「ワイン造りは子育てのようなもの」ボトルの1本1本にまで強いこだわりを持つマイクロネゴス「パスカル・マルシャン」

「ワイン造りは子育てのようなもの」ボトルの1本1本にまで強いこだわりを持つマイクロネゴス「パスカル・マルシャン」
スペシャルなブラックフライデー限定企画!

「ワイン造りは子育てのようなもの」ボトルの1本1本にまで強いこだわりを持つマイクロネゴス「パスカル・マルシャン」

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

ドメーヌ・トーズ&マルシャン・トーズ

本日は、フランス・ブルゴーニュ地方の生産者
パスカル・マルシャンさんが来日したときのお話をしたいと思います。

ボトル1本1本に強いこだわりを持つ、マイクロネゴス「パスカル・マルシャン」

パスカル・マルシャンは国をまたいで活躍するワインメーカーで、
その活躍の舞台はブルゴーニュをはじめ、オーストラリア、チリなど
南半球にまで及んでいます。
醸造化としてキャリアをスタートさせたのは1985年、
ポマールにあるコントアルマンでのこと。
1999年にはドメーヌ・ド・ラ・ヴージュレの
チーフワインメーカーとして勤め、7年間醸造長を務めました。

その後、農家から買い入れた葡萄で醸造するネゴシアンブランド
であるマルシャン・トーズ(旧パスカル・マルシャン)と、
自社畑のブドウを使うドメーヌ・トーズです。
ネゴシアンと言っても、パスカル・マルシャンはマイクロネゴス(マイクロ・ネゴシアン)
と呼ばれる小規模のネゴシアン。
買付から醸造まで一貫して行い、ぶどう購入の畑は彼のポリシーに賛同する人のみです。
定期的に本人が畑を訪ね、ビオディナミ農法含め、
木の管理など細かい部分まで直接見ています。
『ドメーヌは小規模でなければならない。
なぜなら、一つ一つの樽やボトルがユニークであり、
注意深く扱はなければならないからだ』と語り、
ボトルの1本1本にまで強いこだわりを持っています。

そんなマルシャンさんが来日した際、4日ほど同行させていただいたのですが、
一番の印象はとにかく人柄の良さ、です。
かなりシャイで取材や講義のときは相当がんばってます。
でも、誰に対してもニコニコと優しく、
一生懸命説明してくれて嫌な顔一つありません。
それで、最後には記者の人ともすっかり打ち解けてしまって。
みな「マルシャンさんの温かい人柄がワインに出ていますね」といって
強い握手をして帰ってゆきます。

ロマネコンティも採用しているビオディナミって?

ビオディナミという非常に難しい学問的なワイン造り。
なぜこの方法がいいのか、科学的な立証はされていません。
でも多くの人が、ワインがおいしくなる、と言って
この方法を取り入れています。
どんな事をやってるの?と気になりますよね。
一例を紹介すると
馬で畑を耕す
(トラクターなどの機械だと微生物やミミズなどの
土の表土にいる動物が70%も死んでしまうそうです)
ハーブを防虫剤などとして利用する
ぶどうは昔のように足でつぶす(今はプレス機という機械があります)
月の運行、惑星の運行カレンダーに従って
ぶどうの収穫や醸造のスケジュールを作る…
これらはほんの一例で、
もう本当にディープな世界なんです。
でもドメーヌ・ルロワやドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティといった
そうそうたるメンツがこの農法に切り替えている、
と聞くと、やっぱり効果があるんでしょうね。

マルシャンさんのワイン造りの哲学は「子育てのようなもの」

実際、どんな方法で作っていようと…
マルシャンさんのワインはとても上品でおいしいのです!!
試飲して改めてすばらしいと思ったのはサン・ロマンという
あまり有名ではない白ワイン。
樽はいっさい使っていません。
果実だけではなく茎まで使って作られたワインです。
香りはきれいで味には優しいうまみがしみ込んでいます。
樽の香りがない分、果実の良さ、ワイン自体の味わいが100%ストレートに
出ている、と言えます。
ついつい見逃してしまいそうな、隠れたお宝ワイン!
春の野菜、山菜などとあわせて飲みたいワインです。
話はかわりますが、
マルシャンさんに「ビオディナミ」ってわかりやすくいうと何ですか?
と聞いてみました。
すると、しばらくして
「子育てのようなもの」という答えが帰ってきました。
「自分の子供=ワインを、
自分の作品といって誰かに紹介するのではなく、
最後に自立したおいしいワインになってほしい。
そのために、周りの環境を作るのが親の仕事。
テロワール(土壌の特徴)、つまり個性がちゃんと出て、
美味しければ、子供=ワインは一人前です。」
予想もしない答えですが、
とてもマルシャンさんらしい答えだなーと思いました。

パスカル・マルシャン

ワインニュースカテゴリの最新記事

特集一覧