紀元前3000年からワインが造られていた!知る人ぞ知る世界最古のワイン産地モルドバワイン

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紀元前3000年からワインが造られていた!知る人ぞ知る世界最古のワイン産地モルドバワイン

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モルドバワイン

みなさんは、モルドバワインをご存知でしょうか。
ワインラバーでもまだ飲まれたことがある方の方が少ないかもしれない、
日本でもまだなじみの薄いモルドバワインですが、
実は、その歴史は古く紀元前3000年も前からすでにワイン造りが
はじまっていて、世界最古のワイン産地なんです。
そんなモルドバがなぜそれほど世界的にも有名な産地として、
認識されていないのか、それには、モルドバの悲しい歴史的背景があります。
そこで、本日は知る人ぞ知るモルドバワインについてお話します。

モルドバワインの歴史

モルドバワインの歴史はとても古く、
紀元前3000年ほどから各家庭でワインが造られていました。
ギリシャの植民地開拓者の影響を受け、ワイン造りが各地に広がり、
ローマ帝国時代にさらにワイン造りが発展していき、
18世紀初頭には現在の固有品種の栽培がはじまりました。
その後国際博覧会で高評価を得るなど着実にモルドバワインは拡大していき、
ヨーロッパ各国の王室で愛飲されるようになりました。
しかしながら、19世紀後半にフィロキセラの影響で大打撃を受け復興したものの、
20世紀後半にはゴルバチョフ書記長の改革により「アルコール禁止令」が発令され、
ワイン産業は壊滅的な被害を受けました。
1991年に旧ソ連から独立した後は、欧米からの資本や技術を取り入れ、
ワイン産業の回復に向けて再スタートし、現在は、ワイナリーの数は約150となり、
若い世代の生産者も増え、生産量の90%を海外に輸出するまでに成長しました。
ヨーロッパ、アメリカ、カナダ、アジアへも輸出が増加しており、
現在、目覚ましい発展を遂げているモルドバワインに世界の注目が集まっています。

モルドバワインのおもな産地とブドウ品種

モルドバは、ルーマニアとウクライナの中間、黒海の西に位置し、
面積は九州より少し小さい程度の小国です。
山はほとんどなく、丘や森林が続く丘陵地帯になっています。
フランスのブルゴーニュとほぼ同じ北緯46~48度の間にあり、
豊かな自然に恵まれ、国土の75%は石灰岩を含む肥沃な黒土で、
昼夜の気温差に、年間雨降量:350~600mmと雨量の少ないこともあり、
ブドウ栽培には最適な産地です。
モルドバ国内のワインの産地は大きくわけて4つあります。
一番北部に位置する「バルティ地方」は、産地の中では最も標高が高く、
通常の赤ワイン、白ワインの他に、アイスワインやブランデー、
またウォッカ用のブドウも栽培しています。
バルディ地方の下にある中央部の「コドゥル地方」は、
首都のキシナウがある国の中心部。
樹木が生い茂った丘が多く、やや冷涼な気候です。
白ブドウやピノ・ノワールといった品種が多く栽培されています。
南部の「ヴァルル・ルイ・トライアン地方」は、国内で最も降水量が少なく、
日照時間が長く温暖な気候です。
南東部の「ステファン・ボーダ地方」は黒海に近く最も標高が低い地域で、
適度な大陸性気候の中でブドウが栽培されています。
コドゥル地方、ヴァルル・ルイ・トライアン地方、ステファン・ボーダ地方は、
EUが規定した「地理的表示(IGP)」の産地として登録されており、
長年培われた生産方法・気候・風土・土壌など、
品質の特徴が知的財産として保護されています。

モルドバワインには固有品種が多いように感じられますが、
栽培されているブドウの品種の約70%はヨーロッパ品種で、
白ブドウが7割に対し、黒ブドウが3割の割合で栽培されています。
モルドバの固有品種は、葡萄の特徴を女性に例えて付けられた名前が多く、
ここで、モルドバの固有品種をいくつかご紹介しましょう。

