人気のオレンジワインも造られているリボッラジャッラの特徴とは │ ワインショップソムリエ

リボッラジャッラの特徴と造られるワインの特徴

リボッラジャッラは、イタリアの白ワイン用ブドウ品種で、イタリア北東部の白ワインの銘醸地としても有名なフリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州がおもな産地で、とくにゴリツィアが発祥とされ、ゴリツィアとロザッツォの一帯で盛んに栽培されています。
リボッラジャッラはスロベニアではレブーラの名で知られ、ブルダ市でおもに栽培されています。
リボッラジャッラのワインはイタリアで古くから造られており、1402年には、リボッラジャッラから造られるワインの品質を落とさないよう、ワインに混ぜ物をすることを禁ずる法律が定められるなど、昔からリボッラジャッラから造られるワインは高評価を得ていました。
しかしながら、19世紀にフィロキセラ禍によってリボッラジャッラも大きな被害をうけ、これを機にフリウリのブドウ農家の多くが、固有品種の栽培をやめて、メルローやソーヴィニヨン・ブランといった国際品種に植え替えていきました。
1990年代を迎える頃には、原産地統制呼称 (D.O.C.) の規定に従って生産されたフリウリの全白ワインのうち、リボッラを含む固有品種のものは1%に満たない状態でした。
しかしながら、また近年フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州のワインに対し、国際的な関心が高まったことをうけ、リボッラジャッラの栽培が増加傾向にあります。
今日、リボッラ・ジャッラはコッリ・オリエンターリ・デル・フリウリや、コッリオ・ゴリツィアーノなどのD.O.C.認定の白ワインとして人気を集めています。

リボッラ・ジャッラから造られるワインは、ゴールド系のうつくしいイエローで、繊細な花の香りにレモンやりんご、アカシアの花のなど豊かな香りが感じられ、ミネラルのニュアンスが強く感じられます。
リボッラ・ジャッラ単一のグラッパやスパークリングワインも造られています。

また、イタリア、フリウリ州の東の産地であるコッリオでは、リボッラ・ジャッラを使ったオレンジワインが造られており、このオレンジワインはもともと、ブドウの果実をプレスする際に、ブドウの果皮がしっかりしているため、果汁があちこちに飛び散ることを懸念し、赤ワイン同様ブドウの皮をそのまま浸漬してワインを造ってみようと考えたのが、現在のコッリオで造られるオレンジワインの起源です。
オレンジワインは近年世界中で注目されるようになり、1980年代から生産が増えていきました。

おもな産地と特徴

イタリアでは、フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州がおもな産地で、とくにゴリツィアが発祥とされ、ゴリツィアとロザッツォの一帯で盛んに栽培されています。
スロベニアではレブラの名で知られブルダ市でおもに栽培されています。
フリウリは、アルプス山脈の南に丘陵地帯があり、アドリア海にかけて平野が広がっており、ポンカと呼ばれる粘土よりも荒いシルト、柔らかい泥灰土に鉄分や石灰などを含んだ柔らかくもろい土壌があり、この特有の土壌が水はけを良くしブドウ栽培にピッタリで、ワインに独特なミネラル感や厚みを与えます。
フリウリでは、生産量の約77％が白ワインで、リボッラ・ジャッラからはコッリ・オリエンターリ・デル・フリウリや、コッリオ・ゴリツィアーノなどのD.O.C.認定の白ワインが造られ人気を集めています。

リボッラジャッラから造られるおすすめワイン

マーレ・サント・キュヴェ・プレステージ
スロベニアではワインを海や川に沈め保存するという風習があり、時々、次の季節までワインが海底に残ることがあり、その“忘れ去られたワイン”は素晴らしい味へと変貌することがありました。
その“忘れ去られたワイン”の味を再現するために、アドリア海の海底で熟成を始めたのが、このマーレ・サント・プロジェクトの始まりです。
アドリア海沿岸部の伝統的な品種であるレブラ（イタリアではリボッラ・ジャッラ）50％使用したこのワインは、アカシアなど白い花の香りや、レモンやグレープフルーツ、青リンゴを思わせる豊かな香りが特徴で、豊富な酸とミネラルが感じられます。
残りはシャルドネ50％使用しており、魅惑的でアロマティックな果実味とほのかなトースト香が感じられ、非常に完成度の高い味わいです。