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少し前まで焼き鳥と言ったら、合わせるお酒はビールというのが当たり前でしたが、
最近は焼き鳥とワインの専門店なども増えてきて、
焼き鳥もよりワインに合うように進化した創作焼き鳥が出てきており、
焼き鳥とワインのペアリングが当たり前になってきました。
そこで、本日は焼き鳥とワインのペアリングについてお話します。
焼き鳥とワインの絶妙な相性
焼き鳥とワインの相性ってどうなの?と気になる方もいると思いますが、
もちろん相性は抜群です!
鶏肉を炭火で焼いた焼き鳥は、適度に脂だけが落ちて、鶏肉のジューシーな旨みは増し、
ヘルシーでありながら、鶏肉のおいしさが倍増した味わいで、
肉料理と相性の良いワインと合わせれば、互いの旨みをしっかり引き立て合います。
焼き鳥ならではのポイントは他にもいくつかあり、
まず味付けがタレと塩の2種類があることです。
しっかりとコクのあるタレとさっぱりとした味わいの塩の両方の味付けで食べられるため、
ワインも赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン、スパークリングワインとさまざまなワインに合わせられます。
また、鶏肉のさまざまな部位が味わえ、1串のサイズもそれほど多くないので、
いろいろな味わいが楽しめ、その部位と味付けごとにワインをペアリングすることができます。
焼き鳥とワインを合わせる時のポイント
それでは、焼き鳥の部位と味付け、それにワインを合わせるときのポイントをご紹介します。
焼き鳥に限らずワインと料理を合わせる際には、
料理の色とワインの色を合わせるのがベストといわれています。
たとえば、白ワインには、色が白っぽい淡い色合いの料理が合わせるとマッチしやすいので、
焼き鳥であれば塩味がおすすめです。
とくに赤ワインは、アルコール度数やタンニンの量によって味わいや深さが異なり、
ボディという言葉で表現されます。
フルボディ、ミディアムボディ、ライトボディの3タイプに分けられ、
合わせる料理はワインの濃さ(ボディ)によって
料理の味付けの濃さや脂分を合わせるのがおすすめです。
例えば、ライトボディであれば、代表的なワインは、
フランスのボジョレー地方で造られるボジョレーヌーボーなど、
爽やかな飲み心地でタンニンが少なく、フルーティなので、
焼き鳥であれば、塩味でもタレでも両方楽しめますが、
出来たら、脂分の多い部位の塩味と合わせると味のボリュームのバランスがとても良いです。
また、ミディアムボディであれば、果実味もアルコール度数もやや抑えめで、
コク、酸味、渋味のバランスがちょうどよいワインが多いため、
ほとんどのタレの味付けの焼き鳥と相性がとれやすいです。
そして、フルボディは、ニューワールドワイン、オールドワールドワインともに
タンニンが豊富でしっかりとしたコクのある味わいのワインが多いので、
脂分がしっかりある部位のタレと合います。
塩の焼き鳥に合うワイン
それでは、ここから具体的に焼き鳥の部位とそれに合うワインをご紹介していきます。
まずは塩味の焼き鳥には、基本白ワインがおすすめです。
とくに、ささみやせせりといった脂分が少なくさっぱりとした味わいのお肉を塩味で食べる際には、
柑橘のさわやかなアロマときりっとした酸が感じられるソーヴィニョン・ブランがマッチします。
また、手羽、ももといった脂もしっかりあるジューシーなお肉を塩味で食べる際は、
樽熟成のシャルドネがおすすめです。
脂肪の塊が覆っているこってりとしたジューシーな味わいのぼんじりには、
白ワイン、赤ワイン双方のニュアンスが感じられるロゼワインがおすすめです。
コリコリ、しゃきしゃきとした食感の砂肝や、もっちりと弾力があるので歯ごたえのハツなどの
ホルモンを塩味で食べる際には、スパークリングワインがおすすめです。
とくに瓶内二次発酵のシャンパーニュ製法で造られたスパークリングワインは、
コクのある風味があり、ホルモンの旨みを引き立ててくれます。
タレの焼き鳥に合うワイン
焼き鳥の大定番であるねぎまをタレで食べる際には、
ピノ・ノワールなどのライトボディからミディアムボディくらいの赤ワインと合わせると、
炭火で焼かれたねぎの香ばしさとタレの甘味がワインにマッチします。
こってりとしたタレに濃厚な卵の黄身をつけて食べるつくねは、
しっかりとした果実味のあるメルローやカベルネ・ソーヴィニヨンなどの赤ワインが合います。
そして、鉄分が多く含まれているレバーをこってりとしたタレで食べる際には、
フランス南西地方のカオールのマルベックから造られる黒ワインや
南アフリカのピノタージュの赤ワインは、
しっかりとしたタンニンがレバーの鉄分とよく合います。
砂肝、えんがわ、ハツといったホルモンをタレで食べる際には、
美しい酸と朗らかで親しみやすい味わいのサンジョヴェーゼ主体のキャンティがおすすめです。