意外なほどに相性がいい⁉ワインと塩辛のペアリング

意外なほどに相性がいい⁉ワインと塩辛のペアリング
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意外なほどに相性がいい⁉ワインと塩辛のペアリング

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

塩辛とワインのペアリング

キムチや納豆などワインのおつまみとしてはイメージしにくい食材と、
ワインのペアリングを今までご紹介してきましたが、
今回も、果たして合うのだろうか?と疑問に思う
塩辛とワインのペアリングについてご紹介したいと思います。

ワインと塩辛の相性

塩辛は、イカ、エビ、アミ、イワシといった魚介類の身や内臓を加熱せずに塩漬けにして、
発酵させることで保存性を高めた伝統的な保存食です。
塩辛と言って一番はじめに浮かぶものは、イカの塩辛ではないでしょうか。
イカの塩辛の発酵は乳酸菌などの複数の細菌の働きと、
イカゴロと呼ばれる中腸腺に含まれる消化酵素によって自己消化が起こりアミノ酸が生成され、発酵します。
以前、このソムリエ手帳で、キムチとワイン、納豆とワインのペアリングの際もお話しましたが、
ワインも多くの有機酸を持つ発酵食品という共通点があるので、
塩辛とワインは素材として、とても相性が良いです。
また、塩辛というと日本の発酵食品のイメージが強いですが、
イタリア料理によく使われるアンチョビも塩辛と同じように、
カタクチイワシを塩漬けにして、オリーブオイルに浸したもので、
南イタリアの漁師町チェターラの特産品である「コラトゥーラ(Colatura)」は、
カタクチイワシを塩漬けにして発酵させて作られた魚醤で、
どちらもパスタなどの料理に用いられ、白ワインとのペアリングが楽しまれています。

ワインに合わせる塩辛のおすすめおつまみ

さて、ここでは日本の塩辛の代表ともいえるイカの塩辛を使ったおつまみをご紹介しましょう。
塩辛とワインをそのまま合わせるのもいいですが、
ひと手間加えることで、よりワインとの相性がよくなります。
一つ目は、「じゃがバターのイカの塩辛乗せ」です。
北海道の物産展など北海道の食品を多く扱うお店ではかなり定番ともいえる料理ですが、
ほくほくの蒸したジャガイモに、たっぷりのバターをのせ、
その上から新鮮なイカの塩辛を乗せた、濃厚な味わいのじゃがバター。
イカの塩辛の風味がジャガイモとバターに溶け込んで、絶妙な味わいです。
二つ目は、「イカの塩辛のキャベツ炒め」です。
オリーブオイルで薄くスライスしたガーリックと、
キャベツとイカの塩辛を入れてさっと炒めるだけ。
どちらもイカの塩辛をダイレクトに食べるよりも、じゃがいもやキャベツといった野菜が加わることで、
少しマイルドな味わいになり、またオリーブオイルやバターといった脂分が生臭さを消し、
ワインとイカの塩辛を合わせるつなぎ役になってくれます。

塩辛に合わせるワインの選び方

それでは、塩辛にはどんなワインが合うのか。
じつは、塩辛は赤ワインも白ワインもどちらとも相性がいいんです。
ただ、合わせるワインによっては塩辛の生臭さが強く感じられてしまうので、
それぞれ合うワインの特徴をご紹介しましょう。
まず、赤ワインは、穏やかな酸味とまろやかなタンニンに、
しっかりとしたミネラル感があるワインがおすすめです。
とくにイタリアのワインは、さきほどもお話したとおり、
アンチョビやコラトゥーラといったタカクチイワシから作られる発酵食品とよくペアリングされており、
相性のよいワインが造られています。
なかでも地中海に浮かぶシチリア島の顔とも言えるワイン
ネロ・ダヴォラから造られるワインは、地中海性の温暖な気候と、
ヨーロッパ最大の活火山であるエトナ山の特異なテロワールを活かしたワインが造られており、
熟した凝縮感とコクのあるリッチな果実味と、
フレッシュな酸にしっかりとしたミネラル感のあるワインが塩辛とよく合います。
次に、白ワインはさっぱりとした柑橘の爽やかな酸と果実味が感じられ、
ミネラル感と後味にほんのり塩味も感じられる味わいのフレッシュなタイプがおすすめです。
反対に、樽でしっかり熟成されたコクのあるタイプや、甘口の白ワイン、
果実味が強く感じられるタイプはあまり塩辛には合いません。
白ワインもイタリアの高級な赤ワインの産地として有名なピエモンテ州で造られる
上質な辛口白ワインのガヴィがおすすめです。
冬は寒く、夏は暑いピエモンテの厳しい気候と2種類の石灰質土壌で育まれる
コルテーゼというブドウ品種から造られるガヴィは、
口に含むとフレッシュで繊細な酸が印象的で、
しっかりとしたミネラルもあり、シャープな味わいがシーフード料理によく合います。

塩辛に合わせるおすすめの赤ワイン

ミオパッソ・ネロ・ダヴォラ
イタリア人で唯一、パーカーポイント100点を2回獲得した
醸造家ステファノ・キオッチョリ氏が手掛けるワインシリーズ。
ミオ・パッソはイタリア語でマイペースという意味で、
地元イタリアで昔から愛されているブドウ品種、フィアーノ、グリッロ、
ピノ・グリージョ、ネロ・ダヴォラ、プリミティーヴォのブドウを使って
丁寧に造られています。
ミオパッソ・ネロ・ダヴォラは、
アメジストとガーネットを合わせたような深い赤紫色。
バラ、スミレ、ブラックペッパー、ミルクチョコレートの華やかでいて濃い上質な香り。
酸味、渋み、甘味、アルコールのバランスが素晴らしく、
しっかりとしたボディのワンランク上のワインに仕上がっています。
少し冷やして飲むとよりまとまりが出ておすすめです。

ミオパッソ・ネロ・ダヴォラ

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塩辛に合わせるおすすめの白ワイン

ピエモンテ DOC コルテーゼ ウンベルト・フィオーレ
マンフレディ家のワイン造りの歴史は、
1930年、初代のジュゼッぺは、美しいランゲの丘の周囲にあるブドウ畑と
醸造所を購入し、ワイン造りを始めました。
1980年代になると、イタリア国外への販路も広がり、
ヨーロッパをはじめ、アメリカやアジア各国まで流通するようになりました。
「ブドウ畑をより良い状態で後世に受け渡すこと」という哲学のもと、
薬品などを使わず、太陽光発電に切り替え、
自然の法則に合わせた畑仕事を頑なに守り続けています。
そんなマンフレディ家が手掛けるコルテーゼ100パーセントのこのワインは、
緑がかった、明るい麦わら色の色調で、
とても生き生きとしてフレッシュなレモンやライム、
グリーンアップルを思わせるアロマに、ハーブやドライフラワーの香が混じります。
生き生きとフレッシュな酸味・甘味のバランスがあり、
滑らかなミネラル感の喉越しも魅力です。

ピエモンテ DOC コルテーゼ ウンベルト・フィオーレ

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