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ワインは大きく分けると4種類に分けられますが、その4種類が何かお分かりになりますか?
赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン、スパークリングワイン…
実は、その4つのうち3つは同じスティルワインという種類なんです。
そこで、本日は私たちがよく飲んでいるスティルワインとその他の3種類のワインについてお話していきます。
実は私たちに一番身近なワインはスティルワイン
まず先ほどの4種類のワインが何かからご説明していきましょう。
ワインを醸造方法によって4つに分類すると、
・スティルワイン(Still Wine)
・スパークリングワイン(Sparkling Wine)
・フォーティファイドワイン(Fortified Wine)
・フレーバードワイン(Flavored Wine)
この4種類に分けられます。
4種類の中で聞き覚えのあるものと言えば、やはりスパークリングワインですよね。
シャンパンをはじめとする発泡性のワインのことです。
それでは、スティルワインとは何か。
スティルワインは英語名で「Still Wine」と表記され、このStillは「静か」「動きがない」「平穏」といった意味があり、「泡立たない=非発泡性のワイン」という意味でも使われます。
非発泡性のワインとは、いわゆる赤ワイン、白ワイン、ロゼワインのこと。
私たちにとって一番身近なワインは、スティルワインという種類にあてはまります。
スティルワインは赤・白ワイン・ロゼワインの3種類
スティルワインは、アルコール度数が一般的に9~15%ほど。
非発泡性の赤ワイン、白ワイン、ロゼワインがそれにあたります。
まずは、赤ワインとはどういうものか、赤ワインの醸造方法をご紹介しましょう。
収穫したブドウの茎など、ワインの風味の妨げになるものを取り除く「除梗」をおこない、タンクで2~3週間ほど果粒と果汁を漬け込みます。
これを「マセラシオン」といい、この時に赤ワインの色素である赤い色が、皮から抽出されます。
マセラシオンが終わったワインを搾り、ブドウ滓と果汁に分けます。
ワインは数週間から長期熟成だと36か月、タンクや樽の中で過ごします。
この時ワインに含まれるリンゴ酸が、果皮に付着していた乳酸菌の働きよって「乳酸」と「炭酸ガス」に変化します。
これを「マロラクティック醗酵」といい、これによりワインの酸味はやわらげられ、まろやかさや丸み、複雑味が生まれます。
樽の底にしずんだ酵母とその他の沈殿物を除去し、酸化を防ぐために、少量の二酸化硫黄を加えます。
ワイン中に浮遊している微生物や不純物などを取り除くため、ワインを別の容器へ移し替えます。
ワインを瓶に詰め、コルクやスクリューキャップ等で栓をし、ラベルを貼ります。
この後、シンプルなワインはすぐに出荷されますが、多くのワインはこの後、さらに瓶の中でさらに熟成されます。
これで赤ワインが出来上がります。
白ワインの醸造方法は赤ワインとほぼ同じですが、除梗をおこなったあとに、赤ワインの色素をつけるマセラシオンを行わず、すぐに圧搾されます。
その後は造りたいワインのタイプに合わせてステンレス製のタンクや木樽をつかって育成されます。
ロゼワインは果皮の黒いブドウから造られ、赤ワインに似た醸造方法と、白ワインに似た醸造方法があります。
一番よくつかわれる醸造方法としては、赤ワインのようにマセラシオンを行う「セニエ法」です。
しかし、マセラシオンの期間は赤ワインより短く、軽く色づけるように行います。
セニエ法で造られるロゼはしっかりとした色の力強いロゼになります。
もう一つの方法は、「直接圧搾法」といい、白ワインのように果粒をすぐに圧搾しますが、ゆっくりと時間をかけておこなうことで、ワインが色づいていきます。
この方法で造られるロゼは、淡い色の軽やかなタイプになります。
スティルワイン以外のワインの種類
スティルワインのことが分かったところで、残りの3つの醸造タイプのワインをご紹介しましょう。
スパークリングワイン
まず、みなさんがよくご存知のスパークリングワイン。
これは発泡性ワインのことで、発泡性ワインは大きく分けて3種類あります。
フランスのシャンパン、イタリアのプロセッコをはじめとする「ヴァン・ムスー」と呼ばれる瓶内の炭酸ガスの圧力が3気圧以上の最も典型的な発泡性ワイン。
また、ロワール地方のアンジュー・ペティヤンやイタリアのランブルスコなど圧力が1~2.5気圧の弱発泡性ワイン「ヴァン・ペティヤン」。
そして、もっとも炭酸の気圧が少ない、0.5~1気圧の微発泡性ワイン「ヴァン・ペルラン」があります。
余談ですが、ヴァン・ムスーは、澱抜き後にワインの原液と糖分をまぜたリキュール・デクスペディション(門出のリキュール)が補充されます。
この門出のリキュールに含まれる糖分によって甘口、辛口などに分類されます。
フォーティファイドワイン
フォーティファイドワインは別名「酒精強化ワイン」とも呼ばれ、「fortified(=fortify)」には「アルコールを加えて強くする」という意味があり、シェリー、ポートワイン、マデイラ、マルサラがこれにあてはまります。
ワインの醸造工程中に40度以上のアルコールを添加するため、一般的なワインではアルコール度数が12度前後なのに、フォーティファイドワインでは18度前後にまで上昇します。
アルコール度数を高めることで、コクが深まり、保存性も高まります。
フレーバードワイン
フレーバードワインは、「アロマタイズド・ワイン」とも言われていて、食前酒として飲まれたり、カクテルの材料として用いられたりもしています。
ハーブやスパイス、フルーツなどを加えたり、中には蒸留酒を加えたものもあります。
日本で知名度が高いものは、スペイン発祥の「サングリア」がそれにあたります。
ワインにフルーツやスパイス、ブランデーやはちみつなどを漬け込んで、ワインにフルーティーさスパイシーさを加えて楽しむもので、開封して日数が経ってしまったワインや、あまり好みでなかったワインをサングリアにして楽しむことができます。
その他には、フランスやイタリアの「ヴェルモット」が有名で、こちらは白ワインにニガヨモギなどの香草やスパイスを配合して造られるフレーバードワインです。