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オー・ボン・クリマ（Au Bon Climat）という名前のワイナリーをご存じですか？
Au Bon Climatとは、「a well exposed vineyard（よく露出したブドウ園）」
という意味のフランス語で、カリフォルニアのサンタ・バーバラにあるワイナリーです。
ブルゴーニュスタイルのエレガントなワイン造りをおこない、
世界中にファンを持つこのワイナリー。
そこで、本日はオー・ボン・クリマのワインについてお話します。
ABCという名で親しまれるオー・ボン・クリマ
オー・ボン・クリマ（Au Bon Climat）は通称「ＡＢＣ」と呼ばれ、
ワインラベルも非常に珍しい三角形のデザインが特徴的なワインです。
オーナーであるジム・クレンデネン氏は、1976年にカリフォルニア州立大学
サンタ・バーバラ校の法学部に在学中フランスの食文化に触れ、
大学卒業後、ブルゴーニュとシャンパーニュに1か月滞在したことで、
大学院への進学をやめ、ワイン造りの道を志します。
そして、1977年から３年間カリフォルニアのサンタ・バーバラにある
ザカ・メサ・ワイナリーで修行を積み、その後オーストラリアのハンターバレーで働き、
1981年再びブルゴーニュに渡り、シャサーニュモンラッシェとヴォルネで働きました。
ブルゴーニュの神様と呼ばれるアンリ・ジャイエを師と仰ぎ、
自身が大きく影響を受けたブルゴーニュスタイルのエレガントなワイン造りを
カリフォルニアでおこなうことを決意し、
1982年カリフォルニアのサンタ・マリア・ヴァレーにオー・ボン・クリマを設立しました。
オー・ボン・クリマのあるサンタ・マリア・ヴァレーは、
サンタ・バーバラの中でも冷涼な気候で、年間の降水量も少ない地域のため、
ブルゴーニュの主要品種であるピノ・ノワールの栽培に適しており、
また昼夜の寒暖差も激しく、砂利と石灰質粘土で構成された土壌と組み合わさって、
しっかりとしたミネラルと複雑さを持つ、素晴らしいバランスのとれた
繊細で優美なブルゴーニュスタイルのワインが造られています。
カリフォルニアでブルゴーニュスタイルのワインを造る先駆者として尽力してきたオー・ボン・クリマは、
1989年、1990年と2年連続で、ロバート・パーカーによって「世界のベストワイナリー」と評価され、
ワイン・スペクテーターで「５スターワイナリー」に選ばれています。
また、ロサンゼルスタイムズでは2度も「ベスト・ワインメーカー」に、
2001年にフード＆ワインマガジンで「ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー」に選出されています。
オー・ボン・クリマで使われるブドウ品種
オー・ボン・クリマのワインに使われているブドウは、ジム・クレンデネン氏自身の所有する畑のものと、
主にサンタ・バーバラ郡のセントラルコーストで最も高く評価されているいくつかのブドウ園の
ブドウがつかわれており、
中でもサンタ・マリア・ヴァレーにあるビエンナシドヴィンヤードは、
オー・ボン・クリマワインを象徴するブドウ園です
ここで栽培されたブドウから造るワインは独特の芳香があり、
スパイス、ミネラル、複雑さ、そして素晴らしいバランスを持っています。
ビエンナシドヴィンヤードでは、おもにピノ・ノワールとシャルドネをはじめ、
ピノ・グリ、ピノ・ブラン、トカイ・フリウラーノ、ネッビオーロ、プチ・ヴェルド、
レフォスコなどが栽培されています。
オー・ボン・クリマのワイン造り
前述のとおり、オー・ボン・クリマのワインは、ブルゴーニュのワインをお手本としており、
テロワールを重視したブドウ栽培からはじまり、
アルコール度数を高めるために糖分を加える補糖や、
味のバランスを整えるために酸を加える補酸などは一切おこないません。
また、培養酵母は使用せず自然酵母による発酵をおこない、
出来る限り人の手を加えない、自然の力を最大限に引き出すワイン造りがおこなわれています。
オー・ボン・クリマのワインの特徴
ワイン造りのこだわりで触れたとおり、オー・ボン・クリマのワインは、
アルコール度数を高めるための補糖をおこなわないため、
アルコール度の低さがワインの特徴の１つです。
また、カリフォルニアワインに多い樽香のしっかりとしたリッチなタイプのワインではなく、
個性的なアロマに、テロワールを反映したユニークな味わいが
オー・ボン・クリマのワインの特徴でもあります。
また、冒頭でも触れましたが、オー・ボン・クリマのワインは三角形の形をした
ラベルがつけられており、
そのラベルのデザインには日本人のアーティストとコラボしたものなどもあり、
ワインの中身だけでなく、ラベルデザインにもこだわりがつまっています。
