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早いもので、11月も半ばにさしかかりました。
11月といえば、ワイン業界では最大級のお祭り「ボジョレー・ヌーボー」の解禁があります。
ボジョレー・ヌーボーの解禁日ってどうやって決まったの?
「ヌーボーは11月の第三木曜日を待って解禁すべし」
これは、フランス現地のボジョレー委員会、さらに言えば国家レベルで管理されている厳密な決まりです。
そのため2022年の解禁日は、11月17日(木)。
昔、解禁日ルールが無かったころ、「早く売り出したほうが売れる!」と考えた生産者たちが抜け駆け販売をスタート。
Aさんが11月15日ならBさんは11月14日・・・
という風に出荷日競争は徐々にエスカレート。
収穫日や醸造時間がどんどん早められた為、一時期品質が悪いヌーボーが巷に出回りました。
これが「ヌーボーは美味しくない」という風評の原因となります。
この事件に危機を感じた委員会が「ボジョレーヌーボーは11月の第三木曜日を解禁日とする」というお触れを出し、破ったものには厳しい罰則を設けました。
こうして、全ての生産者が同じルールの中で実力を競うことができる状況が整ったのです。
11月に入ると、ボジョレー村周辺は厳戒態勢。
村から伸びる道路には関門が敷かれ、解禁日前にワインを運ぶトラックは警察がチェック!海外向けの出荷以外は通過できなくなるそうです。
日本はフランスよりも一足早くボジョレー・ヌーボーを楽しめる⁉
時差の関係で、日本は世界で最も早くヌーボーが解禁される国の一つ!!
そのため、本場フランスの人よりも早くボジョレー・ヌーボーが味わえるんです!
日本では、この解禁日に間に合わせるためボジョレーヌーボーを空輸します。
船だと日本まで1カ月以上かかるところ、飛行機だとたった一日で到着!
また、空輸のおかげでヌーボーだけが持つ、フレッシュな味わい、そしてボトルに詰まった祝祭の雰囲気を損なうことなく、日本へ持ってくることもできるんです。
ボジョレー・ヌーボーの味は?美味しい飲み方は?
解禁日のおかげで品質も上がったボジョレーヌーボー。
新酒ですので、普通の赤ワインとは製法が違いますので、当然ながら味わいも全く異なります。
ヌーボーの特徴はフレッシュ感とアロマティック。
鮮やかな赤紫色で渋みは穏やか、華やかなイチゴキャンディやバナナのような柔らかい香り。
また、新酒独特の造り方を行うため、 通常の赤ワインに比べ渋みの成分「タンニン」が少ないのも特徴です。
フレッシュな味わいを楽しむ為にも、少し冷やして飲むのがおすすめです。
パーティといえば、必ず必要なのは「乾杯」。
フランスでは「Sante!!(サンテ)」と言います。
皆の健康を祝って!という意味が込められています。
毎年この季節にだけ出回る秋の風物詩、ぜひお試しください!!
ワインショップソムリエのおすすめボジョレー・ヌーボー
ル・シャ・ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー
「ボジョレーワインを美味しく飲んだ人にしか見えない赤い猫」そんなボジョレー村に伝わる昔話をモティーフにしたラベルで、毎年現地でお祭りのように広く飲まれるヌーボーです。
作り手シーニェ・ヴィニュロンはボジョレーの著名な協同組合で、リュット・レゾネ(極力自然に近い栽培を行う)を実施する自然派。
名醸造家オリヴィエ・ラヴィエ氏の指揮のもと、ボジョレーのコンクール「トロフェ・リオン」3年連続金賞を始め、数々の受賞歴を誇ります。
イチゴキャンディーを思わせる華やかで少しミルキーな香り、甘みと酸味、取れたて完熟ブドウのフレッシュな美味しさがぎゅっと詰まっているヌーボーは毎年大人気で、去年も一昨年も、ご予約と解禁日の深夜でほとんど完売してしまいました(泣)
増やそうにも増やせないため、毎年同じ数量だけの限定品。
確保しておきたい方は、ぜひとも前予約をお願い致します。
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ボジョレー・ヌーヴォーM・ラピエール
フランス自然派ワインの巨匠として、いつも語られる人物マルセル・ラピエール。
2010年にマルセル・ラピエールが亡くなってからは、長男のマチューを中心に家族で一丸となって情熱を注いています。
安価で大量生産型のワインが多いボジョレー地区においては、珍しい自然派の造り手で、栽培においては、土地のポテンシャルを最大限引き出すため、化学肥料や除草剤、殺虫剤などを用いず、1981年からビオロジックによる栽培を行っており、収穫は完全な手作業を実践するなど丁寧に昔ながらの方法で丹念に栽培し、醸造を行います。
ラピエールのボジョレーは、そのピュアな味わいと、繊細かつ濃密で、しかも熟成する事でより一層の魅力を増す、常識を遥かに越えるものであり、新しいボジョレーの世界を切り開きました。
11月3日解禁した「山梨ヌーボー」もおすすめ!
山梨県内で今年収穫されたブドウで造られる山梨ヌーボー。
山梨ヌーボーは、白ワインはおもに甲州、赤ワインはマスカット・ベーリーAを使って醸造された新酒のワインのことで、11月3日が解禁日でした。
ボジョレーヌーボーが解禁される前に、今年の日本ワインの新酒を味わってみるのはいかがでしょうか。
ロリアン・甲州 白百合醸造 2022年
白百合醸造は、80年以上の伝統のなかで、ワインは「ローカル」であることの大切さをワインづくりの第一条件とし、気候、地質ともにブドウ栽培に適した山梨県勝沼町に自社畑を持ち、 常に一貫性のあるワインを追求しています。
ロリアン(L’ORIENT)は「東洋」を意味するフランス語で、 ヨーロッパに劣らぬ高水準のワインづくりを目指し名付けました。
山梨県産・甲州100%を使用した新鮮な果実感が魅力の山梨ヌーボー。
甲州特有の爽やかな柑橘の香りにフレッシュな酸、新酒らしい果実味豊かでフルーティな風味とやわらかな口当たりが特徴の白ワイン。
10~12℃前後に冷やして和食の共に甲州をお楽しみ下さい。
ロリアン・マスカットベーリーA 白百合醸造 2022年
山梨県マスカット・ベーリーA 100%使用したフルーティな山梨ヌーボー。
イチゴのような甘く華やかな香りが特徴で、色調は鮮やかなルビー色、果実味豊かで軽快な飲み口の赤ワインです。