最高のワインを追求し続けたカリフォルニアワインの父ロバート・モンダヴィ

最高のワインを追求し続けたカリフォルニアワインの父ロバート・モンダヴィ
ワクワクが止まらない!GWを楽しみ尽くすワインが続々登場!

最高のワインを追求し続けたカリフォルニアワインの父ロバート・モンダヴィ

この記事を読むのに必要な時間は約 11 分です。

カリフォルニアワインの父ロバート・モンダヴィ

ロバート・モンダヴィという名前をご存知ですか?
カリフォルニアワインを語るうえで欠かすことのできない人物。
まさに、現在のカリフォルニアワインの基礎を作りあげたと言っても過言ではない「カリフォルニアワインの父」の異名を持ロバート・モンダヴィ。
本日は、その功績と彼が造りだしたワインの魅力に迫ります。

ロバート・モンダヴィ氏について

1913年6月18日、ミネソタ州ヴァージニアでイタリアのマルケ州の移民である両親チェザーレとローザの長男としてロバート・モンダヴィは生まれました。
アメリカへワイン用のブドウを運搬する仕事をしていたチェザーレは、アメリカの地に魅了され、カリフォルニア州ローダイに移住、そこで農園を開きます。
幼いころから、父の農園で手伝いをしていたロバート・モンダヴィは、スタンフォード大学を卒業後、チェザーレが共同経営者となっていたセント・ヘレナのサニーヒル・ワイナリーで働き始めます。
その後、100エーカーのブドウ畑と十分な設備が整ったナパのチャールズ・クルーグ・ワイナリーに目を付け、ロバートの進言で家族でナパへ移り、ワイナリーを手に入れます。
1959年チェザーレが亡くなったことで、母ローザ、弟ピーターとともにクルーグ・ワイナリーの経営を引き継ぐことになりますが、
当時、カリフォルニアでは低品質のワインばかりで、ヨーロッパで造られているような高品質なワインはなく、ロバートは、ナパでヨーロッパのような高品質のワイン造りをおこないたいと思い、アメリカンオークの大樽から、フレンチオークの小樽に替え、ナパ・ヴァレーで初の低温発酵を大々的に試みるなど、さまざまな改革を進めていきます。
しかし、母と弟にはワイン造りの情熱が理解されず、1966年、彼が53歳の時に独立し、息子マイケルとともに、カリフォルニア州・オークヴィルに、ヨーロッパの伝統と技術に、アメリカのテクノロジーとマーケティングを組み合せた、ロバート・モンダヴィ・ワイナリーを立ち上げました。
建築家のクリフ・メイによってデザインされた大きなタワーとアーチは、ロバート・モンダヴィ・ワイナリーの象徴にもり、ワインのラベルにも描かれています。

ロバート・モンダヴィ氏の功績

前述のとおり、ロバートは、カリフォルニアでヨーロッパのような高品質ワインを生み出すため、それまで使っていたアメリカンオークの大樽から、フレンチオークの小樽に替え、ナパ・ヴァレーで初の低温発酵を大々的に試みるなど、醸造技術の点で大きな革新をしてきました。
また、1968年当時カリフォルニアでは、青臭い香りが強すぎると人気のなかったソーヴィニヨン・ブランを樽熟成により香りを穏やかにし、フランスのプイィ・フュメを思わせる「フュメ・ブラン」の名前で売り出し、ソーヴィニョン・ブランのアメリカでの認知度を高めました。
また、現在ニューワールドワインでは当たり前とも言えるバラエタルワイン(単一品種ワイン)も、ロバートが積極的に取り入れて広めていきました。
1979年には、カリフォルニアで最高のワイン造りを目指し、フランス・ボルドーのシャトー・ムートン・ロートシルトを運営するバロン・フィリップ・ロートシルトと共同でワイナリーを設立し、そこで造られたワインが、現在もカリフォルニアのプレミアワインとして、評価が高まる一方のオーパス・ワンです。

ワイン造りのみならず、「ワイン造りは芸術であり、文化である」という、自身の哲学に基づき、ワイナリーをただワイン造りだけの施設と考えず、ジャズやクラシック音楽のコンサートや美術品の展示会を開催したり、シェフを招いて、ワインと料理のマリアージュを楽しむ料理教室を開催するなど、「ワイン、食事、芸術」という文化を推奨するワイナリーとしても大きく発信していきました。
こうした文化・芸術活動、医療活動への支援を続けてきたロバートは、1996年に初の「カリフォルニア州フェアライフタイム・アチーブメント賞」を受賞。
その他、ビジネスの分野やカリフォルニアワインに偉大な功績を残したとして、さまざまな賞を受賞しました。

ロバート・モンダヴィが手掛けたワイン

ナパ・ヴァレーのオークヴィルにあるロバート・モンダヴィ・ワイナリーでは、グラヴィティ・フローと呼ばれる重力を利用して果実やワインを移動させ、衝撃が少なくしブドウを優しく扱うことでブドウの繊細な個性を失わず、エレガントで特色のあるワイン造りをおこなっています。
また、ギリシャ語で「最高の品質」「最高の美」を意味するト・カロンと名付けられた畑では、最高品質のカベルネ・ソーヴィニヨンやソーヴィニヨン・ブランが造られており、ワイナリーのシンボルであるアーチと大きなタワーがナパ・ヴァレーの名所としても有名です。
そんなワイナリーで造られるワインは、「ワイナリーシリーズ」「プライベートセレクションシリーズ」「ウッドブリッジシリーズ」に分けられています。
ワイナリーシリーズ
ト・カロン畑のブドウを使用したカベルネ・ソーヴィニヨン・リザーブをはじめ、フュメ・ブラン、シャルドネ、メルロ、ピノ・ノワール、マスカットなどナパ・バレーの魅力が堪能できる最高峰のワインシリーズです。

