話題の「自然派ワイン」とは?ソムリエ厳選のおすすめ自然派ワイン5選

話題の「自然派ワイン」とは?ソムリエ厳選のおすすめ自然派ワイン5選
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話題の「自然派ワイン」とは?ソムリエ厳選のおすすめ自然派ワイン5選

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話題の「自然派ワイン」とは?ソムリエ厳選のおすすめ5本もご紹介

「自然派ワイン」という言葉を聞いたことがありますか?
「ビオワイン」「オーガニックワイン」という言い方もされていますが、私も、10年前まではそれほど意識していなかった自然派ワインですが、この数年で驚くほど種類も増えて、「ビオディナミを実践した」というキャッチフレーズを見ると、どんな感じのワインかな?と気になり、自然派ワインを手に取る回数が増えてきました。
そこで、本日は自然派ワインについて深堀りしていき、当店一押しの自然派ワインを5本ご紹介します。

人気急上昇中!自然ワインとは

最近は、地球環境を考えたブドウ栽培の取り組みや、より消費者にヘルシーなものを提供したいという意識の高まりから、自然派ワイン造りにシフトしている生産者が増えてきました。
とくにヨーロッパを中心に、自然派ワイン造りにシフトする生産者が増えており、EUにおける有機栽培農地の面積は、2007年から年平均5.6%で拡大を続け、2017年では70%以上の拡大となりました。
中でも最大の面積を誇るのがスペインで、EU総有機農地面積の16.6%を占めています。
また、イタリア、フランス、ドイツでも、有機栽培農地は拡大しており、消費者もよりヘルシーで安全なものを求めて自然派ワインの人気が年々高まっています。

自然派ワインとは

自然派ワインと一口に言ってもさまざまな種類があり、フランスでは有機栽培で造られたブドウを原料とした自然派ワインを「ヴァン・ナチュール(Vin Nature)」と呼びます。
日本ではよくビオワインという言葉を目にしますが、じつは、ビオワインという言葉は日本での造語で、フランス語の「ビオロジック(有機栽培)」という言葉にワインを付けて
ビオワインと呼んでおり、海外では通じない言葉なんです。
日本では、有機栽培や自然農法で育てられたブドウを原料としたワインを総称してビオワインと呼んでいます。

自然派ワインの定義・条件

フランスでいうところの自然派ワイン(ヴァン・ナチュール)は、2つの有機栽培方法であるビオロジック農法か、ビオディナミ農法のどちらかの栽培方法で育てたブドウを原料にして造られます。
また、醸造方法にも定義があり自然酵母による発酵と、ろ過をおこなわず澱を残すこと。
そして、一般的なワインにはほとんど入っている酸化防止剤(亜硫酸塩)を一切使用しないで造られるワインもありますが、瓶詰め前に少量の亜硫酸塩の使用は認められています。
こうした極力人間の手を加えず、可能な限り自然の状態に近い、自然の持つ力を最大限引き出して造られるワインを自然派ワインと定義しています。

有機栽培の種類について

前述のビオロジックやビオディナミといった栽培方法は、有機栽培の種類の1つで、ほかにもいくつかの栽培方法があり、EUではこうした有機栽培において、化学肥料、農薬や除草剤といった合成化学物質の使用や、遺伝子操作を行わない、これらの条件を3年以上満たす、隣接する畑がオーガニック農法ではない場合、その影響を受けないようにするなどの、農法によりさまざまな厳しい規定があります。

ビオロジック

ビオロジック農法は、EUで認証した鶏糞や牛糞などの有機肥料を使用し、化学薬品などを使用せず、硫酸銅と石灰を混合したボルドー液を使用するいわゆる一般的な「有機農法」をさします。
また、放射線処理、遺伝子組み換えなども禁止されています。
EUでは酸化防止剤の亜硫酸塩などの保存料などに関しても使用料に対して規定があります。

ビオディナミ(バイオダイナミック)

