赤、白、ロゼ、黄色、緑、黒・・・世界で造られるさまざまな色のワイン

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赤、白、ロゼ、黄色、緑、黒・・・世界で造られるさまざまな色のワイン

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赤、白、ロゼ、黄色、緑、黒・・・世界で造られるさまざまな色のワイン

ワインの色には、白、赤、ロゼがあるのは多くの方がご存じだと思いますが、世界には、オレンジワイン、黄色ワイン、緑ワイン、黒ワインと呼ばれる色のワインも存在するんです。
もちろん、あとから色付けしたものではなく醸造過程やブドウ品種の特徴からそのような色素が出てくることで、そう名付けられました。
そこで、本日は世界にあるさまざまな色のワインをご紹介します。

100年以上の熟成に耐えうる「黄色ワイン」ヴァン・ジョーヌとは?

ヴァン・ジョーヌは、フランスのジュラ地方のワイン。
「ジョーヌ」はフランス語で「黄色」という意味で、言葉の通り黄色い色調が特徴のワインです。
ヴァン・ジョーヌは、サヴァニャンというブドウ品種を使用します。
収穫後、一旦は通常の工程で白ワインを作り、木樽に詰めて熟成をさせるのですが、ここから先がヴァン・ジョーヌならではの特殊な造り方になります。
樽熟成を進めていくと、空気が接触することにより、樽の中のワインが少しずつ気化して目減りしていきます。
通常のワインであれば、ここで過度な酸化を抑えるために、ウイヤージュ(同じワインを樽に足す作業)をするのですが、ヴァン・ジョーヌはそれを行いません。
結果、ワインは酸素と接触を続けることになり、産膜酵母という酸素を好む菌が活発化して、ワインの表面には「フルール」という皮膜が形成されます。
このフルールこそがワインを徐々に黄色に変化させ、「黄金の味」と表現されるヴァン・ジョーヌの味わいになるのです。
ヴァン・ジョーヌは、木樽熟成時のフルールがあってのもの。
なので、樽熟成はなんと収穫翌年から6年目の12月15日まで熟成させることが義務付けられているのです。
こんな特殊な造り方をするヴァン・ジョーヌ、長期熟成に向いているワインと言えます。
ヴァン・ジョーヌの造り手でもっとも有名なのがシャトー・シャロンです。
シャトー・シャロンのヴァン・ジョーヌは、一般的にヴィンテージ後100年間熟成させることができると言われており、2018年には約250年もの長きにわたって温存されていたヴァン・ジョーヌが落札されました。
ヴァン・ジョーヌのお味はというと、樽で長く熟成させるため、クルミやヘーゼルナッツといった独特な風味があり、アプリコットやピーチなどの甘く熟した果実のアロマに、ハチミツなどのエレガントなアロマと、カレーのようなスパイス香にたばこのような複雑なアロマが感じられます。
しっかりとしたミネラル感があり、力強いアルコールのボリューム感もある極辛口のワインになります。

みずみずしいフレッシュな味わいの「緑ワイン」ヴィーニョ・ヴェルデとは?

スペインとの国境に位置するポルトガルの北西部のミーニョ地方では、緑のワインと呼ばれるヴィーニョ・ヴェルデというワインが造られています。
ワインを意味するヴィーニョ(vinho)と、緑を意味するヴェルデ(verde)という名前が付けられているため、色調も緑茶のような色を想像される方もいらっしゃると思いますが、実際は緑と言っても明らかな緑色というわけではなく、淡い緑がかった黄色の色調です。
ヴェルデという言葉には、フレッシュさや、若々しさという意味合いも含まれており、実際にヴィーニョ・ヴェルデは通常のものよりも1カ月から2カ月ほど早く収穫されます。
そのため、発酵途中で発生する気泡がワインに残りやすく、微発泡ワインよりもさらに弱い泡を感じることができ、ブドウのみずみずしいフレッシュな果実味のある味わいが口に広がります。
またアルコール度数が低いためとても飲みやすく、沿岸部で育つブドウならではの土壌由来のミネラル感がありシーフードとよく合わせて飲まれています。

