キールってどんなカクテル?簡単に出来るおすすめレシピもご紹介

キールってどんなカクテル?簡単に出来るおすすめレシピもご紹介
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キールってどんなカクテル?簡単に出来るおすすめレシピもご紹介

この記事を読むのに必要な時間は約 11 分です。

アペロ

最近の休日の過ごし方は、
もっぱら畑仕事か日曜大工です。
そして、そのまま夕方に外で一杯飲むのが最高に幸せ!

夕食前に、ナッツやスナック、ピクルスなど軽いおつまみとともに
食前酒を楽しむ素敵な時間。
フランスでは食前酒を「アペリティフ」といいますが、
これを短縮化したのでしょうか、
食事前に軽く“アペル”しようよ、とか
これからちょっと“アペロ”に来いよ、
(耳コピなので、間違ってたらごめんなさい…)
友達同士、家族同士で楽しんでいるそうです。

キールとは

そんな素敵な食前酒の習慣であるアペリティフのレパートリーは本当に豊富です。
個人的に、アペリティフとして好きなのは「キール」です。
白ワインとカシスリキュールを混ぜて作れるとても簡単なカクテル。
キールのレシピは白ワイン:カシスリキュールが、4:1~9:1くらい。
好みに合わせてアレンジしますが、正式なレシピではブルゴーニュ名物だけを使用します。
白ワインは、アリゴテ種というブドウから造られる酸味の強い辛口の白ワイン「アリゴテ」と、
同じくブルゴーニュ産のカシスリキュール「クレーム・ド・カシス」
この2つを使うのが公式なレシピで、その他の白ワインを使う場合は、
キールではなく、ブラン・カシスと呼ばれます。

キールの特徴

キールの特徴はなんと言っても、その鮮やかな色合い。
透きとおるルビーレッドで、華やかなパーティーのアペリティフとして人気!
もともと、酸味の強い辛口のアリゴテをベースに作られたカクテルなので、
白ワインの酸味に、香り高いカシスの甘いリキュールが溶け込み、
後味がさっぱりとしていて、食前にぴったりのカクテルです。

ちなみにキールと並んで人気のアペリティフであるキールロワイヤルは、
ベースの白ワインをシャンパンに変えたカクテルのことで、
オーストリアのウィーンにある「インターナショナル」というお店で初めて作ったと言われています。
ロワイヤル(王室の)という名のとおり、本来はシャンパンをベースにしたもののみを、
キールロワイヤルと呼びますが、スパークリングワインでも代用されています。

キールのおすすめカクテルレシピ

このカクテルは世界中で人気が出たため、
さまざまなバリエーションがありますので
いくつかキールの変形版をご紹介していきましょう。

「キール・ロワイアル」

白ワインをシャンパーニュ(スパークリング)に変えて、
シャンパーニュ(スパークリング)×カシスリキュール
キール・ロワイアル(王様を意味するキール)。
■作り方
1.シャンパン用グラスを用意します。
(フルートタイプがおすすめですが、なければ、白ワイン用のグラスでも大丈夫です)
2.冷やしたグラスにクレーム・ド・カシスを1/5注ぐ
3.冷えたシャンパンもしくはスパークリングワインを4/5注ぐ
4.スプーンで軽く混ぜて完成

「キール・カーディナル」

赤ワイン×カシスリキュールにすると
キール・カーディナルというカクテルになります。
ただ、赤ワインと一口に言っても、
ブルゴーニュ地方・ボジョレー地区産のものに限って
カーディナルと限定される場合もあります。
■作り方
1.赤ワイン用グラスを用意します。
2.冷やしたグラスにクレーム・ド・カシスを1/5注ぐ
3.冷えた赤ワインを4/5注ぐ
4.スプーンで軽く混ぜて完成

「マルキ」

産地で変わるキールもあって、ロワール地方では、
白ワインをロワール産のミュスカデにして、
フランボワーズ(ラズベリー)リキュールを使えば、
マルキというカクテルになります。
■作り方
1.白ワイン用グラスを用意します。
2.冷やしたグラスにクレーム・ド・フランボワーズを1/5注ぐ
3.冷えたロワール産のミュスカデを4/5注ぐ
4.スプーンで軽く混ぜて完成

「キール・ブルトン」

ブルターニュ地方では、白ワインをシードルに変える
キール・ブルトンになるそうです。
■作り方
1.白ワイン用グラスを用意します。
2.冷やしたグラスにクレーム・ド・カシスを1/5注ぐ
3.冷えたシードルを4/5注ぐ
4.スプーンで軽く混ぜて完成

「キール・インペリアル」

先ほどのキール・ロワイアルの変形版が、
シャンパーニュ(スパークリング)×フランボワーズリキュール
キール・インペリアル(皇帝)となります。
■作り方
1.シャンパン用グラスを用意します。
(フルートタイプがおすすめですが、なければ、白ワイン用のグラスでも大丈夫です)
2.冷やしたグラスにクレーム・ド・フランボワーズを1/5注ぐ
3.冷えたシャンパンもしくはスパークリングワインを4/5注ぐ
4.スプーンで軽く混ぜて完成

