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1年のうちでもっとも華やかなイベントでもあるクリスマス。
今年はおうちでクリスマスを楽しむ方も多いですよね。
家族や友人たちと集って食事を楽しむクリスマスには、料理に合うワインが欠かせません。
そこで、本日はクリスマスの特別なテーブルにふさわしいワインの選び方についてお話します。
クリスマスの食事に合わせたワインの選び方
日本ではもともとクリスマスの習慣というものが昔からあったわけではないので、料理に関しては、さまざまな国の料理をいい感じにミックスしたものがパーティーメニューとして用意されますよね。
ちなみに、世界のクリスマスの代表的な料理を挙げると、メイン料理は、アメリカなどの欧米諸国は、七面鳥の丸焼き(Roast turkey)ですよね。
最近は日本でもターキーを売るスーパーも増えてきていて、ローストチキンからターキーを焼くという家庭も増えてきたのではないでしょうか。
また、イギリスの伝統料理として親しまれているローストビーフ(roast beef)。
こちらも日本のパーティーメニューでは欠かせない定番の料理ですよね。
ちなみに、フィンランドでは、豚ハムのヨウルキンク(joulukinkku)を厚切り切って、マスタードをつけて食べるそうです。
イタリアでは、ラザニアのような平たい生地にひき肉やホウレン草などの野菜、リコッタチーズなどを詰めて、ベシャメルソースやトマトチーズをかけてオーブンで焼くカンネローニ(Cannelloni)が、クリスマスで定番の郷土料理です。
食後のデザートには、イギリスはドライフルーツがぎっしり詰まったミンスパイ(mince pie)。
ドイツでは、ドライフルーツとナッツがたっぷり入ったラムの味がしっかり効いた大人の風味のシュトーレン(Stollen)。
日本でもクリスマスケーキの定番となったフランスの切り株の形ブッシュドノエル(buche de noel)など、各国の文化、習慣に基づいたさまざまなクリスマス料理があります。
ワインも世界各国でその土地の料理に合うものが多種多様に造られているので、クリスマスは世界の料理に合わせて、その国のワインを合わせるというのもおすすめです。
クリスマス料理にあわせるおすすめのワインのペアリング
それでは、ここからクリスマス料理に合わせたワインのペアリングをご紹介します。
まず、前菜に多く用いられるスモークサーモン。
マリネにしたり、スライスした玉ねぎと一緒に添えたり、サラダに入れたり、さっぱりといただく前菜のスモークサーモンには、すっきりとした酸がある辛口のスパークリングワインがおすすめです。
とくに、乾杯ではいきなり白ワイン、赤ワインよりもシュワシュワとした食感のあるスパークリングワインの方がのどごしよく、スッと飲めて、乾杯のときの絵にもなりますよね。
次に、メインの肉料理に合わせるワインは、クリスマスの定番であるローストチキンには、しっかりとしたコクのある樽熟成のシャルドネがおすすめ。
穏やかな酸に、バターやナッツやバニラといったまろやかな芳香のあるシャルドネに、ジューシーでさっぱりとした鶏肉の風味がよく合います。
赤ワインを合わせるなら、すっきりとした酸に、イチゴのようなベリーの香りが豊なピノ・ノワールがおすすめです。
カベルネソーヴィニヨンなどに比べ、タンニンが穏やかで、飲み口もさっぱりとしているので、鶏肉の繊細な味わいを損なわず、お互いの旨みを引き立ててくれます。
赤ワインの風味が効いたスパイシーなソースで食べるローストビーフには、ジューシーな果実味としっかりとしたタンニンのあるカベルネソーヴィニヨンがおすすめ。
牛肉の脂をワインのタンニンと酸がさっぱりとさせてくれ、ワインの旨味もお肉の旨味も両方が引き立ててくれます。
カンネローニやラザニアなど、肉とチーズをたっぷりつかった料理には、フルーティーな果実味が味わえるアリアニコやプリミティーボを使ったイタリアの赤ワインがおすすめです。
食後は、甘いデザートと一緒に甘口ワインというのも贅沢ですよね。
シュトーレンやミンスパイなどたっぷりのドライフルーツが入ったスイーツには、フランスソーテルヌの貴腐ワインや、陰干しして糖度を高めて造るパッシートという製法で造られるイタリアの甘口ワインなどがおすすめです。
男性へのクリスマスプレゼントにおすすめのワイン
シャトー・デュフォール・ヴィヴァン
シャトー・デュルフォール・ヴィヴァンの名前は、14世紀のマルゴー村で権勢を誇った貴族のデュルフォール・ド・デュラに由来します。
