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ワインにはそれぞれ飲み頃と呼ばれるものがあり、
ワインのタイプによって、
そのワインが一番おいしく飲める時期があります。
そこで、本日は熟成ワインのお話です。
長期熟成タイプのワインってどんなワイン?
長期熟成タイプのワインは、
時間とともに味や香りに広がりができて、
できたばかりのワインにはない複雑な味わいを愉しめます。
それとは逆に、
早飲みタイプと言われる熟成させずにすぐ飲めるワインは、
フレッシュな果実味を楽しむことができます。
どちらのタイプのワインも適した飲み方があり、
それぞれ合わせる料理や好みによって愉しみ方があります。
一般的にボルドーなどのしっかりとした骨格のフルボディの
ワインを造る産地のものなどは長期保管することによって
味や香りが引き立つものが多くあります。
熟成させることにより、
色合いが紫がかった赤から、どんどんオレンジを帯びていきます。
香りは、ラズベリー、ブラックベリーなどのフレッシュな香りから、
ドライフルーツやキノコ、タバコ、なめし皮のような
いわゆる熟成香と言われる複雑な香りを楽しめるようになります。
味わいにおける一番大きな変化は渋みです。
穏やかな酸化が進むことで、渋みがだんだんと減り、
「澱」として瓶底に沈殿していきます。
柔らかく丸みのあるなめらかなタンニンを味わえるようになり、
旨味のような味わいを感じるワインになります。
自宅でも置いておくと熟成ワインはできるの?
熟成させるといってもフルボディのワインを買ってきて
ただ何年も家に置いておけばおいしくなるかというと、
残念ながらそれは難しく、ワインは保管する環境が大切です。
ワインの保管場所にとって重要なポイントは3つ、
「温度」「湿度」「光」です。
温度は13~15度が適切で、湿度は65~80%。
そして、ワインは光に当たり続けると還元臭の原因となるため、
光が届かない暗所に置くのが大切です。
そのため、自宅でもワインを長期保管するには、
家庭用のワインセラーに入れるのがベストです。
ワインショップソムリエの六本木店にも、
地下のフロアは、フランスの天然の地下セラーのような環境を
年間通して維持しています。
地下セラーは、年間通して一定の温度保ち、湿度も少し高めで
ワインにとってとてもいい環境が整っています。
私も何度かフランスの生産者さんを訪問させていただいた際に
地下セラー見せていただきましたが、
人が暮らすには、寒く湿度が高いためカビが生えてしまうので、
とても難しい環境ですが、ワインを絶好の状態に保ってくれる場所でした。
そういった生産者のセラーから運ばれてきたワインは、
ワインショップソムリエのセラーでも大切に保管され、
お客様の元へ届きます。
しっかりとした熟成ワインは、手間と時間がかかる分、
価格も上がりますが、いつも飲むデイリー用のワインにはない
複雑な味わいが楽しめます。
ぜひ、ワインをじっくり味わいたいときや、
記念日などの特別な日にお試しください。