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「Make mine Chianti.」
「White Chianti, monsieur?」
「No, no. The red kind.」
ワインの登場頻度が高い『007シリーズ』の中のセリフです。
本日は、このセリフに登場するキャンティと魚料理について。
魚料理に赤ワインは本当にNGなの?
先ほどのセリフは、
ある人物が列車の食堂車で魚料理に赤ワイン「キャンティ」をオーダーし、
「ムッシュー、白のキャンティですか⁈」とウェイターが聞き返したセリフ。
実は、味方に扮する敵方を仄めかす重要シーンなんですが、
英国の諜報部員たる者、魚に赤を頼むのは相応しくないということですね。
一般的には、魚料理には白ワインというイメージが強いですが、
ポルトガルやイタリア南部など、
実際に赤ワインと魚料理が日常的な国もあります。
イタリアやスペイン、ポルトガルの地中海沿岸の港町では、
屋台で魚料理と赤ワインの組み合わせも見られます。
イワシやさばなど香りの強い魚介は、むしろ白ワインより赤ワインがお薦め。
だまされたと思ってぜひお試しください。
飲む前に冷蔵庫に入れ、
普段より冷やしてから飲んでいただくと美味しくあわせられますよ。
店名にも使われるほど知名度の高いイタリアワイン「キャンティ」ってどんなワイン?
さて、このセリフにも登場する「キャンティ」。
イタリアワインの定番中の定番として
レストランにいけば必ずリストに入っているくらいメジャーなワインですね。
イタリアンレストランの店名に「キャンティ」を使用しているお店も多いほど。
このワインが造られているのはイタリアのトスカーナ地方です。
ただキャンティと言っても
広大な土地に数多くのワイナリーがあり、それぞれのキャンティを造ります。
中世の頃から多くの醸造家たちが手掛けており、
19世紀にはいて、サンジョヴェーゼに白ブドウを含む他の品種を加えたことにより、
飲みやすくなったキャンティは国外への輸出が急増し、国際的に広まりました。
広く親しまれるワインとしての地位を確立した一方、
安価で品質の低いキャンティが多く出回るようになり、
そのことを危惧した一部の生産者が「キャンティ・クラシコ」の組合を結成。
1996年にはキャンティD.O.C.Gから独立。
品質にこだわって造られたキャンティ・クラシコが次々とワイン専門誌で高評価を獲得し、
再びキャンティに注目が集まるようになりました。
魚料理に白ワイン、肉料理に赤ワインというイメージをはずして、
たまには、魚料理に赤ワインはいかがですか。