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リースリングから造られるドイツの甘口白ワインのエゴン・ミュラー。
「白ワインの女王」「ドイツワインのロマネ・コンティ」と称されるほどの
最上級ワインですが、リースリング好きの方でもまだまだ知らない人が多いこのワイン。
最良の畑で造られたブドウを厳選し極限まで収量を抑え、
天然酵母による伝統的な醸造法を守り造られています。
そこで、本日はエゴン・ミュラーについてお話します。
エゴン・ミュラーについて
エゴン・ミュラーの歴史は古く、1797年にドイツ・ルクセンブルグのフロンティアに近い
モーゼル地方ザール地区で、フランス政府からコッホ家がシャルツホーフベルガーの畑を
譲り受けることになり、ここからエゴン・ミュラーのワイン造りの歴史が始まりました。
1900年にパリで開催された万国博覧会に参加するなど、着実にドメーヌは拡大していき、
今日、エゴン・ミュラーはドイツで最も評判の高いドメーヌの1つとなりました。
現在の当主は、エゴン・ミュラー4世で、5代目の当主として2001年1月に先代である
3世が亡くなったことでドメーヌを継承しました。
ガイゼンハイムワイン醸造大学で醸造学を学んだあと、フランス、アメリカ、
そして日本でもワイン造りの現場を見て学び、
代々続くエゴン・ミュラーのワイン造りの歴史と伝統を守り続けています。
2014年にはドイツで最も権威あるワイン評価誌ゴー・ミヨ誌で、最優秀醸造所の栄光を受賞し、
ワイン・アドヴォケイト誌をはじめ他のワイン誌でも高い評価を受け、
名実ともにドイツを代表する世界最高峰の白ワイン生産者として、その名を轟かせています。
エゴン・ミュラーが造るワインの特徴
エゴン・ミュラーが造るリースリング100%の最高品質のアウスレーゼは、
「白ワインの女王」、「ドイツのロマネ・コンティ」と称されるだけあり、
価格も数十万円する最高品質の甘口白ワインです。
アウスレーゼらしいアプリコットやオレンジピールなどの芳醇な果実のアロマに、
ハチミツやスパイス香りが加わり、口に含むとフレッシュな果実味に、
ドライフルーツのような濃厚な上品な甘味と、ミネラルのある塩味が感じられ、
驚くほど長い複雑な余韻を楽しめるワインです。
ワイン造りに対する価値観やこだわり
先代であるエゴン・ミュラー3世は生前「ワインの品質はブドウ畑によって決まる。
セラーではブドウ畑の力量を超えることが出来ないが、
ブドウの潜在能力をボトルの中で最大限に表現することが出来る」との言葉通り、
ブドウ栽培においても、ワインの醸造においても独自の厳しいルールを設け、
非常に強いこだわりのあるワイン造りを継承し続けています。
エゴン・ミュラーの所有する畑
モーゼル地方ザール地区は、ドイツの産地の中でもワインが造れる北限に位置しているため気温が低く、
ブドウが熟しにくい特徴がありますが、ここではスレート質土壌が強いため、
非常に水はけがよく、雨が降ってもすぐに土地が乾き温まるため、
気温は低いながらもブドウはゆっくりと熟し、豊富なミネラルがあるため、
甘味と酸味のバランスに優れたワインを生み出します。
エゴン・ミュラーの所有するシャルツホーフベルガーの畑は、
ドイツ国内でたった5つしかないオルツタイルラーゲと呼ばれる特別単一畑の一つで、
シャルツホーフベルガーの丘の片岩土壌に8.3ヘクタールに広がっており、
海抜200〜300メートルの高度で非常に急な斜面があります。
ブドウ畑にはリースリングのブドウだけが植えられており、
非常に古い接ぎ木されていないブドウ樹がいくつかあります。
エゴン・ミュラーのワイン造りにおいて重要視しているのが、この樹齢の長い古樹を尊重することで、
化学肥料や除草剤などは一切使用せず、有機栽培で出来る限り人の手で大切に育てています。