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シャルキュトリーという言葉を聞いたことはありますか?
日本ではまだなじみが薄い言葉ですが、シャルキュティエといって専門の職人もいて、フランス人のテーブルには欠かせない食文化の1つ。
そこで、本日はシャルキュトリーについてお話します。
シャルキュトリーとは
シャルキュトリーとは、お肉から作られる加工食品の総称で、ハム、ソーセージ、パテ、テリーヌなどの豚肉を原料とした食肉加工品のことをいいます。
シャルキュトリー(charcuterie)の語源は、肉を意味するchairと、調理を意味するcuiteを合わせた言葉です。
シャルキュトリーは、食品だけでなく、それを売っているお店のことも意味し、食肉加工技術を持つ職人のことをシャルキュティエ(charcutier)と呼びます。
日本ではまだなじみが薄い
シャルキュトリーという言葉はまだ日本ではなじみが薄いですが、日本人は、かなり食肉加工品が好きな人が多いのも事実。
日本ハム・ソーセージ工業協同組合の発表によると、食肉加工品生産数量は、2018年は過去最高の55万4342tとなり、年々生産量は上がってきているようです。
また、昨年8月にはドイツの歴史ある食肉加工コンテストIFFAが日本初開催となる「第1回IFFA 日本食肉加工コンテスト2019」を催し、全国各地の加工メーカーから約530品にのぼるハム、ベーコン、ソーセージなどの食肉加工品が出品されました。
よくよく考えると、日本のお中元やお歳暮の定番にもハムやベーコンなどの食肉加工品の詰め合わせがたくさんありますよね。
シャルキュティエについて
シャルキュティエという言葉もシャルキュトリー同様、まだ日本ではなじみが薄いですが、今ではすっかりおなじみの、パティシエ(洋菓子職人)、ブーランジェ(パン職人)、ショコラティエ(チョコレート職人)、ソムリエ(ワイン専門の給仕人)といったフランスから生まれた専門職が日本でもどんどん当たり前になっているので、シャルキュティエという職人が日本でも増えてくるような気がします。
最近は、肉好きの人の中でだんだんと言葉が侵透し始めてきており、シャルキュティエが常駐しているビストロも増えてきたので、今後、シャルキュティエが人気の専門職になりそうですね。
ワインとシャルキュトリーの相性
食肉加工品の歴史は古く、肉の保存性を高める手段として、肉を乾燥させたり、塩漬けにしたり、燻製などをして長期保存が目的で始まりました。
そのため、世界各国で多種多様なお肉と加工方法があり、フランスでは、1969年にシャルキュトリーの製造に関する規定書がまとめられ、450の製品が記載されています。
時代のニーズや変化に応じて、何度か改訂されており、原料、製造方法、添加するスパイスやハーブなどが明確に記されています。
規定書に基づいて造られたシャルキュトリーは、スーパーのお惣菜コーナーではもちろん、マルシェなどの小さな個人店でも販売されており、フランス人にとって、シャルキュトリーはチーズと同じくらい、もしくはそれ以上にワインに合わせるおつまみとして欠かせない食文化となっています。
お肉の種類も豚肉、牛肉、鶏肉だけでなく、鴨や鹿などのジビエも使われており、シャルキュトリーの味わいに合わせてワインを組み合わせて楽しんでいます。
シャルキュトリーと相性抜群のおすすめワイン
マスカヴィネ・ブラン・ド・ブラン
ドメーヌ・ピエール・シャヴァンは、南フランスで古くから栄えたワイン産地、ベジエという町の近郊にあり、若手醸造家として今フランスで注目を集めるファビアン・グロス氏が設立した新しいワイナリーです。
フランスでも最大手のワイン生産会社の一つ、「グラン・シェ」で醸造家として、若くして頭角を現したグロス氏は、ボルドーや南仏をはじめいくつかのブドウ畑を見て回り、このベジエ近郊のポテンシャルの高さに注目し、ワイナリーを設立しました。
ドメーヌ名の「ピエール」は、「石」を意味しており、ベジエのブドウ畑の特徴で、ごろごろと石が表面を覆っている、痩せた土地を表現しています。
畑の石は、昼間は太陽の光を照り返し、夜はブドウ畑の熱を保ち、ブドウの完熟を助けてくれます。
そんな、ドメーヌ・ピエールが手掛けるブラン・ド・ブランは、シャンパーニュ地方と同じシャルドネ100%で造るスパークリングワイン。
ライムや青リンゴ、青梅の実のような爽やかなアロマの辛口で、中性的な特徴を持つシャルドネ種で造られているので、癖がなく飲みやすくてハムやマリネ、テリーヌなどの前菜と気軽に楽しめるスパークリングワインです。
ラシーヌ・ヴァン・ド・ペイ・コンテ・トロサン・ブラン ヴィニュロン・ド・ラバスタン
ボルドーの南東トゥールーズ近郊、AOC 地区で言えばガイヤックに位置している協同組合 ヴィニュロン・ド・ラバスタンは、1953年創業で畑の総面積は1290ha、年産42万ケースの大規模生産者です。
パリやマコンのワインコ ンクールで数多くの受賞歴があり、ギ・ド・ アシェットにも紹介される実力派のワイナリーで、このラシーヌ・シリーズは、ワインショップソムリエの古株の一つで、もう 4年間の間売れ筋ワイン、人気の隠れたベストセラーワインなのです。
ラシーヌの白ワインは、ソーヴィニョンブランらしい華やかな香りですがしつこくなく、あとから柑橘系のフルーツやハーブなどのグリーンノート、爽やかな後味があり、味わいも香りからくる華やかさはあるもののスッキリとした印象の辛口の白ワイン。
生ハムやパテなどのおつまみと相性抜群です!