ワインの当たり年って何?当たり年の条件とは

ワインの当たり年って何?当たり年の条件とは
スペシャルなブラックフライデー限定企画!

ワインの当たり年って何?当たり年の条件とは

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

ボジョレー

昨日2019年のボジョレー・ヌーボーが解禁されましたね。
もう飲まれましたか?
今年のボジョレーワインは、バランスの整った非常に良い味わいでした。
ボジョレーワイン委員会も、天候が悪かったにもかかわらず、
「葡萄のフレッシュさ」に溢れ、「糖と酸がバランスよく」整い、
「熟成の可能性は魅力的で、ワインも光っていくであろう」と太鼓判を押す、
特筆すべき出来だった今年のボジョレー・ヌーボー。
まだ飲まれていない方は、ぜひお試しください。
さて、ワインにはこのように、その年の気候によりブドウの良い出来、悪い出来、
というのがあります。
そこで、本日はワインの当たり年についてお話します。

当たり年の基準は天候良し悪しで決まる?

ワインショップの表記に「グレートヴィンテージのワイン」や
「当たり年のワイン」なんて表現をされているのを見たことはありませんか?
ワインの世界では、ブドウの収穫年を「ヴィンテージ」と呼び、
ワインのラベルに表記されています。

ご存知のとおり、ワインは年によって出来が違うもの。
天候は毎年一定ではなく、雨の量や気温など、
農産物であるワインは特にヴィンテージの影響を強く受けます。
良質なブドウ造りにかかせないのが、ブドウ栽培に適した気候条件が揃うかです。
春先、ブドウの枝は剪定した箇所から樹液を出します。
芽が膨らみ、開いて若い枝が現れ、
春から初夏にかけて、青々とした若葉が次々に顔を出してきます。
気温がぐんぐん上がってくると、小さな白い花を咲かせます。
すでに果房の形になっていて、受粉するとブドウの実ができます。
この春から初夏にかけて、晴れ間が少なく気温が低いと結実がうまくいかず、
収穫量にも影響を及ぼします。
夏になると、ブドウの樹も成長期にはいり、
だんだんと果房が大きくなっていきます。
白ブドウは淡い黄色に、黒ブドウは青みがかった赤色に変わっていきます。
ブドウが成熟するにつれて、糖度が高まり、果皮は薄くなっていきます。
この時期の天候の崩れは直接ワインの味に影響を与えてしまいます。
ブドウの収穫の見極めはワインにとって大変重要で、
早すぎると糖分が不足しワインも酸味が強くなり、
遅すぎると実が熟しすぎて酸が少なくなってしまいます。
ブドウは品種ごとに成熟速度が違うため、
もちろん収穫時期も異なりますが、土壌や畑の標高、
日当たりや風通りなどによっても成熟が早くなったり、
遅くなったりします。
そのため、栽培者にとっては収穫は、
ひとつひとつの条件に柔軟に対応して進めていかなければなりません。
収穫は複数の品種を栽培しているブドウ畑が一般的なので、
一番早く熟した区画から順々に摘み取っていき、
約15日から20日ほどかけてすべてのブドウを収穫していきます。
そして、収穫作業のこの3週間ほどは、天候との勝負。
突然のにわか雨などで収穫直前の実が水を吸収していたんでしまうリスクもあり、
収穫前の数日は、空とブドウから目が離せません。

このように、ブドウ栽培には天候が大きな影響を及ぼし、
ブドウの栽培に最適な天候だった年を「当たり年」というのです。

ワインよって当たり年は変わってくる

そもそも当たり年というのは、何を基準とし、どうやって調べるのか?
多くの場合、ワインの当たり年というのは、特定の国や地域ごとに、
各年のぶどうの質をチャート形式で評価しています。
そのため、産地によって当たり年というのは変わってきます。
調べるには、ワイン協会やワインの販売会社などが発表している
「ヴィンテージチャート」を参考にする方法があります。

当たり年以外のワインは美味しくない?

それでは、当たり年以外のワインは美味しくないのか?という疑問も生まれますが、
決してそうではありません。
天候に恵まれなかった年のワインでも、その後の醸造方法によって、
むしろ味わいが複雑味が生まれ、非常に味わい深いワインになることもあります。
2017年が良い例で、春先の寒波で多くの芽がダメージを受け、
ブドウが自然と間引きされたような形になり、
フランス、イタリア、スペインのワイン生産者は、
ブドウの出来について「ここ20年で最低だ」と嘆く人も結構いましたが、
その災難とも言える天候のおかげで、
ブドウ一房ずつが凝縮した味わいを持ったようで品質については皆太鼓判を押しました。
このように、天候に恵まれない年だからと言って、
ワインの味がすべてダメとも限らないのです。

当たり年ワインはプレゼントにも最適

当たり年以外のワインでも醸造方法によって味わいは大きく変わるので、
当たり年以外のワイン=ダメとは限らないのですが、
当たり年に関しては、栽培に適した気候条件が揃っているため、
糖度が高めでしっかりとしたアルコールをもつワインを造れ、
酸味のバランスも良い味わいになるため、
ワイン好きな人にワインをプレゼントするときには、
当たり年のワインを贈るのはおすすめです。
また、当たり年のワインはハズレも少ないので、
長期熟成型のワインを買って、将来の楽しみにしてもいいですね。

ワインの当たり年

 

ワインの豆知識カテゴリの最新記事

特集一覧