白ワインも赤ワインもあるモスカートの味わいや香りの特徴とは

白ワインも赤ワインもあるモスカートの味わいや香りの特徴とは
ワクワクが止まらない!GWを楽しみ尽くすワインが続々登場!

白ワインも赤ワインもあるモスカートの味わいや香りの特徴とは

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

モスカート

天使の絵が描かれているイタリアの甘口微発泡ワイン「天使のアスティ」
一度はスーパーやワインショップなどで目にしたことがあると思いますが、
マスカットの芳醇な香りがふわっと広がり、
やさしい甘味と心地よい微発泡なスパークリングで
いくらでも飲めてしまう美味しいワイン。
そこで、本日はこのアスティに使われているモスカートについてお話します。

モスカート特徴・造られるワインの特徴

モスカートは、ギリシャを原産とするイタリアで古くから栽培されている
ブドウの品種です。
日本のマスカット(英語読み)がこのモスカートと同じブドウにあたり、
フランスではミュスカ、スペインではモスカテル
ポルトガル語ではムスカテルと呼ばれています。

日本では、ワイン用のブドウ品種というより、
生食用のブドウというイメージが強い品種ですが、
世界でも生食用もワイン用もどちらも栽培されています。
モスカートから造られるワインは、主に白ワインが多いですが、
赤ワインになる果皮の黒いブドウまで幅広くあります。

モスカートの一番の特徴は、名前の語源でもある「ムスク(麝香)」の香りが
非常に強いアロマティックなブドウです。
モスカートから造られるワインは辛口から甘口まであり、
イタリアのDOCGアスティなどの甘口スパークリングワインが特に有名で、
デザートワインとしても食前酒として親しまれています。
また、辛口のモスカートなら、フランスのアルザスで造られるミュスカ・ダルザス
などが人気です。
また、葡萄を干しブドウ状にしてアルコール度数の高い甘口のワインや、
地中海沿岸地方では主に酒精強化ワインの原料として使用されています。

生産地域による味の違い

・イタリア
モスカートはイタリアのほとんどの地域で栽培されていますが、
ピエモンテ州のアスティ、アレッサンドリア、クーネオの3県で
モスカート・ビアンコが広く栽培されています。
ここで造られる「アスティ」には、スパークリングワインのアスティ・スプマンテと、
微発泡ワインのモスカート・ダスティ、
スティルワインのヴェンデンミア・タルディーヴァがあり、
いずれも甘口で、バラのような華やかで芳醇な香りのワインを生み出します。
ヴェネト州、ロンバルディア州では、モスカート・ジャッロが栽培されており、
甘口のデザートワインからすっきりとした辛口ワインが造られています。
トレンティーノ・アルト・アディジェ州とフリウリ州でのみ栽培されている
強いバラの香りを特徴とする黒ブドウからは、甘口の赤ワインが造られています。

・フランス
フランスのアルザス地方では辛口のミュスカ・ダルザスが造られており、
メロン、桃、オレンジの花やりんごなどの爽やかな香りと酸が特徴の辛口ワインです。
ミュスカ・ダルザスは、ミュスカ・ブラン・ア・プティ・グラン、
ミュスカ・ローズ・ア・プティ・グラン、ミュスカ・オットネルの
ミュスカ系の3品種をまとめて「アルザスのミュスカ」という意味で呼ばれています。
南フランスでは、天然甘口ワインや酒精強化ワインが造られており、
天然甘口ワインではローヌ地方のミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランを用いた
ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズや
ルーション地方では、ミュスカ・ブラン・ア・プティ・グランと
ミュスカ・アレクサンドリーを用いたミュスカ・ド・リヴザルトなどがあります。
酒精強化ワインではラングドック地方のフロンティニャンや
ミュスカ・ド・フロンティニャンなどがあります。
天然の甘口ワインは、発酵途中でアルコールを添加し発酵を停止させるため、
ミュスカがもつ糖分や風味が残り、非常にアロマティックで芳醇なワインに仕上がります。

・スペイン
モスカテルは、スペインのアンダルシア地方で造られる酒精強化ワインである
シェリーの原料の1つです
モスカテルを遅摘み、または天日干しすることで糖度を高め、
アルコールを添加することでモスカテル本来の糖度を残した
極甘口のシェリーになります。
ジャスミンやオレンジの花、スイカズラの花のフローラルなアロマに
グレープフルーツの柑橘系の香りも感じられます。

この他にもギリシャ、ポルトガル、オーストリア、オーストラリア、
南アフリカ、チリなどさまざまな地域でモスカートは栽培されています。

モスカートから造られるおすすめのワイン

チェレット モスカート ダスティ
イタリアワインの王様「バローロ」で有名なチェレット社が手掛ける、
上質なモスカートを使用したアスティーよりアルコール度数が低くより甘口で
フルーティーなやや甘口微発泡ワイン!
モスカートから造られる自然な甘味が心地よいフルーティな風味で、
アルコール度も5.5%と低いため、アペロにお楽しみいただけます。
産地:イタリア/ピエモンテ/DOCG モスカート ダスティ
タイプ:白・甘口・スパークリング

ドメーヌ・ツィント・フンブレヒト ミュスカ テュルクハイム
1959年にゲベールシュヴィールの造り手ゼノン・フンブレヒトと、
ヴィンツェンハイムの造り手エミール・ツィントが合同で設立したドメーヌです。
アルザスの伝統的な大型発酵樽で、自生酵母による長期発酵自を行い、
畑のテロワールの特徴を最大限に表現したワインを造っています。
明るく淡いイエローの色彩で、ミント、メントール、白い花のアロマが感じられます。
口当たりは柔らかくビロードのように繊細で、上品な酸とともに、
フレッシュでいきいきとした味わい。
最後にクリーンでフレッシュな余韻が残ります。
産地:フランス/アルザス/テュルクハイム
タイプ:白・辛口

おすすめワインに合う料理

・甘口のモスカートダスティに合う料理
華やかで甘い味わいが魅力のモスカートは、
フルーツケーキやナッツがたっぷりのタルトなど素朴なケーキと合わせたり、
夕食前のアペロとして、サンドイッチやスナックなどの軽食と合わせるのが最高です。

・辛口のミュスカに合う料理
辛口ながらも豊かな香りのあるミュスカは、
サラダなどのさっぱりとした野菜の青みや爽やかな味わいと、
カニなどのさっぱりとした甘味のあるシーフードとよく合います。
また、クリーム系の濃厚なパスタの味わいを引き立ててくれるので、
カニのクリームパスタなど相性抜群です!

辛口のミュスカと相性の良いクリームパスタ

ワインの選び方カテゴリの最新記事

特集一覧