プライベートセレクションシリーズ
「大切な人とのプライベートな時間を豊かに過ごすこと」をコンセプトにつくられたブランドで、各品種に適した気候と土壌が多様に広がっているコースタル地域の涼しい畑で造られた秀逸なブドウから生み出されるワインは、ブドウの個性がしっかりと感じられる果実味溢れる味わいで、畑に発生する霧の影響でエレガントなスタイルのワインに仕上がっています。

ウッドブリッジシリーズ
ロバート・モンダヴィの故郷であるローダイで造られるウッドブリッジシリーズは、豊富な日照に恵まれたローダイのふくよかなでジューシーな果実味のあるブドウと、海からの涼しい風の影響をうけるコースタル地方の洗練された凝縮感のあるブドウの、両方のブドウを使い、「毎日楽しく味わえる良質なワイン」がコンセプトで、普段の食事に合わせて楽しめる比較的リーズナブルなラインナップになっています。

ロバート・モンダヴィワイナリー

ロバート・モンダヴィが手掛けたおすすめのワイン

オーパス・ワン
カリフォルニアワインの父と呼ばれるロバート・モンダヴィ氏と、ボルドーメドック格付け第一級、シャトー・ムートン・ロスチャイルドを所有するバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド男爵の2人がコラボレーションした夢のワインが、オーパス・ワンです。
カリフォルニアのテロワールとボルドーの醸造技術の融合によって、最高品質かつ唯一無二のワインを造るという目標をかかげ、1984年に1979年ヴィンテージと1980年ヴィンテージが発売されました。
「1本のワインは交響曲、1杯のグラスワインはメロディーのようなもの」という思いから、音楽用語で「作品番号1」という意味を持つオーパス・ワンと名付けられたこのワインは、エレガントで複雑な香りと深みのある味わいでまさにカリフォルニアを代表するプレミアムワインとしてふさわしい圧倒的存在感を放っています。
20年もの熟成に耐えられる熟成型のワインですが、ブドウの収穫からリリースまでに、すでに3年が経っていますのでリリース直後でも、十分に楽しむことができるのもオーパス・ワンの魅力です。

オーパス・ワン

オーパス・ワンのご注文はこちら

ルーチェ ルーチェ・デッラ・ヴィーテ
ルーチェ・デッラ・ヴィーテは1995年に、ワインへの情熱と卓越した醸造の技術を持った20世紀を代表する二人のワイン醸造家であるヴィットリオ・フレスコバルディとロバート・モンダヴィによって創設されたワイナリーです。
メルロとサンジョヴェーゼから造られるスーパートスカーナスタイルのこのワインは、アメリカ・カリフォルニアのオーパス・ワンになぞらえ、「オーパス・ツー」の異名を持ち世界中で人気を博しています。
イタリアでも最も高貴なワインを生み出すと言われるモンタルチーノの畑は、上部はガレストロと呼ばれる結晶片岩を含む砂質と石灰岩の混合した土壌が多く、水捌けの良い養分の少ない土壌でサンジョヴェーゼ品種の栽培に理想的で、畑の下部は粘土質が多くメルロ種に適した土壌となっています。
発酵とマセラシオンが終わったところで、サンジョヴェーゼとメルロは「LUCE」を生み出すべくひとつに統合されて行きます。
ブラックベリーやチェリー、プラムなどの黒系果実の濃密なアロマに、バラのフローラル香と清涼感のあるハーブに、タールなどの複雑なニュアンスが加わり、口に含むとジューシーな果実味とともに繊細で柔らかなタンニンと美しい酸が見事なバランスで幾重にも織り重なって、長く心地よい余韻を楽しめます。

ルーチェ ルーチェ・デッラ・ヴィーテ

セーニャ ヴィーニャ・エラスリス
チリの名門エラスリス家5代目当主エデュアルド・チャドウィックとオーパス・ワンやルーチェの生みの親ロバート・モンダヴィが共同で生み出したチリのスーパープレミアムワイン!
1991年、カリフォルニアワインの父ロバート・モンダヴィがチリを初めて訪問した時、案内役をエラスリスの当主エデュアルド・チャドウィックが務めたことからプロジェクトが始まりました。
チリの素晴らしい可能性に心惹かれたモンダヴィから、「オーパス・ワン」と同様の試みをしようと提案し、2004年に当主エデュアルド・チャドウィック本人により開催された、ブラインドテイスティング大会では、シャトー・ラフィットやシャトー・マルゴーを抜き、エラスリス家が造るヴィニェード・チャドゥイックが1位、そしてセーニャが2位という快挙を成し遂げました。
『世界最高のカベルネ産地』と称されるチリのアコンカグア・ヴァレーの中でも、ずば抜けて良い土壌を所有し、ほぼ手つかずの自然のままでブドウを栽培しています。
畑では、土地の個性そのものをワインに映せるようビオディナミ農法が採用され、一粒一粒手摘みし、丁寧に選別されています。
目指すスタイルは極上のボルドースタイルで、熟成には100%フレンチオークの新樽が使用されています。
2015年ヴィンテージのセーニャは、ワイン評論家のジェームズ・サックリングから100点満点を与えられました。いまや世界中で名を馳せるチリのウルトラプレミアムワインです。

セーニャ ヴィーニャ・エラスリス

セーニャ ヴィーニャ・エラスリスのご注文はこちら

ワインの豆知識カテゴリの最新記事

特集一覧