ワインは値段の違いでどう変わる?他にも表現や新旧等の様々な違いについてご紹介

ワインは値段の違いでどう変わる?他にも表現や新旧等の様々な違いについてご紹介

ワインは値段の違いでどう変わる?他にも表現や新旧等の様々な違いについてご紹介

この記事を読むのに必要な時間は約 12 分です。

ワインの違い

ワインとは実に奥深く、神秘的なお酒ですよね。
同じブドウから造られ、同じ醸造を経てワインになるのに、1本500円から1本100万円を超えるものまで、ワインの価格はさまざまです。
また世界各地で生産されていて、造られる産地によって味わいもさまざま。
そこで本日は、ワインのさまざまな違いについてお話します。

白ワインと赤ワインの違い

それではまず基本の赤ワインと白ワインの違いからお話しましょう。
赤ワインと白ワインは同じブドウでもなぜ色が異なるのか、それは、使用されるブドウ品種の色の違いと醸造方法の違いにあります。
赤ワインは黒ブドウと言われる赤い色素を持つ品種を皮ごとつぶして、皮と種もそのまま漬け込んだ「マセラシオン」という発酵をするため、皮の色素から鮮やかな赤い色を生み出します。
一方白ワインは、皮の色が薄い白ブドウを使用し、皮ごとつぶすところまでは赤ワインと同じ工程ですが、発酵させるまえに果汁を搾り、皮や種などを取り除き、果汁だけを発酵させて造るため、赤ワインのような色はつかず、緑がかった黄色から黄金色などの色になります。
赤ワインと白ワインは色の違いだけではなく、含まれるポリフェノールの成分も少し異なります。
赤ワインは果皮を一緒に漬け込むことにより、抗酸化作用が高いレスベラトロールなどのポリフェノールが多く含まれています。
そのため、動脈硬化予防に効果があると期待されています。
一方で白ワインにもポリフェノールは含まれており、量としては赤ワインほど多くはありませんが、
分子量が小さく性能の高いポリフェノールが入っていることが分かりました。
また、白ワインには酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酢酸、コハク酸など有機酸が含まれており、悪玉菌の増加をおさえる効能があります。

ワインの味・表現の違い

まず、ワインを表現する言葉には、「見た目」、「香り」、「味」を表現する言葉があります。

見た目はワインの「外観」と呼ばれ、「色調」「輝き」「濃淡」を表します。
次に香りは、大きく分けて3種類あり、ブドウ本来が持っている香りである「第1アロマ」、醸造や発酵が由来の「第2アロマ」、熟成することで出てくる「第3アロマ」があります。
そして、味わいは、口に含んだときの第一印象の「アタック」、アルコールや果実味などの「甘味や苦み」、香味と風味の「フレーバー」、重みの「ボディ」、香りの持続性の「余韻」の要素に分けて表現することができます。

赤ワインの表現としては、タンニンの量が決めてとなり、アルコール度数が高く、タンニンが豊富なワインは、より重さと複雑さを感じやすく、「重みがある」「重厚感のある」「骨格がしっかりとした」「骨太な」という表現がよく用いられます。
また、タンニンが豊富でも、渋みが少なく柔らかい味わいのワインは、「丸みがある」「まろやか」「濃厚な」という表現になり、タンニンは味わいだけでなく、舌触りの表現としても使われ、滑らかなタンニンの場合、「ビロードのような」「シルクのような」という表現されます。

白ワインに関しては、甘口、辛口を硬さで表現することもあります。
例えば「鋼のような硬さのある鋭い酸」のように、酸味が強いワインほど硬いという表現がよく用いられ、また、赤ワイン同様、白ワインも「厚みがある」という言葉を使います。
厚みは、ブドウの果実味がしっかりとした濃厚な肉厚な感じを表しており、白ワインでもピノ・グリと呼ばれる灰色を意味した、果皮が灰色を帯びた薄紅色をしたブドウ品種は、香りは穏やかですが、辛口で厚みのある味わいの白ワインになります。

値段による違い

ワインの価格は500円以下で買えるものから、100万円を超えるものまでさまざまですよね。
同じブドウから同じ醸造方法で造られているのに、なぜこれほどまでに価格に差があるのか。
一概にこうだから高い、安いという風には言えませんが、1つには、各ワインの産地の人件費や土地代といったワインを造る上でかかるコストによる原価の違いがワインの価格に影響することもあります。
また、醸造方法もワインを生み出すための大きな工程は変わりませんが、各生産者により醸造の作業にかける時間と手間は異なります。
収穫1つとっても、広大な土地でブドウを栽培し、大型のトラクターで一気に収穫する方法もあれば、高品質なブドウを栽培するため、限られた広さの畑で、1房ずつ丁寧に栽培し、手摘みで収穫する方法もあります。
ワインを造る上でどれだけの時間と労力がかかっているかというのも価格の違いに大きな影響をあたえます。
中には希少性という点から、価格が高騰するワインもあります。