おすすめの緑ワイン

マリア・ド・カサル・ヴィーニョ・ヴェルデ
ポルトガルの北西部、ミーニョ地方で造られているワインのヴィーニョ・ヴェルデは、直訳すると「緑のワイン」と言われるワインで、醸造した後すぐに市場にリリースされ、若々しいフレッシュな味わいを楽しむワインなんです。
ブドウは、アサル、アリント、トラジャドゥラといった伝統的な土着品種を使用します。
レモンゼスト、ライム、グレープフルーツなどのみずみずしい柑橘のアロマに、ミネラルとフレッシュな野菜を思わせる緑のアロマがあり、活き活きとした酸味とミネラルを感じる非常に爽やかな味わいです。
シーフード全般に非常によく合いますが、ソムリエおすすめのペアリングは焼き魚。
とくに、スズキや鯛などの白身魚に塩を軽く振って焼いて、レモンやすだちをキュッと絞って食べる焼き魚と相性抜群です!

マリア・ド・カサル・ヴィーニョ・ヴェルデ

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凝縮感のある濃厚な味わいの 「黒ワイン」カオールのワインとは?

カオール(CAHORS)は、フランス南西地方のガロンヌ川の支流であるロット川流域のAOCで、「黒ワイン」と呼ばれる黒に近い色調の濃厚な赤ワインが造られています。
カオールと名乗るにはマルベックを最低でも70%使用することが義務付けられており、黒ワインと言われるほど濃い色調は、このマルベックの濃く厚みのある果皮によるものです。
マルベックは、別名Cot(コット/コッ/コー)やオーセロワとも呼ばれ、フランス・南西地方のカオール地区が原産と言われており、プルネラールとマドレーヌ・ノワール・デ・シャラントの自然交配で生まれたとされています。
もともとは、フランス全土で栽培されていましたが、マルベックは花ぶるいを起こしやすい品種で、1956年のフランスをおそった冷害の影響により、現在ではカオールとボルドーのみの栽培となりました。
フランスを冷害がおそう少し前、マルベックの苗木がチリに持ち込まれ、隣国であったアルゼンチンにも持ち込まれると、アルゼンチンの土壌がマルベックに適していたことから栽培が広がり、現在では、アルゼンチンが世界の栽培面積の75%近くを占めるマルベックの主要な産地となっています。
カオール一帯はボルドーより雨量が少なく、熱く乾燥した風によって、ブドウが非常に熟すため、出来上がるワインの色合いは大変濃く、ヴァン・ノワール=黒いワインという異名を持つほどです。
タンニンも酸味も穏やかでエレガントなワインに仕上がります。
ブラックベリーやプルーンなどの黒い果実を思わせる濃厚な果実味と、干しブドウやシガーやスパイスなどを連想させる複雑な香りが合わさり、凝縮感のあるタンニンや酸味を持つ、パワフルな味わいのワインに仕上がります。

おすすめの黒ワイン

シャトー・レ・ブイッス カーヴ・デ・コート・ドルト
貴腐ワインチョコレートに合わせるワインは、レザン・ドレ・オ・ソーテルヌ“貴腐”を手掛けるヴェルディエ社もあるフランス南西地方のカオールで造られる黒ワインがおすすめです。
このワインの生産者は、カーヴ・デ・コート・ドルトは、1947年に設立され、現在では加盟者の数は150にものぼる協同組合。
カオールのワインは、タンニン含有量が極めて多いブドウ品種でもあるマルベック種を使用しているため、黒ワインとも呼ばれています。
カーヴ・デ・コート・ドルトが手掛けるこのワインは、プラムやベリーなどの黒系果実のアロマに、インクを思わせる凝縮したアロマがあり、スミレやユーカリ、トリュフ、トーストの香りも僅かに感じます。
丸みのある柔らかい口当たりで、果実の香りや煎った豆のような香りが織り交ざった複雑さが感じられ、余韻にリコリスやミントの爽やかな香りが残ります。

シャトー・レ・ブイッス カーヴ・デ・コート・ドルト

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