ワインのアッサンブラージュって何?ワインはブレンドされることでより複雑さが増す⁈おすすめワイン6選

ワインのアッサンブラージュって何?ワインはブレンドされることでより複雑さが増す⁈おすすめワイン6選
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ワインのアッサンブラージュって何?ワインはブレンドされることでより複雑さが増す⁈おすすめワイン6選

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ワインのアッサンブラージュとは

ワインを飲みなれてくると、自分が好んで飲むブドウ品種や産地が見つかると思います。
さまざまなワインを飲んでいくうちに、次第にワインの魅力にはまると、ブドウ品種や産地だけでなく、より複雑なワインを試したくなり、いくつかのブドウ品種がブレンドされたワインの味のハーモニーを楽しみたくなります。
そこで、本日はブレンドワインについてお話します。

ブレンドワインはアッサンブラージュとも例える

ブレンドワインとは、さまざまなブドウの品種をブレンドすることで造るワインで、以前にも、このソムリエ手帳で、ブルゴーニュワインとボルドーワインの特徴の違いに、ブルゴーニュワインは、1つのブドウ品種しか使われていない「単一ワイン」が特徴で、さまざまなブドウ品種を組み合わせて造られる「ブレンドワイン」がボルドーワインの特徴とお話したことがありました。

今回はボルドーワインの特徴である「ブレンドワイン」を掘り下げていきたいと思います。
フランスでは、ワインのブレンドのことを、「組み立てる」「集合する」「積み上げる」「貼り合わせる」という意味の、「アッサンブラージュ(アサンブラージュ)」という言葉を使います。
もともとは、美術の技法を表した言葉ですが、ワインでは「調合する」という意味合いで、アッサンブラージュと使われます。

ブレンドすることによるワインの変化

さて、ブドウの品種がブレンドされることで、どのような変化があるのか。
それは、ブレンドワインのメリットとも言える、味わいの複雑性です。
さまざまなブドウ品種を組み合わせることにより、単一のブドウ品種では造り出せない複雑な味わいのワインを生み出すことができます。
なぜ、ブドウの品種を組み合わせることにより複雑性が生まれるのかというと、ブドウはそれぞれの品種によってさまざまな個性を持っています。
例えば、香りが芳醇で果実味のあるブドウもあれば、渋みと酸味が豊富で骨格がしっかりとしたブドウもあり、
また、厚みがしっかりとしていて余韻が長く味わえるブドウもあります。
単一では、出し切れないそれぞれの味の特徴を組み合わせることにより、補いあうことでそれぞれの味の特徴をもったバランスの良いワインができるからです。

また、ブレンドワインのメリットとしては、安定的にワインの品質を保てることがあります。
ブドウは品種によって収穫時期が早いものや遅いものがあり、気候によって耐えられるものとそうではないものとさまざまあります。
ヴィンテージによっては、ある品種のブドウが思っていたよりうまく育たず収穫量が減ってしまった…という時もブレンド比率を変えることで、うまく育ったブドウを多くして、ワインの味わいを調整することが出来ます。
そして、ブレンドすることにより味わいを整えるのはもちろんですが、飲み頃に到達する熟成期間の長さもブドウ品種により差があるので、ブレンドすることで、熟成期間も調整することができるので。
自然環境に左右されやすいワインであっても、常に品質を保って供給できるというのが大きなメリットと言えるでしょう。

ここまで読むと、それならワインってブレンドした方が絶対に良いでしょ。
と思われるかもしれませんが、やはりブレンドワインにもデメリットはあります。
大きなデメリットとしては、味わいに特徴が出しづらい。という点です。
ブドウは、その土地の土壌(テロワール)の影響を受けますので、同じブドウ品種であっても産地により味わいが異なります。
そのため、単一ワインはその土地のブドウ品種の味わいをしっかりと表現できますが、さまざまなブドウ品種を組み合わせることにより、その土地の特徴が出しにくくなり、似たような味わいになってしまう可能性もあります。
下手をすると、ブレンドによっては世界のどこでもボルドーワインに似たような味わいを造れてしまうというのが、最大のデメリットと言えるでしょう。