1844年には、マルゴー村の他の全ての2級ワインより高値で取引されるようになり、1855年にはボルドーワインの格付けが行われ、正式に2級格付けとなったのです。
1937年、シャトー・マルゴーを所有するリュルトン家によって取得され、一時低迷した期間もありましたが、1992年にゴンザック・リュルトンが近代化を進め著しく品質が向上していきました。
シャトー・デュルフォール・ヴィヴァンの畑は、マルゴー、カントナック、スーサンに隣接しており、カベルネ・ソーヴィニョンの熟成に最適な土壌で、フィネスに満ちたシルキーでタンニンの豊富なカベルネ・ソーヴィニョンが育ちます。
ブドウ樹や環境に配慮したブドウ栽培は、伝統的な方法により、常にブドウとテロワールのバランスを重視した方法で行われており、こうして造られるワインは、凝縮感と複雑味のある地味ながらも、密かに輝くマルゴーの2級にふさわしい味わいのワインになります。
シャトー・ヴレ・クロワ・ド・ゲ
シャトー・ヴレ・クロワ・ド・ゲは、19世紀「Domaine des Grands Champs(ドメーヌ・デ・グラン・シャン)」の名で、非常に優れたブドウ畑として知られていました。
1949年、ギシャール家がシャトーを購入し、シャトー・ヴレ・クロワ・ド・ゲとしてリリースされました。
2005年までは、ペトリュスやラフルールなどを所有するムエックス社によってワイン造りがおこなわれていましたが、シャトーの実権がギシャール家の娘婿のゴールドシュミット家の所有に移ると、シャトーの管理を自身で行うようになり、ボルドーでも名手と名高い醸造家ステファン・ドゥルノンクール氏へコンサルタントを依頼。
テロワールの特徴を引き出し、フィネスやエレガンスを表現したシャトー・ヴレ・クロワ・ド・ゲの名は徐々に知られるようなり、2014年シャトー・ラトゥールのオーナーであり、フランス有数の実業家フランソワ・ピノー率いるアルテミス・グループが、株の一部を取得したことで、五大シャトーのラトゥールのチームがワイン造りに合流するようになり、ムエックス家管理のもと、かつてペトリュスも手掛けた名醸造家、ジャン・クロード・ベルーエをコンサルタントとして招聘。醸造にはラトゥールのチームが当たるという、夢のようなチームが誕生したのでした。
ポムロールの特徴をよく表現した鉄分混じりの重粘土土壌を主体に、砂利質・砂質の水はけの良い土壌に、メルロ、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニョンが植えられています。
フレンチオーク樽(新樽率50%)で14~18か月間熟成させて造られるこのワインは、プラムなどの黒系果実のアロマに、スミレなどのフローラル香と、熟成によるキノコの複雑なニュアンスも加わり、濃密で凝縮した味わいのほどよい重厚感のあるワインです。
シャトー・ローザン・ガシー
シャトー・ローザン・ガシーは、マルゴー地区に位置する2級シャトーで、17世紀後半まではお隣のローザン・セグラの一部でした。
1855年の格付けで、ローザン・ガシーは第2級となり、1946年ワイン仲介人のポール・キエがシャトーを購入し、2001年にはジャン・ミッシェルの子供アン・フランソワ・キエとジャン・フィリップ・キエが加わり、現在に至っています。
一時期は兄弟シャトーのローザン・セグラとは相当な差をつけられてしまった感がありましたが、現オーナーのジャン・フィリップ・キエ氏が指揮をとり、エノロジストのジャン・ルイ・カンプを醸造責任者にし始めからというもの、次々と矢継ぎ早にセラーと畑の改良を打ち出し、95年以降は急速に品質を高めてきており、かつての名声を取りもどしつつあります。
ローザン=ガシーのブドウ畑は沖積土の台地にあり、その60%がシャトーを取り巻き、残りのブドウ畑(砂利質の土壌)はシャトー・マルゴーやパルメ、ラスコンブに接する無限の可能性を秘めたテロワールを有しています。
やさしく柔和なアロマとやわらかなボディで、近年評価急上昇中のお値打ち格付けボルドーです。
シャトー・ローザン・セグラ
1855年、ローザン=セグラは、1級シャトーであるラフィット・ロートシルト、ラトゥール、マルゴー、オー=ブリオンの4大シャトーと、2級シャトーのトップクラスであるムートン・ロートシルトに次ぐ、ボルドーの最高ワインとされていました。
19世紀末から1970年代にかけては低迷した時期がつづきましたが、1983年から「メドック格付け2級」の名前に恥じないだけの品質を備えたワインを造り続け、シャネルが1994年に買収してからは更なる安定感とレベルの高さを発揮しているシャトー。