ヴィンテージの古いワインと新しいワインの違い

ワインは熟成させるほどにカドがとれて、まろやかになり、おいしくなると言われますが、それなら、ワインは古ければ古い分だけおいしいのか?という疑問が出てきますよね。
ワインは劣化することはあっても腐るという概念はありません。
ワインは瓶に詰められた後も熟成していきます。
ワインよっては、数十年の熟成に耐えるものもあり、中には熟成期間が100年を超えるようなものも存在します。
しかしながら、すべてのワインが長期熟成できるのかというと、そうではありません。
それぞれのワインによって「飲み頃」が異なります。
1000円前後から2000円くらいまでで購入できるデイリー用のワインは、何年も熟成できるようには造られていないため、店頭に並んでいる時点ですでに飲み頃となっているものがほとんどです。
長期熟成タイプではない赤ワインは一般的には2年~3年以内、またボージョレ・ヌーヴォーの場合は半年~1年以内が目安です。
長期熟成タイプのものは、産地や使用されるブドウ品種、ヴィンテージによっても、飲み頃が大きく変わってきますが、10年以上先というものもあります。
また、白ワインは一般的には1年~2年以内。「モンラッシェ」などは、10年以上寝かせてようやく飲み頃になると言われるものもあり、ワインの飲み頃はさまざまです。

15年以上寝かせてようやく、飲み頃になる長期熟成型のワインをオールドヴィンテージワインと呼びますが、その中には、50年以上熟成したオールドヴィンテージワインもあります。
それだけの年数の熟成に耐えられるワインというのは、ブドウ本来のポテンシャルの高さや、長期熟成に耐えられるだけの醸造という点でも確かに高級なワインであることに間違いはないですが、そのワインが必ずしもおいしいかと言われると、やはり「飲み頃(ワインのピーク)」が合うかどうかで、おいしさが変わります。
オールドヴィンテージワインの一般的な飲み頃は、赤ワインなら15年から30年。白ワインなら、15年から25年と言われていますが、先ほどもお話したように、それぞれのワインにより飲み頃は変わってきますので、必ずしも、20年寝かせたからこのワインはおいしい!と断定することはできないのが本音です。
飲み頃(ピーク)を過ぎてしまったワインは徐々に劣化が進み、枯れた感じの味になっていきます。

オールドワールドワインとニューワールドワインの違い

ワインの世界には、オールドワールド(旧世界)とニューワールド(新世界)と呼ばれる産地があります。
フランス、イタリア、スペイン、ドイツなどのヨーロッパのワイン生産国を「オールドワールド」というのに対して、大航海時代以降にヨーロッパ諸国が進出し、ワイン文化が伝わり生産を始めた国を「ニューワールド」と呼びます。
国としては、アメリカ、チリ、オーストラリア、ニュージーランド、アルゼンチン、南アフリカ、カナダ、そして日本があります。

ニューワールドワインは、ヨーロッパ諸国のワイン文化の影響を受けながらも、わずか200年くらいの歴史の中で、各土地の気候をうまく生かしたオリジナル性を磨いてきました。
また、オールドワールドのワインは歴史も古いことから、厳密なルールがある中でワイン造りをしていますが、ニューワールドワインは、産地によっては使用するブドウの品種など厳密なルールに縛られていないため、比較的自由にワイン造りをおこなうことができ、生産量も多くコストパフォーマンスの高いワイン造りができます。
そのため、日本に入ってくるニューワールドワインの多くはデイリーワインとして楽しめる比較的リーズナブルなワインが多く、日本のワインの売り上げの半分はニューワールドワインと言われるほど、今やニューワールドワインなしには語れないくらいの量が消費されています。

一方、年間270億リットル(2018年統計)とも言われる世界のワインの生産量の実に1位から3位まではオールドワールドの代表とも言える、イタリア、フランス、スペインが占めており、この3か国だけで、世界の生産量の半数を生産しています。
イタリアでは、理想的な自然環境で国土のほぼ全てでブドウの栽培を行なっており、20州すべての州でワインが生産され、ブドウの固有品種も多く、さまざまなバリエーションに富んだワインが魅力です。
そして、ワインと言えばフランスとも言えるほど、世界の共通認識でもあるワインの銘醸地フランス。
ボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュなど世界の名だたる高級ワインのほとんどはフランスで生産されています。
スペインも17の自治州全てでブドウの栽培が行われており、2016年におけるブドウ栽培面積はなんと世界1位なんです!

ニューワールドワインは短い歴史の中で急成長しており、各国でさまざまなスタイルを確立しつつあります。
一方のオールドワールドワインは長い歴史の中で、ワインが文化として深く根付いており、各地の歴史はワインとともにあると言っても過言ではないくらいワインはとても大きな存在です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
ワインとひとくちに言ってもさまざまな違いがあり、ワインの値段の違いは、ワインを造る上でかかるコストによる原価の違いや、生産量、生産国、熟成期間、ブランドの知名度、希少性など、さまざまな要因があり値段がつけられています。
また、値段が高いからと言って、それが決しておいしいワインとも限らず、どんなワインにもれぞれのピークというものがあります。
そして、人によって好みの違いもあるので、値段はあくまで1つの目安として、産地、ブドウ品種、醸造方法、熟成期間などさまざまワインを飲み比べてみて、自分の好みのワインをみつけるのもワインの楽しみ方の1つです。

世界のワイン

ワインの選び方カテゴリの最新記事

特集一覧