ブレンドワインに用いられる主なブドウ品種

【赤ワイン用ブドウ品種】
◆カベルネ・ソーヴィニョン
ボルドー地方の伝統的な品種。
豊富なタンニンがあり、芳醇でしっかりとした骨格を持つワインに仕上がります。
若いうちは強い渋みを感じるものあるため、丸みのあるおおらかな味わいのメルローとブレンドされることが多いです。
ブレンドすると甘草やカシス、杉、ジビエのような魅惑的な香りを出し、複雑なブーケを開花させる品種です。

◆メルロー
ボルドー地方でもっとも広い栽培面積をもつ品種。
カベルネ・ソーヴィニョンと最高に相性が良い品種で、深い色合いが特徴的で、プルーンやダークチェリーのようなフルーティな香りと、すみれを思わせる華やかな奥深い香り、またロースト香がふくよかで口当たりの良いワインに仕上げます。

◆カベルネ・フラン
補佐的なイメージが強い品種ですが、カベルネ・ソーヴィニョンやメルローといった単体で個性の強いブドウ品種をブレンドする際にうまくつなぎ合わせてくれる品種です。
ラズベリーやすみれのような愛らしくも奥深い香りが魅力です。

【白ワイン用ブドウ品種】
◆シャルドネ
辛口白ワインを生み出す王様的な品種。
地域、テロワール、造り手によって味わいも香りもさまざまな特徴を出し、シャルドネから造られる白ワインはデイリーワインから高級ワインまでさまざま。
一般的には、レモン、りんご、アカシア、はちみつ、バター、ヘーゼルナッツなどの香りが特徴的。
単体で造られることも多いですが、ソーヴィニョン・ブランとの相性も良く、ブレンドワインとしても使われます。

◆ソーヴィニョン・ブラン
香りが変幻自在で、温暖な産地ではトロピカルフルーツや白い花の華やかな香りを出し、冷涼な産地では酸味がきつくなり、猫のおしっこのような香りと例えられることも。
一般的には、グレープフルーツのような柑橘系のさわやかな香りが特徴で、ボルドーでは、セミヨンとブレンドされることが多いです。

◆セミヨン
中甘口と甘口ワインに欠かせない代表品種。
偉大な甘口ワインとされる「貴腐ワイン」を生み出す品種としても有名ですが、ボルドーでは辛口ワインのブレンドとして用いられるほどの豊かな香りです。
ベルガモットやアプリコットの香りが特徴で、甘口になるほどハチミツやプラリネのような濃厚な香りがしてきます。

ブレンドワインはラベルに品種の記載がないものも

ニューワールドのワインについては単一ワインが多く、ラベルを見ただけで何の品種で造られているのか一目瞭然ですが、オールドワールドのブレンドワインは、ラベルにブドウ品種の記載がないものが多いため、どの品種がどのくらいの割合でブレンドされているのか、ラベルをみただけでは分からず、選ぶのが難しいかもしれません。
自分の好みの味を探したいという時には、ワイン専門の店員さんがいれば、相談してみるのもいいでしょう。
また、ネットショップの方がより詳しくワインの情報が分かるため、色々と調べてから購入したいという時は、ネットショップがおすすめです。