「キール・サヴォワイアール」

白ワインにサヴォワ産のワインを使って、
サヴォワ産の白ワイン×カシスリキュールでキール・サヴォワイアール。
ちなみに、サヴォワはスイスとイタリアの国境、
アルプス山脈の麓に位置するフランスでもかなりマイナーな産地ですが、
ここで造られるワインの3/4は白ワインで、
白ブドウ品種は、シャルドネやジャケール、アルテスが主に使われており、
アリゴテなどのブルゴーニュ品種や、
マルサンヌ、ルーサンヌといったローヌ品種なども栽培されています。
香り高く芳醇な白ワインが造られています。
■作り方
1.白ワイン用グラスを用意します。
2.冷やしたグラスにクレーム・ド・カシスを1/5注ぐ
3.冷えたサヴォワ産の白ワインを4/5注ぐ
4.スプーンで軽く混ぜて完成

「キール・パンプルムース」

パンプルムースとはフランス語でグレープフルーツを意味しており、
スパークリングワイン×グレープフルーツのリキュールで、
キール・パンプルムースになります。
■作り方
1.シャンパン用グラスを用意します。
(フルートタイプがおすすめですが、なければ、白ワイン用のグラスでも大丈夫です)
2.冷やしたグラスにグレープフルーツリキュールを1/5注ぐ
3.冷えたシャンパンもしくはスパークリングワインを4/5注ぐ
4.スプーンで軽く混ぜて完成

「キール・ペーシュ」

フランス語で「桃」はpêche(ペッシュ)といい、
スパークリングワイン×ピーチのリキュールで、
キール・ペーシュになります。
■作り方
1.シャンパン用グラスを用意します。
(フルートタイプがおすすめですが、なければ、白ワイン用のグラスでも大丈夫です)
2.冷やしたグラスにピーチフルーツリキュールを1/5注ぐ
3.冷えたシャンパンもしくはスパークリングワインを4/5注ぐ
4.スプーンで軽く混ぜて完成

キールにまつわる雑学

世界的に有名なカクテル「キール」は村おこしのネタとして誕生した⁉

じつはこのキールというカクテルが生まれた背景には、戦争の影響があったんです。
キールは第二次世界大戦の直後の1945年には、すでに考案されていたカクテルで、
当時のブルゴーニュ地方ディジョン市の市長、フェリックス・キール氏が考案しました。
ディジョン市周辺は、カシスやブドウの栽培が盛んにおこなわれており、
カシス・リキュール「クレーム・ド・カシス」の産地であり、
ブルゴーニュを原産とするアリゴテという白ブドウ品種から造られる
辛口の白ワイン「アリゴテ」の名産地でもありました。
しかし、戦争の影響でどちらも売り上げが乏しく、
何とか売り上げを伸ばそうとはじめたのが、
この両方のお酒を使って作るカクテル「キール」をディジョン市の公式レセプションなどで
必ずアペリティフとして提供してPRを行いました。
今でいう村おこしプロジェクトの一環ですね。
このような背景で生まれたカクテルは、市長の名前にちなんで「キール」と呼ばれるようになりました。
その後キールは、ヨーロッパで広く飲まれるカクテルとなり、
映画や小説にも登場し、おしゃれなカクテルとして世界に広まっていきました。

キールにオススメのワイン

ブルゴーニュ アリゴテ ドメーヌ・マニュエル・オリヴィエ 2015年
ドメーヌはニュイ・サン・ジョルジュからコート・ド・ニュイ方面に上がる、
標高430メートルほどに位置しているため、
この地域でも比較的涼しい気候となっています。
1.30haに白ブドウ樹と1hに黒ブドウ樹が植えられており、
いくつかの区画のブドウ畑に混ざり、家族が持っている木苺やスグリや苺の畑もあります。
当主マニュエル・オリヴィエ氏の実家はカシスなどを造っている農家でしたが、
1990年に一念発起しドメーヌを開業しました。
マニュエル・オリヴィエ氏のもう一つの顔は醸造コンサルタント。
彼のアドヴァイスを受けようと、多くの生産者が彼に助けを求め、
畑仕事と醸造という過密スケジュールの合間を縫って、
クライアントに最適なアドバイスをしており、
クライアントには、なんとあのドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティもおり、
ワインの熟成に関して彼のコンサルタントを受けています。
マニュエル・オリヴィエ氏が手掛けるアリゴテ100%のこの白ワインは、
アカシアの花やりんごやレモンなどのアロマを持つ、
爽やかな辛口に仕上がっています。

ブルゴーニュ アリゴテ ドメーヌ・マニュエル・オリヴィエ 2015年

 

カシスリキュールと日本酒を使えば、
「キール・ジャポネ」と言えるでしょうか…
(すみません。これは存在しません)

みなさんも気温が少し落ち着いてくる夕暮れ時、
「アペロ」で素敵な時間を過ごされてみてはいかがでしょうか。

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