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ドイツワインは、非常に複雑なワインの等級に分かれており、
大きく、テーブルワイン、地酒、上質ワイン、最上級ワインの
4段階に分かれています。
生産されるドイツワインのじつに95%が上質ワイン、最上級ワインの等級のもので、
厳しい条件をクリアしたワインばかりなんです。
そこで、本日はドイツワインの等級についてお話します。
ドイツワインの等級について
ドイツワインの等級はテーブルワイン、地酒、上質ワイン、最上級ワインの
4段階に分かれていて、ドイツのワイン法は、
EU加盟国の中でも特に細かく定められており、
ブドウの糖度によってきめられています。
等級の高い順に、
クヴァリテーツヴァイン・ミット・プレディカート(Qualitatswein mit Pradikat) 生産地限定格付け上質ワイン。
クヴァリテーツヴァイン(Qualitatswein) 生産地限定上質ワイン。
ラントヴァイン(Landwein) 地酒 トロッケンハルプトロッケンのみ。
ドイッチャー・ターフェルヴァイン(Deutscher Tafelwein) 日常用テーブルワイン。
ドイッチャー・ターフェルヴァインは、ドイツ産の認可された畑の、
認可されたブドウ品種を使用したワインであれば、どのワインもこの表示をできます。
デイリーワインとして飲まれるやや甘口で軽快なワインが多くあります。
また、ドイツ国内だけでなくEU内のブドウも原料とした場合は単にターフェルヴァインと呼ばれます。
ラントヴァインは、19の指定地域のブドウを最低85%使用することが定められており、
ラベルにはその地域名が表示されます。
味わい(残糖)は辛口(トロッケンTrocken)か、中辛口(ハルプトロッケンHalbtrocken)に限られ、
食事に合うワインが多くあります。
クヴァリテーツヴァインは、略してクー・ベー・アー Q.b.a と呼び、
13のワイン産地(=指定栽培地域)に分けれ、ラヴェルには必ず生産地域表示しなくてはなりません。
そのため複数の産地のブドウを使用することは禁じられています。
また、公的検査番号が付与され、ラベルにAPから始まる数字が記載されます。
プレディカーツヴァインの肩書き
最上級ワインのクヴァリテーツワイン・ミット・プレディカート(QmP)は、
収穫時のブドウの熟した度合い(糖度)によって6等級に分かれており、
糖度が高いほど等級が高く、等級の高い順にトロッケンベーレンアウスレーゼ(貴腐ワイン)、
アイスヴァイン、ベーレンアウスレーゼ、アウスレーゼ、シュペトレーゼ、カビネットとなっています。
それでは、糖度の低い順から説明していきましょう。
カビネットは、さわやかな飲み口の軽快なワインで、食事ともっとも合う味わいです。
名前の由来は英語のcabinet(キャビネット)と同じく、密室あるいは小部屋の意味で、
エーバーバッハ修道院の小部屋(カビネット)に隠されていたワインがとてもおいしく、
そのワインにちなんでカビネットとつけれました。
ブドウの果実味がしっかりと感じられるものが多く、
造り手の特徴がとても分かりやすいクラスのワインです。
シュペトレーゼは「遅摘み」の意味で、18世紀半ば収穫期を過ぎてしまったブドウでワインを造ったところ、
コクのあるおいしいワインができたことからこの甘口ワインが確立しました。
カビネットよりもブドウの糖度が高いため、よりコクがあり上品な甘さとエレガントがありますが、
かならずしもすべてが甘口ワインになるわけでなく、
糖分を完全にアルコール発酵させ辛口のワインにするトロッケンやハルプトロッケンなども増えています。
アウスレーゼは、「房を選別して収穫」という意味で、
シュペトレーゼよりもさらに糖度の高い完熟したブドウの房を選りすぐったブドウから造られます。
香りがより芳醇になり一層気品のある凝縮したワインで、
大半がやや甘口から甘口となり、ワインだけでじっくり楽しめます。
ベーレンアウスレーゼは、「粒(ベーレンBeeren=粒)を選別して収穫」という意味で、
部分的に貴腐化したブドウの粒を選りすぐりワインにします。
非常に凝縮された甘さがあり、驚くほどフルーティーで芳醇なコクのある味わいです。
アイスワインは、通常の収穫期からかなり遅らせたその年の11月~12月、
ときには翌年の1月頃、外気温が-7℃以下になり凍結したブドウを手作業で収穫します。
収穫後はすぐに凍ったまま圧力をかけて一気に搾られます。
圧搾されたブドウの果汁はごくわずかで、
ブドウ一房からスプーン一杯程度しか出せません。
そのため凝縮された果汁から甘みが強いワインになります。
その後約6か月かけて発酵されアイスワインが出来上がります。
QmPの中でもっとも糖度の高いトロッケンベーレンアウスレーゼ(貴腐ワイン)は、
フランスのソーテルヌ、ハンガリーのトカイと並ぶ世界3大貴腐ワインの1つです。
トロッケンベーレン(Trockenbeeren)とは「干乾びたブドウ」の意味で、
ポトリティス・シネレアという貴腐菌がついたブドウが、
ブドウ表皮に穴を開け、水分を揮発させます。
水分が抜けることで、糖分は極限まで凝縮し、
菌の代謝により果実に貴腐香と呼ばれる独特の香りが生まれます。
ドイツワインの品質レベル
ドイツワインの品質を保つため、
指定原産地の厳守(ブレンド規定)、ブドウ品種のみを使用しているか、
収穫期と収穫方法、1ヘクタールあたりの収量上限、規定の最低糖度、
認可された醸造方法といった厳しい品質レベルの基準が設けられており、
ラベルにはそれぞれのワインの品質レベルを表示しなければなりません。