ビオディナミ農法は、オーストリアの人智学者ルドルフ・シュタイナー氏が提唱した農法で、ベースはビオロジック農法ですが、天体の動きを取り入れた独特な栽培方法で、天然由来のプレパラシオンという調合物を使用し、土壌の活力とブドウ樹の成長を促進させます。
ビオディナミ農法は、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティを筆頭に、ボルドーではシャトー・ラトゥールもこの農法に転換しましたじゅ0いいい6い。

リュット・レゾネ

リュット・レゾネは、直訳すると「合理的対応」という意味で、必要な時にだけ必要最低限の農薬や化学肥料を使用する減農薬栽培のことで2004年からフランスで導入されました。
できるだけ農薬などの散布をおこなわない農法ですが、厳しいテロワールをもつ地域ではその年の気候条件などにより、農薬の散布が必要となることもあり、シャンパーニュなどの条件が厳しい地域ではリュット・レゾネを実践している生産者が多く存在します。

サステーナブル

サステーナブルとは、「持続可能な」と訳され、ブドウ栽培からワイン造りのすべての工程において、自然環境へ配慮した取り組みを指し、可能な限り化学肥料や除草剤を使わず、生態系のバランスを維持し、次世代へ継続していけるワイン造りを目指したものです。
ビオロジック農法や、ビオディナミ農法に比べ、農薬や化学肥料などを絶対使わないという厳格なものではなく、必要最小限にとどめて使用するという、フレキシブルな考え方の農法です。

認証について

さて、さまざまな有機栽培のことについてご紹介してきましたが、実際、自然派ワインかどうかをどのように見極めるか、それについては、自然派ワインの認定マークというものはありませんが、使用しているブドウが有機栽培で育ったブドウかどうかを見極める方法があります。
それが、有機栽培の各認証機関のマークです。
ここで代表的な有機栽培の認証機関をご紹介します。

・Euro leaf(ユーロリーフ)
EUの有機農業規則に従って生産された農産物であることを証明するもので、マークは、緑地に欧州旗の象徴でもある12個の星を葉の形に並べたモチーフが描かれています。
・ECOCERT(エコセール)
エコサートともいい、1991年にフランス農務省が設立した世界最大級のオーガニック認定機関です。
栽培から加工まで商品の製造過程の添加物など厳密な管理と監視がおこなわれます。
・Agriculture Biologique(アグリカルチュールバイオロジック)
ABのマークは、Agriculture Biologiqueの略で、フランス農業省による認証のマークです。
エコセールなどの6つある公的認定機関のうち、いずれかから有機認定されることで初めて得られるマークで、原材料の95%以上が化学肥料や合成殺虫剤などに頼らない有機栽培であることと、最低3年間は有機農法を実施していること、また1年ごとの抜き打ち検査も行われるなど、非常に厳しいチェックを受けて得られます。
・Demeter(デメテール)
ドイツのオーガニック認証機関で、バイオダイナミック農法(ビオディナミ)で栽培された農作物や、厳しい基準に則して加工された製品に認証をおこなっています。欧米ではデメテールの認証は、高品質の証でもあり、一種のステータスともなっており、近年注目を集めています。
・有機JAS規格
日本のJAS法に基づいた生産方法の有機JASに適合した農作物を認証する機関です。
有機JAS認証を受けていないものは「有機○○」「オーガニック」「自然」「ナチュラル」などの表示を製品に付けることができません。

自然派ワインを楽しむために

さて、ここから自然派ワインをよりおいしく楽しむために知っておいた方がいいことをいくつかご紹介していきましょう。
一般的なワインと異なり、自然派ワインだからこそ味わえる旨みもありますが、取り扱いによっては、味わいを損ねてしまうこともあります。

しばらく休ませる

清澄や濾過をしていない自然派ワインにはボトルの底に澱がたまっています。
澱は、赤ワインであれば、タンニンという渋みの成分と、赤い色素成分のアントシアニンといったポリフェノールやたんぱく質が熟成(ワインが緩やかに酸化)していく中で結合し結晶化したもので、これ自体飲んでも害はありませんが、口に含むととてつもなく苦みを感じます。
そのため、澱が溜まっているワインに関しては、買ってきてすぐに飲もうとすると、瓶の中の澱が舞ってしまい、グラスにどんどん入ってきてしまうので、購入後は、自宅に持ち帰ったらボトルを立たせておき、澱がボトルの底にしずむまでしばらく休ませておきましょう。

保管方法

人工的な添加物を加えずに造った自然派ワインは非常にデリケートで、とくに温度変化による品質の劣化が起こりやすくなります。
そのため、温度が14度以下の陽の当たらない暗所で保管するのがおすすめなので、ワインセラーが理想ですが、ワインセラーがないときは、新聞紙に包んで冷蔵庫の野菜室に保管しておきましょう。

開けたらその日に飲まなきゃだめ?

