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ジェネリックワインという言葉をご存知ですか?
ジェネリックというと医薬品のイメージが強いと思いますが、
もともとジェネリックとは、英語でGenericと表記し、
「一般的な」「ブランドにとらわれない」といった意味の言葉です。
そこで、本日はジェネリックワインについてお話します。
ジェネリックワインとは
前述の通り、ジェネリックワインという言葉には、
ブランドにとらわれないという意味があり、
ノーブランドの気軽なワインというのが主な意味合いになりますが、
ジェネリックワインには大きく分けて2つの意味があります。
1つ目は、複数のブドウ品種をブレンドして造られたワインで、
ブドウ品種をブレンドすることで、それぞれの品種の持つ良い点をかけ合わせ、
より複雑味みもたせたり、また欠点を補い合うという利点があります。
また、ブレンドすることで、ヴィンテージによるブドウの出来に左右されずに、
クオリティを保持することができたり、ブレンドによって生産者の造りたい味わいを
より表現しやすいなどのメリットがあります。
2つ目は、他の地域で造ったワインをヨーロッパなどの有名な産地名の名前を用いて販売することです。
例えば、オーストラリアでは、「バーガンディー(ブルゴーニュ)」
「クラレット(ボルドー)」「キャンティ」「モーゼル」など、
他国の有名産地を名前に付けたデイリーワインが売られており、
このことは度々議論がまきおこりました。
2010年よりこれらの名称の使用は禁止されており、
原料やブドウ品種などにこだわらない国内消費向けのワインという意味で
ジェネリックワインという言葉が使われています。
ジェネリックワインの対となるヴァラエタルワイン
複数のブドウ品種をブレンドして造るジェネリックワインに対して、
単一品種で造られるワインのことをヴァラエタルワインと言います。
ヴァラエタルワインは、もともとカリフォルニアワインの父とも言われる
ロバート・モンダヴィ氏が積極的に取り入れたもので、
ニューワールドワインを中心に広まっていきました。
フランスではワイン法によって昔からその土地によって使っていいブドウ品種や製法が決まっていたため、
ラベルに地名を入れることで、使われているブドウ品種はおのずとわかる仕組みでした。
そのため、フランスではヴァラエタルワインのように、たとえ単一品種で造られたワインでも、
ブドウ品種をラベルに載せることはほとんどありませんでした。
一方、ニューワールドでは、ワインのラベルにブドウ品種を記載することで、
消費者がどんなワインなのか一目でわかることから、人気を得るようになり、
ブドウ品種をラベルに記載したワインを「ヴァラエタルワイン」と呼び、
ヴァラエタルワインが急増していきました。
最近は、フランスでも比較的リーズナブルなワインを生産する南フランスを中心に
ニューワールドへの輸出向けに、ブドウ品種を記載するワインも増えてきています。
ジェネリックワインはワイン初心者におすすめ
前述のとおり、ジェネリックワインは現在では複数のブドウ品種をブレンドした
価格もリーズナブルなワインが主流で、ブドウ品種にこだわらない気軽なワインのため、
ワインをまだ飲み始めて間もないという方には、飲みやすくおすすめです。