドー最高峰で培った技を惜しみなく注ぎ、情熱のままにテロワールを反映したワイン造りをおこなっています。
エリック・ファーブル氏が手掛けるグラン・ヴァン・ルージュは、南フランスの重要品種であるムールヴェードル、シラー、グルナッシュ、カリニャンを使い、品種ごとに熟成させた後、シラーとムールヴェードルをアッサンブラージュし、1年使用樽に入れさらに24か月熟成させます。
ラズベリーやブラックベリー、カシス、プラムといった完熟した果実の香りに、スパイス、リコリス、葉巻、ミントなどの複雑なニュアンスも感じられ、どっしりとした構造の重厚なフルボディでありながら、驚異的に滑らかでシルキーなタンニンを感じる非常に長い余韻が続くエレガントな1本です。

グラン・ヴァン・ルージュ シャトー・リヴィエール・ル・オー

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ヴィネム・ティント ヴィネルジア
ボデガス・エステバン・マーティンは、スペインの伝統品種であるガルナッチャやマカベオを始め、カベルネ・ソーヴィニョンやシャルドネといった多様な品種を栽培し、品種に適した気候をもつ素晴らしい畑からワインを造り出します。
畑は、D.O.カリニェナであるスペイン北東部アラゴン州の4つの原産地呼称の一つにあり、標高400mから800mの場所に石灰質を含んだ土壌で、典型的な大陸性気候で、暑く乾燥しているため、昼夜の寒暖差が非常に大きく、色も濃く味わいのある凝縮したブドウが造られます。
ワインは、果実味が豊かで、完熟したぶどうの特徴であるアルコール度数がやや高めのワインに仕上がります。
プラムやダークチェリーの果実のアロマ、 僅かにタイムやシダーの清涼感のあるハーブとインクのアロマもあり、一口目から果実のフレッシュな甘みや酸味、渋みの要素がとても生き生きと感じられます。
この価格としてはクオリティの高い、スペインらしいコストパフォーマンスの良いワインです。

ヴィネム・ティント ヴィネルジア

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ラス・ロカス ガルナッチャ ボデガス・サン・アレハンドロ
あの著名なワイン評論家ロバート・パーカーが「私の最も好むワインの1つ」というラス・ロカス。
夏は40度を超え、冬は強烈な北風吹き荒れるスペイン北部のカラタユ。
ここで育つ作物はないと言われるほどの不毛の土地ですが、唯一ブドウのガルナッチャだけがこの過酷な土地でも悠々と根を張りブドウを実らせることができます。
ボデガス・サン・アレハンドロは、共同組合として発足し、現在は、このカラタユ特有の品種と地中海性の品種からワインを造っています。
10か月間アメリカンオークとフレンチオークの樽で熟成させたラス・ロカスは、グラスに注ぐと、ダークチェリーやブラックベリーのアロマが芳醇に香り、果実味とともにオーク樽のニュアンスがしっかりと感じられ、タンニンは丸みがあり、リッチで果実味に溢れた、芯のある味わいです。

ラス・ロカス ガルナッチャ ボデガス・サン・アレハンドロ

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ペドラ・フォルカ クエヴァス・デ・アロム
クエヴァス・デ・アロムは、スペイン出身のマスター・オブ・ワイン、フェルナンド・モラ氏が立ち上げたワイナリーです。
このワインはデモクラティック(民主的)なワインとして、全ての人にDOカンポ・デ・ボルハの魅力を感じてもらえるように、味わいのバランスを整えることを大切に考えつつ造られました。
年間わずか13000本程度しか生産できないワインで、Ainzón(アインソン)という村にある畑から集められたガルナッチャ60%とシラー40%のブレンドという、フランスのローヌスタイルのワインです。
ワイン造りにはセメントタンクを用い、ブドウの20%は全房使用、つまりワインの茎も使
ぺニンガイドでは92点の評価を得ました。
ブドウ畑がある場所は非常に痩せた土地で、岩石がゴロゴロしており、地元の人たちはPedra Forca(Pedra=岩、Forca=熊手)と呼びます。
ラズベリーやスグリのような赤い果実の香り、ミネラルも感じます。
香りはブルーベリーや赤いベリーの香り、スミレのニュアンス。
フレッシュな果実味と、骨格のあるタンニンが溶け合い、エレガントなボディと、長い余韻を生み出しています。

ペドラ・フォルカ クエヴァス・デ・アロム

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