ワインを回す意味とは?スワリングについてご紹介

ワインを回す意味とは?スワリングについてご紹介
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ワインを回す意味とは?スワリングについてご紹介

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スワリングをするとワインにどんな変化がある?

まだワインを飲みなれていない方にとって、ワインはいろいろなルールやマナーがあってむずかしいもの。
と思われがちですが、ワインは知れば知るほど、その奥深さに魅了される不思議なお酒です。
そこで、本日はワインをよりおいしく飲むために知っておきたい基本の動作「スワリング」についてお話します。

スワリングとは

ワインを飲む人が、よくグラスをくるくると回す動作がありますよね。
ワインを飲みなれていない人からすると、何をしているのか不思議に思う動作だと思いますが、あれはスワリングといって、ワインに酸素を触れさせて、ワインの味と香りをより引き立たせるために行う動作なんです。
じつは、ワインにとって酸素は重要な役割を担っています。
ワインは酸素に触れることで、変化、成長、熟成していきます。
ワインは、ボトルの中にあるわずかな酸素に触れていることで、瓶詰されたあとも、ゆっくりと酸化し熟成しているのです。
そのためワインの中には、ボトルを開けてグラスに注いだ段階では、まだ本来のポテンシャルが十分発揮されないワインもあります。
中には保存時に冷やしすぎてしまっていて香りや味が抑えられているワインもあり、そういったワインを「閉じている」と表現します。
この閉じてしまっているワインを開かせるためにおこなうのがスワリングです。

スワリング専用の家電も登場!

最近は、家飲みをする人が急増していることもあり、ワインをよりおいしく飲むための道具や家電も流行っていて、その1つに、スワリング専用の家電である「オートワインフルール」(サンコー)があります。
オートワインフルールは、デキャンタにワインを入れて、回転台の上に乗せるだけで自動的に熟練のソムリエのスワリングが再現できるというすぐれもの。
買ったばかりの若いワインや、還元臭のあるワインにも有効です。

スワリング前とした後のワインの違い

さて、スワリングをすることでどれだけの効果があるのか、この違いは、白ワインよりも赤ワインの方が分かりやすく、また、ワインにもよりますが、ニューワールドワインよりもオールドワールドワインの方が違いが出やすい傾向にあります。
それは、ワインに含まれる酸味と渋みの成分が関係しているからです。
スワリングとは少し違いますが、中国のある研究グループが、赤ワインをボトルからデキャンタに移し替えて、ワインを空気にふれさせることによって赤ワインに含まれる成分がどのように増減するかを調べた研究がありました。
分析したのは、赤ワインに含まれる4種の有機酸と、16種のポリフェノールです。
デキャンタに入れた赤ワインの「酸味」の成分である有機酸と、「渋み」の成分であるポリフェノールを時間の経過とともに、どのように変化するか観察した結果、ほとんどの有機酸・ポリフェノールが減少していくことが確認され、酸味と渋味が減って味がまろやかになる効果を裏付けました。
また、デキャンタージュをする時に、温度を上げて行った実験では、有機酸・ポリフェノールとも減少が加速し、より照明を明るくしてデキャンタージュした場合は、ポリフェノールの減少は速まりましたが、有機酸の減少速度はほとんど変わらないという結果になりました。
デキャンタージュする部屋の温度、明るさによっても変化があるという面白い研究結果でした。
このように、ワインが空気に触れることで、渋みや酸味といった成分が少なくなりマイルドな味わいに変化するため、スワリングをすることで、ワインの香りや味わいに変化があります。

スワリングのマナー

スワリングの重要性が理解できたところで、実際にスワリングをどのようにしたらよいのかご紹介しましょう。
ワイングラスを回す際に、一番大切なことは静かにゆっくりと回すことです。
ワイングラスを勢いよく回してしまうと、中のワインがはねてしまったり、グラスを倒してしまったりするおそれがあるので、ゆっくり丁寧に2~3回ほど回しましょう。
また、回す方向は右手でグラスを持っていたら、半時計周りがベストです。
なぜなら、ワイングラスに入っているワインが、万が一グラスから飛びでてしまっても、反時計回りなら、テーブルの外側に飛び出ず、内側にこぼれることになり、被害を最小限に抑えることができます。
また、より多く空気に触れさせた方がいいからと、ぐるぐる何回も回す必要はありません。
あまりに多く回しすぎてしまうと、ワインの香りがとんで風味が損なわれることもあり、逆効果になってしまうので、あくまでスワリングは2~3回で十分です。
スワリング前に、一度ワインの香りをかいでひとくち口に含んでみて、スワリング後どのように変化したか、試してみてください。
ワインによっては、かなり変化するものもあります。
もし、スワリングしてもまだ香りが十分に感じられなかったり、渋みや酸味が強く、固く感じられるワインは、すこし時間をおいてから、再度スワリングをしてみると、柔らかさがでてくるものもあります。

スワリングをしなくても良いワイン

ここで大切なことが1つあります。
すべてのワインにスワリングをしたほうがいいかというと、それは間違いで、ワインによってはスワリングが逆効果になるものもあります。
その代表的なものが、スパークリングワインです。
スパークリングワインは、泡と酸を楽しむものです。
そのためスワリングによる急激な酸化は、せっかくの泡と酸を台無しにしてしまいます。
スパークリングワインに関しては、きれいな泡立ちを目で楽しみながら、静かに口に含みましょう。
また、レストランによってはソムリエがいて、サーブする際にデキャンタージュしてくれる場合があります。
デキャンタージュされたワインは、すでにしっかりと酸素に触れており、飲み頃になっていますので、それ以上のスワリングは必要ありません。
その場合は、グラスに注がれたらそのまま香りと味を楽しみましょう。
スパークリングではないワインでも、スワリングせずにワインを飲んでみて、自分にとって丁度いい味わいだと感じたら、スワリングをする必要はありません。
そして、ワインによっては開けた瞬間からすでに飲み頃になっているものもあります。
スワリング前に香りをかいで、すでにしっかりとしたすばらしい香りが感じられたら、スワリングはせずにそのまま味わいましょう。
スワリングをすることで、せっかくの味や香りが損なわれてしまうので、出来るだけ空気に触れさせない方がいい場合もあります。
とくにオールドヴィンテージワインに関しては、とても繊細なので、スワリングをすぐにせずにまずは香りと味を確認してみましょう。

スワリングとは

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