フェテアスカ・アルバ「白い乙女」と訳される、
白ブドウの中で最も歴史があるといわれている品種。
果実や白い花の香りが豊かなアロマティック系品種で味わいは軽やかです。

フェテアスカ・レガーラ「高貴な乙女」と訳される、
アカシアの花や果実の華やかな香りが特徴のアロマティック系品種。
フレッシュなものはミネラルと酸が豊富で、フェテアスカ・アルバに比べ、
ボディはややしっかりとしています。

ヴィオリカ
1969年に誕生したモルドバ原産の白ブドウで、歴史的には新しい品種。
モルドバ国内では「クリコバ」が最初にヴィオリカを使用しワイン醸造を開始。
フルーティな香りで、柔らかい果実味と爽やかな酸味が特徴です。

フェテアスカ・ネアグラ「黒い乙女」と訳される、
輝きのある深いガーネット色で、芳醇な果実味と豊富なタンニンが特徴の品種。
樽との相性もよく熟成タイプに適しています。

ララ・ネアグラ「黒い貴婦人」と訳される、
モルドバの固有品種の中で最も歴史が古いといわれている品種。
エレガントな赤系果実の香りが特徴で酸味が強く、果実味豊かな香りは
ボルドー系品種とブレンドして華やかなワインに仕上げられます。

モルドバワインの特徴

モルドバは、2018年時点のワインの生産量は2億リットル、
世界ランキングでは19位と小国ながら、ワイン生産量は年々着実に増えており、
確立したワイン産業を持っています。
また、ワインは商業生産だけでなく、各家庭が自家製でワインを製造している家も多く、
来客時には、自家製のワインが振舞われるのもモルドバならではのワイン文化です。
そんなモルドバのワインの味わいの特徴は、他のオールドワールドワインに比べ、
くせがなく、シンプルなモルドバの食文化に合うやさしい味わいが多く、
タンニンが柔らかくフルーティーな軽やかな口当たりの赤ワインが多いです。
また、白ワインも酸が穏やかで優しい味わいが特徴です。

おすすめのモルドバワイン

アスコニ エクセプショナル シャルドネ2015
最良の区画のブドウを手摘みで収穫し、樽熟成で仕上げたリッチなシャルドネ。
畑はコルドン仕立て。標高は150〜250mで1haあたり35〜48hlの収穫、
密植度は2,775本/ha。無灌漑農法。
ステンレスタンクにて発酵。熟成にはハンガリアンオークを用います。
白桃や洋ナシや柑橘の皮等のコクのある果実と張りのある酸がエレガントな
樽香が調和した辛口。
産地 :コドゥル地方
品種:シャルドネ 100%
味わい:白・辛口
アルコール:13%

ドール ブレンド ララ・ネアグラ
モルドバの固有品種「ララ・ネアグラ」を使用したブレンドワイン。
シャトー・ヴァルテリーは、モルドバを代表する高評価ワイナリー。
こちらは黒い貴婦人という意味を持つ固有品種、
ララ・ネアグラを主体に国際品種とのブレンドが絶妙な赤ワイン。
にブレンドして造る赤ワイン。
心地よいオリエンタルなアロマと、チェリー、プラム、チョコレートの
深みのあるまろやかな香り。
果実味と酸味とタンニンのバランスが絶妙なミディアムタイプ。
マルベック&シラーとのブレンドにより複雑味がありバランスが良く
お肉の旨味を引き立ててくれる赤ワインです。
生産地:ヴァルル・ルイ・トライアン地方
品 種:ララ・ネアグラ42%、マルベック30%、シラー28%
味わい:赤・ミディアムボディ
アルコール度数:14%

