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むかし、ギリシャワインの翻訳のお手伝いをしたことがありました。
ギリシャでワインは、クラシまたはイノスと発音します。
最古のワイン産地であり、松脂を入れた個性豊かなワインを造るギリシャ
ギリシャのワイン造りの歴史は紀元前2000年頃であるとされ、
世界で最も古いワイン生産国の一つです。
もともとワインは上流階級の飲み物とされていましたが、
ギリシャで庶民にもワインが広がったそうです。
昔はアンフォラという陶器でワインの運搬・保存をしていました。
ギリシャワインで有名なものに「レッチーナ」というワインがあります。
このワインは松脂が入った変わったワインで、
アンフォラにワインを貯蔵していた時代に、
壺口の接着剤として使われていた松脂がたまたま中に入ってしまって、
できたという由来があります。
レッチーナは心臓病に効果があるともいわれています。
近年ふたたび注目を集め始めたギリシャワイン
ワイン発祥の地とも言える長い歴史を持つワイン生産国でありながら、
なぜギリシャワインが今日のワイン市場では、メジャーにならなかったか?
それには様々な要因がありますが、
大きな理由としてギリシャが一時オスマン帝国の領土となり
イスラム教であったことが要因のようです。
しかし、1980年代フランスに渡ったギリシャの若き醸造家たちが、
ギリシャへ戻りワインを造りはじめ、
2000年頃からふたたびギリシャワインが注目されるようになりました。
ギリシャでは、ヨーロッパでワインを分類するためのシステムが既に導入されており、
フランスのAOC(AOP)のような「原産地呼称制度」があります。
ギリシャワインは、大きく分けて
オパプO.P.A.P、オペO.P.E、テーブルワインに分類されます。
オパプ O.P.A.P
EUのV.Q.P.R.Dに相当する高品質のワイン。
オパプの地域の70%は古代からのワイン造りで有名な地域です。
熟成によるリザーブ法も規定されている。
オペ O.P.E
EUのV.Q.P.R.Dに相当する高品質の甘口ワインやデザートワイン。
マスカット品種、またはマヴロダフニ品種から造られるもののみに与えられます。
テーブルワイン
トピコス・イノス。レツィーナ。エピトラペジオス・イノス。
ギリシャ神話にも登場する豊穣とブドウ酒と酩酊の神ディオニソスなど
古代ギリシャに思いをはせてワインを愉しむのもいいですね。