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本日はブルゴーニュで32年も前からビオディナミ栽培を始めた、
知る人ぞ知るビオディナミの大御所「ジャン・クロード・ラトー」
をご紹介します。
ロマネコンティなどの大御所が次々と採用する「ビオディナミ」を30年以上前から実践していた生産者
実際に生産者の畑を訪れたのは2013年。
私が訪ねる前に、当店の仕入担当がフランスで行われる、
自然派ワインの試飲会に参加した際に出会ったのがきっかけでした。
その時の第一印象を彼はこう言いました。
「驚くほど綺麗なワイン。
まるでダシのように優しく染みわたる美味しさが忘れられない」
この熱い言葉を聞き、私たちはサンプルを日本に取り寄せました。
全員一致でこのワインを気に入り、ぜひ販売したいということで、
2013年の6月にラトーさんの畑を訪問。
畑を見せてもらい、特に印象深かったのは、
ボーヌの「クロ・デ・マリアージュ」という「結婚」という意味の畑。
畑は塀に覆われており、畝の間はうっそうと草が茂っていました。
実はラトーさんは、ブルゴーニュで初めて、
32年も前からビオディナミ栽培を始めていた、
知る人ぞ知る自然派ワインの大御所なんです。
この畑はそのころからずっとビオディナミをやっており、
周りが他の畑からの影響を受けない「クロ=塀」に囲われているため
完全なビオディナミといっていい環境が揃った畑でした。
ラトーさん自身もお気に入りだそうです。
普段はアルザスでワインを造っている奥様も
一緒に畑をご案内していただきました。
ご夫婦のブドウ造り、ワイン造りに対する真摯な姿勢が
まさに、この畑、そしてワインにあらわれており、
この畑に伺えて、このワインを仕入れることができ、
本当に良かったと思った日でした。
ブルゴーニュの優良生産者達の中では、今自然派栽培が当たり前になってきました。
もともと「テロワール」と呼ばれるその畑の個性を表現したワイン造りをするのが身上というブルゴーニュの生産者たち。
農薬や化学肥料に頼らず、手をかけて育てたブドウから生まれるワインが、結果として香りも味わいも素晴らしいものになるということに気付いたからです。特に注目を集めるのは、ドメーヌ・ルロワ、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティなどブルゴーニュの大御所たちが次々と採用するバイオ・ダイナミクス(ビオディナミ)という自然農法。
しかし、この方法を今から30年以上も前、1979年から実践し、ワインを作っていた人物がジャン・クロード・ラトーです。
輸出はわずか25%!ヴィンテージによっては生産しないこともある希少価値の高い自然派ワイン
その後、熟成庫にてワインをいろいろと試飲させていただき、
改めてピュアな果実味のラトーさんのこのスタイルのワインと
ラトーさん自身が重なり納得しました。
ただ、ラトーさんの畑はご夫婦二人で栽培しており、
奥様はアルザスでもワインを造っているため、
基本的には一人で切り盛りしている状態。
そのため生産量も少なく、
現地フランスで75%が決まった客先に送られるため、
輸出は僅か25%のみ。
日本へ回ってくるものも極少量という、
本当に希少な自然派ワインなんです。
また天候が悪い年など自分の納得いくものができなかった年は、
最終的に販売はしないことも。
一度お試しいただいて気に入った場合は、
在庫あるうちに買っておくことをお勧めします。