今やマルゴーで、シャトーパルメとともに、1級にもっとも近いスーパーセカンドといわれるシャトーと言われています。
ローザン・セグラの歴史において“20世紀最高の傑作”といっても過言ではないこのワイン。
ぜひ、特別な日のプレゼントにいかがでしょうか。
女性へのクリスマスプレゼントにおすすめのワイン
シャトー・クーテ
シャトー・クーテはボルドーに数あるワインシャトーの中でも、最も歴史の古いものの一つ。
1643年には領主シャルル・ル・ゲランがシャトーを所有していたと言われており、1977年にシャルル・ル・ゲランはマルセル・バリに領地を譲り渡し、シャトーの大がかりな再生に取り掛かります。
現在は、息子フィリップとドミニクに引き継がれており、ブドウの栽培方法の見直しから、醸造所や発酵タンク、そしてシャトーの建物自体の改修も行われました。
1994年には、バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社とクーテの独占販売契約が交わされ、技術と販売の両面からクーテを世界へ広めるべく努力が続けられています。
赤ワインが有名な産地ボルドーで、白ワインのみ産出するのがソーテルヌ・バルサック地区。
特にこの地の貴腐ワインは世界3大貴腐ワインと称され、世界中で愛される、極甘口のデザートワインです。
ここで造られる貴腐ワインは、ドライマンゴーやドライアプリコットのような芳香があり、シトラスのマーマレードやハチミツのような味わいがあります。
非常に複雑味を持っているのがこのヴィンテージの特長で、充分なエイジングポテンシャルを秘めています。
ブリュット・ロゼ ジャン・ローラン
メゾン・ジャン・ローランは、この地方で最も古くから続くブドウ栽培家であり、シャンパーニュ地方でも比較的南寄りの伝統あるコート・デ・バール地区にブドウ畑を所有しており、この地域はミネラル豊富な辛口白ワインを代表する「シャブリ」地区も近いことからキンメリジャン土壌で、傾斜した谷にある畑には、大きな白い石がゴロゴロしています。
ブドウ栽培は、農薬を極力使用しないリュット・レゾネ(減農薬農法)でピノ・ノワール70%、シャルドネ30%を栽培しています。
ジャン・ローランの手掛けるピノ・ノワール100%のロゼシャンパンは、輝きのあるやや濃いめの色鮮やかなサーモンピンクで、フランボワーズのような赤い果実の香り、ピノ・ノワールらしいスパイスや土っぽい香りに、キャンディーやイチジクなど次々に甘い香りもあり、酸味は程よく、爽やかで飲みやすくアペリティフにも丁度良いロゼシャンパンです。
ニュイ・サン・ジョルジュ マルシャン・トーズ
パスカル・マルシャンは国をまたいで活躍するワインメーカーで、その活躍の舞台はブルゴーニュをはじめ、オーストラリア、チリなど南半球にまで及んでおり、マイクロネゴス(マイクロ・ネゴシアン)と呼ばれる小規模のネゴシアンです。
買付から醸造まで一貫して行い、ブドウを購入する畑は彼のポリシーに賛同する人のみで、定期的に本人が畑を訪ね、ビオディナミ農法含め、木の管理など細かい部分まで直接見ています。
全体的に石灰質の砂利の混ざったシスト土壌のため、ヴォーヌ・ロマネと土壌の性質も似ており、ニュイ・サン・ジョルジュは、ブルゴーニュのコート・ド・ニュイ地区の最南端にあるAOCで、全体的に石灰質の砂利の混ざったシスト土壌のため、ヴォーヌ・ロマネと土壌の性質も似ており、しっかりとした骨格のある肉厚で、華やかでエレガントさを持った味わいのワインが生まれます。
パスカル・マルシャンが手掛けるピノ・ノワール100%のこのワインは、巧みな樽使いが感じられ、大地のような深みのある香り、赤スグリやラズベリーのアロマ、それらが統合されて非常にリッチな 丸みのある柔らかさのあるワインです。
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シャトー・ギロー
シャトー・ギローは、自然に対する尊敬の念とそこに人の情熱を傾けることを哲学として、格付1級シャトーで初の有機認証を獲得しました!
そのシャトー・ギローで造られる100%オーガニックの貴腐ワイン。
ソーテルヌで最もソーヴィニヨン・ブランの比率が高く、フルボディタイプの貴腐ワインと定評。
ピンクグレープフルーツ、レモンの砂糖漬け、アプリコットなどの風味で、シャトー・ギローの輝くテロワールを感じる味わいになっています。
食後のスイーツと一緒にプレゼントしてみてはいかがでしょうか。