ブレンドワインとは

おすすめのブレンドワイン

ヴィネム・レセルヴァ エステバン・マーティン
ボデガス・エステバン・マーティンは、スペインの伝統品種であるガルナッチャやマカベオを始め、カベルネ・ソーヴィニョンやシャルドネといった多様な品種を栽培し、品種に適した気候をもつ素晴らしい畑からワインを造り出します。
畑は、D.O.カリニェナであるスペイン北東部アラゴン州の4つの原産地呼称の一つにあり、標高400mから800mの場所に石灰質を含んだ土壌で、典型的な大陸性気候で、暑く乾燥しているため、昼夜の寒暖差が非常に大きく、色も濃く味わいのある凝縮したブドウが造られます。
ヴィネム・レセルバは、プラムやブルーベリーのアロマと共に、ハーブや香木を思わせる香り、徐々にコーヒーやタバコ、チョコレートのニュアンスが出てきます。
飲み口はとても滑らかでアルコールの甘みも感じられ、タンニンの渋み、甘み、酸味の要素がそれぞれ感じられますが、1時間ほどするとバランスよく纏まり、深みのあるどっしりしたフルボディのワインとしてゆっくり楽しめます。
少なくとも飲む1時間前に開栓するのがおすすめです。
肉料理全般によく合いますが、特にスパイスのきいた料理と相性が良いです。
ケイジャンスパイスやハーブをまぶしてグリルしたシンプルな肉料理などがお勧めです。

ヴィネム・レセルヴァ エステバン・マーティン

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ラブ・レッド ヴィニャ・マーティ
赤いハートと限りなく続く無限大のマークが重なったストレートでインパクトのあるラベルデザインのこのワインの名前はまさに「LOVE」
このLOVEは、パスカル・マーティ氏のワイン造りに対する愛情を込められており、LOVEという世界で普遍的な名前をあしらったこのワインで、日々の暮らしの中のワンシーンに花を添えてほしい、喜びを味わってほしい、そんな願いから生まれました。
「複数のブドウをブレンドするアッサンブラージュは、醸造家の経験と知識からバランスを整えて1つの完成されたワインへと仕上げていきます。
アッサンブラージュがうまくいったときは、まるで一組の似合いのカップルが目の前に現れたように感じられます」
まさに、このワインは一組の最高のカップルが誕生した愛の結晶のようなワインです。
骨格のあるカベルネ・ソーヴィニョンをベースに、ふくよかでスパイシーな品種、カルメネールやシラーを年によって バランスを取りながらアッサンブラージュします。
カシスや糸杉の凝縮した香りに続き、プラム、カカオ、ドライフルーツにスパイスの甘苦く心地よいアロマがあり、重すぎず、しかし長い余韻が楽しめる1本です。

ラブ・レッド ヴィニャ・マーティ

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グラン・ヴァン・ルージュ シャトー・リヴィエール・ル・オー
ラングドック最上位のテロワールの1つとされる「ラ・クラープ」は、とびぬけて優れたワインを生み出すポテンシャルをもっており、安旨ワインの産地というラングドックのワインのイメージを変えるほど。
そんなラ・クラープで、シャトー・ラフィット・ロートシルトの元醸造責任者であるエリック・ファーブル氏がボルドー最高峰で培った技を惜しみなく注ぎ、情熱のままにテロワールを反映したワイン造りをおこなっています。
エリック・ファーブル氏が手掛けるグラン・ヴァン・ルージュは、南フランスの重要品種であるムールヴェードル、シラー、グルナッシュ、カリニャンを使い、品種ごとに熟成させた後、シラーとムールヴェードルをアッサンブラージュし、1年使用樽に入れさらに24か月熟成させます。
ラズベリーやブラックベリー、カシス、プラムといった完熟した果実の香りに、スパイス、リコリス、葉巻、ミントなどの複雑なニュアンスも感じられ、どっしりとした構造の重厚なフルボディでありながら、驚異的に滑らかでシルキーなタンニンを感じる非常に長い余韻が続くエレガントな1本です。

