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スペインを代表する人気の白ブドウ品種ヴェルデホ。
ヴェルデホは産地のルエダを、リアス・バイシャスと並ぶ
スペイン白ワインの2大生産地へと変えたルエダの重要品種です。
そこで、本日はヴェルデホについてお話します。
ヴェルデホの主な生産地ルエダ
ヴェルデホは、スペインのルエダで長く愛される固有品種で、
スペインでいちばん売れている白ワインはルエダで、
ルエダのスペイン国内市場占有率は40.5%になるといわれています。
ブドウの原産地は北アフリカですが、
1000年近く前からイベリア半島で栽培されており、
11世紀頃イベリア半島のクリスチャンによってルエダに広められました。
ヴェルデホから造られるワインは、酸化が早くフレッシュな味わいを出すのに
難しい品種で主に酒精強化ワインとして栽培されていましたが、
1970年代に入ってから開発がすすみ、
フレッシュなスタイルの白ワインが出来るようになりました。
1980年、D.O.ルエダは、カスティーリャ・イ・レオン州で
初めてD.O.の承認を受けた産地となりました。
ヴェルデホから造られる白ワインによって、
ルエダはリアス・バイシャスと並び、スペイン白ワインの2大生産地となり、
ルエダを名乗るワインは少なくとも50%のヴェルデホを含み、
ルエダ・ヴェルデホを名乗るには、ヴェルデホを85%以上
使用してなくてはいけないと規定されています。
残りは、ソーヴィニヨンブランやマカベオがブレンドされます。
しかしながら、ほとんどのルエダ・ヴェルデホがヴェルデホ単一のものが多く、
芳香のある素晴らしい白ワインが造られています。
現在、ルエダには1500を超える生産者と62のワイナリーがあり、
ヴェルデホワインを生産しています。
ヴェルデホはルエダを白ワインの一大産地へと変えた
ルエダではもともと黒ブドウ品種の栽培が盛んにおこなわれていましたが、
19 世紀後半にヨーロッパを襲った、フィロキセラ禍の影響で、
ルエダのブドウ畑がほぼ壊滅し、唯一少量のヴェルデホが残り、
当時需要の大きかった酒精強化ワインの原料としても用いられる
ヴェルデホを増産することにしました。
また、ルエダの気候条件では、テンプラニーリョが十分に熟さないことも
ルエダが白ワインの産地になったことと関係しているようで、
とくにヴェルデホは乾燥した大陸性気候の昼夜の気温差が大きい気候と、
石灰岩と鉄分が豊富な岩だらけの土壌を好む品種で、
DOルエダはまさにヴェルデホの栽培に適した最高のテロワールをもっていたことが、
ヴェルデホの産地となった大きな要因でした。
ヴェルデホの香りと味わい
ルエダ・ヴェルデホは、フレッシュな果実味とすっきりとした酸があり、
アルバリーニョと並ぶスペインを代表する人気の白ブドウ品種です。
ヴェルデホはとくに柑橘系とメロン系の甘い芳香のあるアロマが特徴で
マンゴーなどのトロピカルなアロマや
干し草、フェンネルなどの乾燥したハーブの香りも感じられるものもあり、
ひとたび口に含むと、グレープフルーツなどの柑橘を思わせる
フレッシュでキレのあるしっかりとした酸味とほろ苦さが感じられ、
アルコール度数が比較的高いものが多く、
味わいにはしっかりした厚みとストラクチャーがあり、辛口ワインを生み出します。