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ジュヴレ・シャンベルタンやヴォーヌ・ロマネ
シャサーニュ・モンラッシェとピュリニー・モンラッシェなど
ブルゴーニュでももっとも偉大なワインを生み出す産地が並ぶコート・ドール。
本日は、黄金の丘陵の名をもつコート・ドールについてお話します。
コート・ドールはフランス語で黄金の丘陵
コート・ドールはフランスのブルゴーニュ地方にあるワインの銘醸地、
コート・ド・ニュイ地区とコート・ド・ボーヌ地区2つの地区を合わせた呼称で、
フランス語で「黄金の丘陵」を意味する通り、
ブルゴーニュでももっとも偉大なワインを生み出す産地です。
約50㎞ほどの細長い産地で、ディジョンからマランジュまで26の村があり、
コート・ド・ニュイには、ジュヴレ・シャンベルタン、ヴォーヌ・ロマネ
シャサーニュ・モンラッシェとピュリニー・モンラッシェなど
世界に名高いワインの生産地が並んでおり、
小高い丘の東向きの斜面から平地にかけてブドウ畑が広がっています。
コート・ドールの特徴
コート・ドールの土壌は、石灰質となったものと粘土が混じった粘土石灰質で、
その上に様々な土の混ざり合った表土が堆積しています。
東向きの斜面のため日当たりが良く、石灰質土壌のため水はけも良いので、
ブドウ栽培にとても適しており、
比較的冷涼な大陸性気候で、一日の寒暖差があることから、
ピノ・ノワールやシャルドネなどのブドウが主に栽培されています。
造られる赤ワインはほぼすべてがピノ・ノワール。
白ワインは一部地域を除いて、ほぼシャルドネから造られています。
少量ですが、ガメイ、ピノグリ、アリゴテ、ピノブランも造られています。
コート・ドールを含め、ブルゴーニュで造られるワインの最大の特徴は、
気候も品種も全く同じなのに、隣り合う畑同士で全く異なる味わいのワインが造られることです。
それが、複雑に入り組んだ多様なテロワールの違いによるものなんです。
ブルゴーニュの土壌はパッチワーク状ともいわれ、
まるでつぎはぎの布で作ったパッチワークのように、
隣り合う畑でもまったく異なる土壌で形成されていて、
その土壌の違いからワインの味わいに大きな影響を与えています。
そのため、ブルゴーニュの格付けは畑にあり、
簡単に言えば、ブルゴーニュ地方のワインは特級畑ワイン、第1級畑ワイン、
村名ワイン、地方名ワインに分かれています。
最上級の「特級畑(グラン・クリュ)」は、39の畑が認定されており、
コート・ドールだけで30のグラン・クリュがあります。
ロマネコンティが造られるテロワール
ブルゴーニュの最高級ワインと言えば、あのロマネ・コンティ。
ロマネ・コンティの畑があるヴォーヌ・ロマネ村は、
コート・ドールの王冠と呼ばれており、
この超高級ワインが造られる畑を含め、8つ特級畑(グラン・クリュ)を有しています。
ヴォーヌ・ロマネは、ブルゴーニュ地方全体の2%しかないと言われており、
中でもロマネ・コンティの畑は1.6ha程の小さな畑のため、
年間生産数は約6,000本と言われています。
ロマネ・コンティが造られるヴォーヌ・ロマネのテロワールは、
標高230~300mの斜面に畑が広がっており日照量も多く、
年間を通して比較的冷涼で、昼夜の寒暖差は大きいため、
ピノ・ノワールの栽培に最適な14~16℃を保つことができます。
土壌は、石灰層の岩石の上に粘土混じりの石灰質土壌が広がっており、
この粘土質と石灰質のバランスにより、
複雑で奥ゆかしくエレガントで官能的な味わいのワインが生み出されています。
ヴォーヌ・ロマネは、その完璧とも言えるテロワールから「神に愛された村」と呼ばれています。