クヴィント・ヴィンヴォヤージュ イルシャイ・オリヴェル
クヴィントは、ヤンタールノエの丘陵地にあり、
南向きの傾斜は肥沃な黒土に覆われ、地下は炭化層となっており、
水捌けが格段によく、近くを流れるドニエストル川からのほどよい風が
通気性をもたらしブドウ栽培の場所としては驚くほど完璧な好条件が揃った
ワイナリーで、そんな最高の土地に、世界各地からブドウ苗木を移植し
育てています。
イルシャイ・オリヴェルはハンガリー原産、ルカツィテリはグルジア原産の
固有品種でしたが、それぞれモルドバの気候条件に合い、
モルドバ産ワインとして生まれ変わっています。
ワインの味わいは、ラフランスやアカシアの花、ローズなど華やかなアロマと、
穏やかな酸にほんのりとやさしい甘味がエレガントで、
まろやかな口当たりと濃厚なアロマが特徴です。
生産地:コドゥル地方
品 種:イルシャイ・オリヴェル100%
味わい:白・辛口
アルコール度数:12%

ヴィナリア・ディン・バーレ フェテアスカ・アルバ
「ヴィナリア ディン バーレ」は「渓谷のセラー」という意味で、
モルドバ最南端(ルーマニアとの国境)の渓谷付近にあるワイナリーの
ブドウ畑を表したワイナリー名になっています。
ヴィナリアは1899年の創業から118年の歴史がある企業で、
もともと果物や麦の栽培・販売会社として発展してきましたが、
2000年に「ヴラディミール ダヴィデスク」氏によりワイン造りが開始され、
現在はヴラディミール氏の熱意と情熱を息子・娘が継承し、
伝統を大切に守りながら革新し成長しているワイナリーです。
ブドウは最も日照量が豊富なモルドバ南部にある畑で栽培され、
収穫は100%手摘みでおこなわれます。
現在はモルドバ航空内でもヴィナリアのワインが提供されており、
モルドバを代表するワイナリーの1つです。
白ブドウの中で最も歴史があるといわれている
モルドバの土着品種「フェテアスカ・アルバ」を100%使用。
日本語では「白い乙女」と言われます。
白い花、はちみつ、白桃の香りが特徴。
まろやかでピュアな果実味が広がり酸味は穏やか。
アフターにエレガントな苦味を感じます。
シャルドネのように癖がなくさらりとした白ワインです。
生産地:ヴァルル ルイ トライアン地方
品 種:フェテアスカ・アルバ100%
味わい:白・辛口
アルコール度数:13%

オラシュル・スブテラン ヴィオリカ 2017
モルドバ原産の「ヴィオリカ」を100%使用。
華やかな香りが特徴の白ワイン。
モルドバ原産の白ブドウ「ヴィオリカ」は、
白ブドウのセイベルと黒ブドウのアレアティコの交配種です。
りんご、白バラ、スイカズラなど華やかでフローラルな香りが特徴の
アロマティック系品種。
味わいは、柔らかな果実味にキレのある酸が特長です。
余韻も長く、爽快なフレーバーを楽しめる軽やかな口あたりです。
品 種:ヴィオリカ100%
味わい:白・辛口
アルコール度数:12.5%

ラダチーニ ヴィンテージ シャルドネ
コドゥル地域周辺は小さな川や谷間が入り組んだ地域で、
主に白ブドウの生産地で、はっきりとした個性を持つユニークで
アロマティックなワインを産出している。
土壌は力強く重いローム性炭酸塩の黒土。
手摘みした自社ブドウを10℃で1日果皮浸漬、20日間発酵。
ワインの一部をステンレスタンクで12ヶ月、残りをオーク樽で4~6ヶ月間熟成。
白桃、アプリコット、シトラスの風味あふれるエレガントでリッチな味わい。
なめらかでクリーミーな舌触り、口いっぱいに広がる果実味とバランスの良い酸味、
心地よい後味。
生産地:コドゥル地方
品 種:シャルドネ
味わい:白・辛口
アルコール度数:14%

モルドバ料理

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