一般的なワインと同様、もし開けた日に飲み切れず余ってしまったら、コルクなどの栓をしっかり閉めて冷蔵庫に入れておけば、数日は大丈夫です。
空気に触れることで急速な酸化が始まりますが、ワインによっては数日経って、酸や渋みなどが落ち着いて味わいがより深くまろやかになるものもあります。
ただし、ワインによって個体差がありますので、時間が経つことで急速に劣化するものもあります。

飲むときの適温

自然派ワインにかぎらず一般的なワイン同様、ワインは、温度を下げることで酸味が引き締まり、上げることでぼやけてきます。
タンニンは温度を下げると渋みが強く感じられ、上げることでまろやかになってきます。
そのため、赤ワインであれば14℃前後が飲み頃温度で、タンニンの豊富なフルボディワインであれば、16~18℃くらいがベストです。
また、白ワインに関しては、7~9℃が飲み頃といわれています。

飲み方

グラスにワインを注ぐ際には、ボトルの底にたまった澱が舞ってしまわないように、勢いよく注がずに、ボトルを傾けすぎずにゆっくりと注ぐようにしましょう。
自然派ワインは全体的に軽やかで優しい味わいのものが多く、ブドウそのもののピュアな味わいを楽しめるのも自然派ワインの特徴です。
ただ一方でビオ臭と呼ばれる、硫黄のような還元臭を感じるものもあり、これも自然派ワインの特徴とも言えます。
ただ、すべての自然派ワインがこのビオ臭がするわけではなく、酸化防止剤を添加しないワインに比較的多くみられます。

 

いかがでしたでしょうか。
今まで自然派ワインを飲んだことがなかったという方は、これを読んで、飲んでみようかなと思っていただけたらうれしいです。
ブルゴーニュ地方は古くからテロワールを意識したブドウ栽培とワイン造りをおこなっており、こうした意識は早くから根付いていたため、あえて自然派ワインと謳っていなくても、地球環境に配慮したワイン造りを実践している生産者も多くいます。
ヨーロッパだけでなく、ニューワールドのワイン産地でも自然派ワインに対する意識は年々高まっており、地球環境にも、ブドウの樹にも、人間の体にも良い自然派ワインは、まさに、これからのワイン造りに欠かせない概念だと言えます。

話題の「自然派ワイン」とは?

ソムリエ厳選のおすすめ自然派ワイン5選

コート・デュ・ローヌ・ルージュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ ドメーヌ・ド・クリスティア
あのロバート・パーカー氏が大絶賛した造り手のドメーヌ・ド・クリスティア。
これまでクリスティアの上級ライン、シャトーヌフ・デュ・パプのみ評価してきましたが、2012年からは手頃な価格帯のラインも試飲し始め、2000円台でも購入できるこれらのワインがパーカーポイント90点台を獲得。
南フランスによく見られる野生のローズマリーなどのハーブが生い茂っている土壌のガリーグで育つグルナッシュは、力強くしなやかでバランスがよく、ベリーやスグリなどの赤系果実の香りをベースとした余韻が長く、芳醇に続きます。
コート・デュ・ローヌと比べて土壌が粘土質になるため、ワイン自体にも重みが出ます。
また、樹齢50年のヴィエイユ・ヴィーニュのブドウを使用しているため、濃密で凝縮した味わいを楽しめる重厚な1本です。