グラン・ヴァン・ルージュ シャトー・リヴィエール・ル・オー

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グラン・ヴァン・ブラン シャトー・リヴィエール・ル・オー
ラングドック最上位のテロワールの1つとされる「ラ・クラープ」は、とびぬけて優れたワインを生み出すポテンシャルをもっており、安旨ワインの産地というラングドックのワインのイメージを変えるほど。
そんなラ・クラープで、シャトー・ラフィット・ロートシルトの元醸造責任者であるエリック・ファーブル氏がボルドー最高峰で培った技を惜しみなく注ぎ、情熱のままにテロワールを反映したワイン造りをおこなっています。
エリック・ファーブル氏が手掛けるグラン・ヴァン・ブランは、樹齢45年のグルナッシュ・ブランの生み出す芳醇でふくよかな味わいと、樹齢60年のブールブランが構築する強いボディ(ストラクチュア)が特徴で、マルサンヌとルーサンヌが華やかなアロマやフィネスが加わることで、全体が香り高く、複雑で長い余韻を持つワインになります。
白桃やリンゴを思わせるアロマと、甘い蜜の香の花をブレンドしたようなリッチで複雑味のある香り、ナッツのような香ばしさ。
芳醇で、構造がしっかりしたクリーミーな口当たり、アロマティックな凝縮した味わいが楽しめる1本です。

グラン・ヴァン・ブラン シャトー・リヴィエール・ル・オー

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ウリッセ・ビアンコ
テヌータ・ウリッセは2006年に設立した歴史はまだ浅いワイナリーですが、ルカ・マローニの評価ですでにほとんどのワインが90点以上を獲得し、しかもトップキュヴェである「Don Antonio」に至っては、2022年度のベストワイン38本のうちの1本に選ばれたほどの実力派ワイナリー。
「近代的な醸造テクニックを駆使し、固有品種が持つ新たな可能性を探る」「アブルッツォ州のテロワールにおける国際品種の再解釈を行う」これがテヌータ・ウリッセの目標とするワイン造りです。
ウリッセ・ビアンコは、アブルッツォの地場品種3種類を使ったユニークな白ワイン。
ブドウは収穫後すぐ低温下に置き、そのままコールドマセレーション(低温醸し)を行い徐梗しながら軽くプレスします。
ステンレスタンクで低温下でアルコール発酵をおこない、発酵後タンクで3か月静置して造られます。
華やかな果実とフローラルなアロマを感じる果実の甘みと酸味の調和した、フレッシュな味わいの白ワインで、アブルッツォ州固有のブドウが持つポテンシャルの高さを証明してくれた白ワインです。
評判のガイド誌「ルカ・マローニ」で非常に高い評価を得ました。
暑い夏の日に楽しみたいワインです。

ウリッセ・ビアンコ テヌータ・ウリッセ

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トレッビアーノ&ガルガーネガ ポンテ・ピエトラ
現在600ほどのメンバーが加盟しているモンテフォルテ・ダルポーネ協同組合は、本拠地モンテフォルテ・ダルポーネをはじめ、有名なソアーヴェ地区などの地域のブドウ畑が主な生産地で、畑のほとんどが丘陵地という絶好のロケーションで、非常に高品質なブドウを栽培しています。
古くから代々畑を営む家系が多く、いまだにパーゴラと呼ばれる伝統的な棚栽培をしている農家も多く、グリーンハーヴェスト(間引き)も行うため、ひと房ひと房の凝縮度が上がり、ワインにも果実味が表現できるようになります。
栽培している主なブドウ品種は、白ブドウならトレッビアーノ・ディ・ソアーヴェ、ピノ・グリージョ、シャルドネ、そしてガルガーネガ種です。
黒ブドウはヴァルポリチェッラ、コルヴィーナ、モリナーラといった地元のブドウ、またカベルネやメルローといったフランスの品種も栽培しています。
そんなポンテ・ピエトラが手掛けるトレッビアーノとガルガーネガ主体のこのワインは、青りんごのようなさわやかでフレッシュな香りが強く感じられ、わずかに花のアロマがあり、特にこのエリア最上の白ワインに見られるアーモンドの花の香りが華やかさを感じさせてくれます。
しっかりとした酸味がありながらも、柔らかく新鮮なリンゴのような果実味で、フルーティーで好感度抜群の味わいの白ワインです!

トレッビアーノ&ガルガネガ ポンテ・ピエトラ

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