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イタリアンレストランだけでなく、最近は居酒屋でもみかけるようになったバーニャカウダ。
色とりどりの新鮮な野菜を濃厚なソースにディップして食べるバーニャカウダは、サラダと同じように前菜にピッタリの料理で、ホームパーティーでも大活躍してくれるレシピですよね。
そこで、本日はバーニャカウダとワインのペアリングについてお話します。
バーニャカウダとワインの相性
バーニャカウダはイタリアの北部、ピエモンテ州の代表的な郷土料理で、オリーブオイル、ニンニク、アンチョビなどを混ぜたソースを陶器製の鍋に入れ、ろうそくの火で温めながら野菜をディップして食べる冬の鍋料理の1つです。
本場イタリアのバーニャカウダソースの作り方は、半分にカットしたニンニクを、牛乳で30分ほど煮てすりつぶし、耐熱容器に細かく刻んだアンチョビ、オリーブオイルとともに入れて、加熱すればソースの完成です。
伝統的な食べ方としては、「フォイョ」と呼ばれる陶器製の鍋にソースを入れ、ろうそくの火で温めながらチーズフォンデュのように野菜をディップして食べます。
そんなバーニャカウダとワインの相性はというと、もちろん、イタリアワインの王であるバローロの産地ピエモンテ州の代表的な郷土料理なので、合わないわけがありません。
でも、合わせるワインはバローロのような複雑味たっぷりの赤ワインではなく、やはり、フレッシュな白ワインがおすすめです。
なかでも、ピエモンテ州のロエロ地方で広く栽培されている白ブドウ品種のアルネイスから造られる白ワインは、バーニャカウダにピッタリ!
アルネイスは、アロマの中にアーモンドのニュアンスを感じるのが特徴で、青リンゴや洋梨、アプリコット、柑橘の爽やかなフルーツのアロマに、アーモンドやヘーゼルナッツといった香ばしいニュアンスがあります。
おだやかな酸で、クリーミーなコクのある奥深い味わいのワインなので、ニンニクとアンチョビのパンチのある味わいのバーニャカウダソースととても相性がいいです。
ワインに合う野菜やソース
最近では、バーニャカウダはホームパーティーの前菜としても人気で、日本では、生クリームや豆乳を入れてコクを出した濃厚な味わいのアレンジレシピや、味噌などを加えて、和風にアレンジしたものなどもあって、色々な味わいのバーニャカウダが楽しまれていますよね。
また、つける野菜も夏野菜、冬野菜と年中通していろいろな野菜に合わせられるので、アレンジしたソースとつける野菜の味わいによってワインのペアリングを楽しめるのが、バーニャカウダの面白いところ。
バーニャカウダに合わせるワインの選び方
バーニャカウダに合わせるワインを選ぶときには、やはり赤ワインよりも白ワインをおすすめします。
さきほど触れたピエモンテ州ロエロ地方の固有の白ブドウ品種のアルネイスから造られる白ワインもおすすめですが、スーパーなどですぐ購入できるもので合わせたいといった時には、ソーヴィニヨンブランがおすすめです。
グレープフルーツなどの爽やかな柑橘系の果実味が感じられるソーヴィニヨンブランは、野菜のほのかな苦みや青臭さとも相性がよく、とくに春の旬であるふきのとうなどの苦みがある山菜とも相性が抜群です!
また、イワシを塩漬けして作るアンチョビの濃厚な魚介の旨味がソースに溶け込んだバーニャカウダには、ミネラルの風味が感じられるリースリングもおすすめです。
そのほか、甲州の白ワインやシュール・リー製法のミュスカデなど、爽やかな味わいながら、ほどよい酸味とコクも感じられるので、
アンチョビとの相性が非常にいいです。
バーニャカウダ合わせるおすすめのワイン
甲州樽 白百合醸造
白百合醸造は、80年以上の伝統のなかで、ワインは「ローカル」であることの大切さをワインづくりの第一条件とし、気候、地質ともにブドウ栽培に適した山梨県勝沼町に自社畑を持ち、 常に一貫性のあるワインを追求しています。
ロリアン(L’ORIENT)は「東洋」を意味するフランス語で、 ヨーロッパに劣らぬ高水準のワインづくりを目指し名付けました。
管理の行き届いた契約農家栽培100%の甲州種ぶどうを、収穫時に品質を厳正に選別し、フリーラン果汁のみを使用。17~18度で2~3週間樽発酵。その後、フレンチオークの古樽で7ヶ月の樽熟成を行い、清澄作業は行わず、最低限の濾過のみ行います。
総生産本数は1000本と非常に少なく、熟成ポテンシャルを見越してワイナリーにストックされていた貴重が在庫を特別にリリースされました。
天ぷらや、脂の乗った魚の寿司や塩焼き、牡蠣の燻製などとの相性が抜群です。
ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ・シュール・リー ドメーヌ・ド・ラ・ヴァンソニエール
フランス・ロワール地方のドメーヌ・ド・ラ・ヴァンソニエールが手掛けるシュール・リー製法で造られたミュスカデ。
このドメーヌの60haのブドウ畑は、海からの影響で豊富な日照量と穏やかな気温ながら、定期的な雨と強風がブドウの木を乾燥させることで、病害を発生しにくくしており、極力自然に近い農法である「リュット・レゾネ」を用いて栽培しています。
また、環境に配慮したブドウの栽培方法「テラ・ヴィティス」の認証を取得しており、ブドウ樹とテロワールを尊重したワイン造りが行われています。
ミュスカデ100%で造られるこのワインは、輝きのある淡いイエローから麦わらの色調で、レモンやシトラスなどの柑橘系に清涼感のあるハーブのアロマ。
一口含むと穏やかで心地よい酸味があり、いきいきとしたフレッシュな果実味に、ほんのり旨味が感じられます。
シーフード料理とのペアリングがおすすめの白ワイン。
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ロエロ・アルネイス モスコーネ
モスコーネのワイン造りの歴史は1877年まで遡り、バローロの生産地域の中でも最も傑出していると言われるモンフォルテ・ダルバに18ヘクタールの土地を所有しています。
畑はモンフォルテ・ダルバでも陽当たりのよい丘の上にあり、適度な風通しと特有の土壌構成がモスコーネのワインに際立った個性を与えています。
また、モスコーネは世界的有名な、イタリアワイン業界の重鎮であるドナート・ラナティ博士のコンサルタントを受けており、この類まれな土地を十二分に表現していることも特筆に値します。
そんなモスコーネが造るアルネイス100%のこのワインは、タナロ川の左岸、砂質、マールが層状に重なり、乾燥したロエロの砂岩質土壌に広がるブドウ畑で育つアルネイスから造られます。
伝統的な白ワイン醸造を行った後、4カ月間シュール・リーの状態で、澱とともにワインを静置し、味わいに深み、奥行き、バランスをもたらし、熟成能力も高めます。
ボトリング後最低でも一カ月は瓶内で休ませてから出荷されます。
アルネイスの特徴であるアーモンドのようなニュアンスがあり、洋ナシやアプリコット、ハーブといったアロマが感じられ、しなやかな酸味と果実味、コクのある奥深い味わいのワインです。