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チェレットは、イタリアのピエモンテにあるワイナリーで、
イタリアワインの王である「バローロ」、イタリアワインの女王である「「バルバレスコ」の
の最高の造り手として世界から注目を集めています。
そこで本日はチェレットのワインについてお話します。
チェレットについて
チェレットは1939年リッカルド・チェレット氏により築かれ、
1960年代に2人の息子ブルーノ氏とマルチェロ氏の兄弟に継承されました。
チェレットのターニングポイントはまさに、このブルーノ氏とマルチェロ氏が
革新的な考え方でビジネスに加わったときでした。
2人のワイン造りの哲学は、ブルゴーニュワインにならった
テロワールを一番に重んじるブドウ畑の重要性で、
「良いワインは良いブドウ(畑)から生まれる」というポリシーのもと、
さまざまな畑からネッビオーロのブドウを取り寄せて研究し、
良いブドウが栽培できる畑を次々と購入していきました。
当初は、父であるリッカルド氏とワイン醸造の方法を巡って何度も衝突しましたが、
ブルーノ氏とマルチェロ氏は畑ごとの個性が発揮された上質なワインを生み出し、
父から引き継いだ小さなワイナリーは、数十年でバローロ、バルバレスコの最高の造り手の1つとなりました。
チェレットの畑とブドウ栽培のこだわり
現在、チェレットは160haのブドウ畑を所有しており、
ブルーノ氏とマルチェロ氏の子どもたちにあたる3代目がおもにワイン造りの中心を担っています。
カンヌビの畑を取得したことをきっかけに、 2010年からは全てのブドウ畑で有機栽培を開始し、
ブドウの木とテロワールの個性を最も良く表現できるように、
バローロとバルバレスコの約20haのすべての単一畑でビオディナミを実施し、
その他の所有畑でもビオロジックを実践しています。
将来的には自社畑をすべてビオディナミに転換することを目指しています。
また、チェレットは4つの醸造所を所有し、それぞれのテロワールに適した
ブドウを栽培しワインを造っています。
チェレットの本社が置かれているチェレット醸造所は、
イタリア王の子孫が結婚式を行った格式ある建物と、
2009年に完成した最新の設備と大きなセラーを持つ近代的な醸造所があり、
ここでは、さまざまな品種のワインが造られています。
ブリッコ ロッケ醸造所はブリッコ ロッケ畑の中にあり、
ブリッコ ロッケ、ブルナーテ、ラ・モッラといった著名な45種のクリュのブドウが醸造されています。
ブリッコ アジリ醸造所はバルバレスコにある醸造所で1973年に建設され、
ブリッコ アジリ、ベルナドットと2種のクリュのブドウを醸造しています。
ヴィニャイオーリ・ディ・サント・ステファノ醸造所は、
ジャンカルロ・スカヴィーノとともに設立した醸造所で、共同経営でモスカート ダスティを醸造しています。
チェレットで造られるワインの特徴
チェレットのワインの中でも最も有名なワインであるバローロ・ブリッコ・ロッケは、
ブリッコ・ロッケ醸造所から年間約4,000本のみしか造られない究極のバローロで、
1982年の初リリース以来ワインアドヴォケイト誌をはじめとするワイン誌で常に高得点を獲得しています。
マンガンやマグネシウムを多く含む西のバローロ・エリアと、
鉄分が多く含む東のセッラルンガ・エリアの両エリアの
中央の小高い丘の上に位置するブリッコ・ロッケ畑は、
まさに最上の畑という言葉にふさわしいテロワールをもっており、
標高345~370mの畑の樹齢40年のネッビオーロをすべて手摘みで収穫し、
オーク樽で12ヶ月、さらに小樽で12ヶ月の計24ヶ月の熟成経て造られます。