コート・デュ・ローヌ・ルージュ・ヴィエイユ・ヴィーニュ ドメーヌ・ド・クリスティア

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クラシック・ルージュ シャトー・リヴィエール・ル・オー
ラングドック最上位のテロワールの1つとされる「ラ・クラープ」は、とびぬけて優れたワインを生み出すポテンシャルをもっており、安旨ワインの産地というラングドックのワインのイメージを変えるほど。
そんなラ・クラープで、シャトー・ラフィット・ロートシルトの元醸造責任者が造るワンランク上のスタンダードワインは、黒く熟したプラム、アメリカンチェリー、ブラックベリーなどの黒系果実に、黒蜜やなめし皮、ハーブが混じるような複雑なアロマがあり、とにかくシンプルで美味しいと感じる果実味。
辛口でキレも良いので牛肉や羊の赤身のグリルなど肉料理をはじめとするさまざまな料理と相性がいいです。

クラシック・ルージュ シャトー・リヴィエール・ル・オー

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ル・メルロ・ド・ラ・シャペル ドメーヌ・サン・ドミニク
ボルドー左岸のクリュ・ブルジョワのシャトーの中でも常に上位に位置するといわれるシャトー・シサックの当主であるダニエル・ヴィアラールと、エリック・オスタンが、2000年に南フランス、アニアンヌ村に設立した、ドメーヌ・サン・ドミニク。
アニアンヌ村は、カリフォルニアワインの父ロバート・モンダヴィが惚れこんで、一時ワイナリーを設立しようと考えたこともある最良のテロワール。
古い地層で、多彩な土壌によって形成されており、年間300日にも及ぶ高い晴天率で、強い風によって病害虫が少なく、素晴らしいワインを生み出すのに最適なテロワールでは、デイリーワインから高級ワインまで、ブドウ個々の味わいを存分に表現した、素晴らしいワインが生み出されています。
この南フランス最良のテロワールで造られるメルロは、メルロ種の特長であるエレガントで胡椒系の余韻があり、カシスのような香りとやや樽由来のバニラのようなニュアンスを備えています。
フルボディでプラムやカシスのようなリッチな味わいで、滑らかな質感があり、繊細な香りのメルロは、優しい味わいの肉料理にぴったりです。

ル・メルロ・ド・ラ・シャペル ドメーヌ・サン・ドミニク

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アルボワ・シャルドネ ヴィニコール・ダルボワ
ジュラ地方で、100年以上の歴史をもつフランスで最古の生産者協同組合の1つでもあるフリュイティエール・ヴィニコール・ダルボワが手掛けるシャルドネ100%の自然派白ワイン。
シャルドネはジュラ地方のブドウ栽培において、全体の42%と最も広範囲に植えられているブドウ品種。
日照量が多く、太陽が照る日中はとても暑くなりますが、標高が高いため夜はぐっと冷え込み寒くなるため、凝縮感のある素晴らしい高品質なシャルドネが育ちます。
輝きのある黄金色で、果実の甘い香りに続いて白い花の香りがあり、味わいはミネラル感が強く魚介のテリーヌと素晴らしい相性を見せます。

アルボワ・シャルドネ ヴィニコール・ダルボワ

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ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ・シュール・リー ドメーヌ・ド・ラ・ヴァンソニエール
フランス・ロワール地方のドメーヌ・ド・ラ・ヴァンソニエールが手掛けるシュール・リー製法で造られたミュスカデ。
このドメーヌの60haのブドウ畑は、海からの影響で豊富な日照量と穏やかな気温ながら、定期的な雨と強風がブドウの木を乾燥させることで、病害を発生しにくくしており、極力自然に近い農法である「リュット・レゾネ」を用いて栽培しています。
また、環境に配慮したブドウの栽培方法「テラ・ヴィティス」の認証を取得しており、ブドウ樹とテロワールを尊重したワイン造りが行われています。
ミュスカデ100%で造られるこのワインは、輝きのある淡いイエローから麦わらの色調で、レモンやシトラスなどの柑橘系に清涼感のあるハーブのアロマ。
一口含むと穏やかで心地よい酸味があり、いきいきとしたフレッシュな果実味に、ほんのり旨味が感じられます。
シーフード料理とのペアリングがおすすめの白ワイン。

ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ・シュール・リー ドメーヌ・ド・ラ・ヴァンソニエール

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