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カリフォルニアの温暖な気候に適したブドウ品種を造るため、
カリニャンとカベルネソーヴィニヨンを交配した新種ルビー・カベルネ。
カリニャンの暑さに耐える性質と、カベルネソーヴィニヨンの
しっかりとした骨格を持つ風味のワインに仕上げる性質を併せ持ち、
リーズナブルで質の高いカリフォルニアワインを生み出す品種として重宝されています。
そこで本日は、そんなルビー・カベルネについてお話します。
ルビー・カベルネの特徴と造られるワインの特徴
ルビー・カベルネは、1936年にカリフォルニア大学のハロルド・オルモ教授によって
カベルネ・ソーヴィニヨンとカリニャンを交配して造れた赤ワイン用品種です。
ハロルド・オルモ教授は、カリフォルニアワインの発展において数々の功績があり、
カベルネソーヴィニヨンとカリニャン、グルナッシュなどを掛け合わせて、
セントラルバレーのような暑い気候に耐えうる新種を造りました。
教授の造り出した新種には、ルビーカベルネ以外にも、カーネリアン、
ルバイアード、エメラルドリースリングなどがあります。
また、カリフォルニアではそれまで重要視されていなかったシャルドネを
世界に波及させたのもハロルド・オルモ教授の大きな功績の1つです。
ルビー・カベルネから造られるワインは、
濃い赤紫で、ブルーベリー、プラム、ブラックチェリーといった熟した果実香に、
ラズベリーや赤すぐりなどの赤系果実の酸味があり、少し土っぽい風味が感じられ、
程よくしっかりと厚みのあるボディで、渋みと柔らかさのバランスが良い味わいです。
強い個性はないため、カベルネソーヴィニヨンなどとブレンドされることが多く、
単一品種のワインが造られることはあまりありませんが、
カリニャンの暑さに耐える性質と、カベルネソーヴィニヨンの
しっかりとした骨格を持つ風味のワインに仕上げる性質を併せ持ち、
リーズナブルで質の高いカリフォルニアワインを生み出す品種として重宝されています。
おもな産地
この品種はカリフォルニアの温暖な気候に適した品種として造られたため、
カリフォルニアワインの銘醸地であるナパ・バレーで栽培が盛んです。
また、南アフリカの熱い気候にも耐えられるため、
南アフリカのロバートソンで栽培されており、
コスパの高いミディアムボディの単一品種のワインが造られています。
その他、オーストラリア、メキシコ、アルゼンチンなどでも栽培されています。
ルビー・カベルネから造られるおすすめワイン
ロバートソン ルビー・カベルネ
ロバートソンワイナリーは、1941年設立され、
プレミアムワインからデイリーワインまで高品質なワインを生産し、
南アフリカで3番目に大きなワイナリーとして有名です。
そんなロバートソンが造るルビー・カベルネ100%のワインは、
ブラックベリーやプラムなどを思わせる果実香に、ミルキーな風味のヴァニラ香、
カカオやチョコレートの風味、ナツメグ・胡椒などスパイス香などのアロマがあり、
口に含むと、程よい濃縮感のある果実味が広がり、豊かな酸としっかりした骨格を感じます。
樽熟成由来の風味や強めのタンニンで骨太で力強さも備えたお値打ちの1本です。
産地:南アフリカ/ロバートソン
おすすめワインに合う料理
程よくしっかりと厚みのあるボディで、
渋みと柔らかさのバランスが取れたルビー・カベルネには、
ローストビーフ、ローストチキンなどの肉料理が良く合います。
胡椒やナツメグといったスパイス香も感じられるので、
タンドリーチキンなどのスパイスを効かせた料理もおすすめです。