発泡・甘口・辛口どのワインにも使われるシュナンブランの特徴とは

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発泡・甘口・辛口どのワインにも使われるシュナンブランの特徴とは

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南アフリカのシュナンブラン

造り手やテロワールによって、さまざまな個性を発揮するブドウ品種シュナンブラン。
フランスのロワール原産ですが、現在ではフランスだけでなく、
さまざまな国で造られており、南アフリカではスティーンの相性で親しまれ、
辛口ワイン、スパークリングワイン、甘口ワインなど幅広い味わいのワインとなって、
私たちを楽しませてくれます。
そこで、本日はさまざまな味わいを楽しめるシュナンブランについてお話します。

シュナンブランの特徴と造られるワインの特徴

シュナンブランは、フランスのロワール地方が原産の白ワイン用ブドウ品種で、
現在、フランス以外の産地で最も有名なのが南アフリカです。
その他、アメリカのカリフォルニア、ニュージーランドで栽培されています。
シュナンブランの大きな特徴は、造り手、気候によって異なる味わいになり、
冷涼な産地で造られたシュナンブランは、果汁の糖度が高く、
豊かな酸があり、フルボディでフルーティーなワインになります。
また、テロワールの特徴を反映しやすく、砂質の土壌では軽い口当たりのワインになり、
シリカの多い土壌ではミネラル感が豊富になり、
石灰質の土壌ではシャープな酸を感じるワインになります。
そのため、辛口、甘口の白ワイン、スパークリングワイン、貴腐ワインと
さまざまな味わいのワインが造られています。

シュナン・ブランは9世紀頃にはフランスのアンジュ―地方で栽培されており、
15世紀頃にはロワール地方のトゥーレ―ヌ地区にまで広まりました。
トマス・ボワイエがシュノンソー周辺のブドウ畑を購入し、
ブルゴーニュ、ジュラ、アンジューなどから数種類のブドウを持ち込んだうちの1つに
当時プラン・ダンジューと言われる白ブドウがあり、このプラン・ダンジューこそが
現在のシュナン・ブランである可能性が高いとされています。
16世紀のフランスの作家・フランソワ・ラブレーは
「ガルガンチュアとパンタグリュエル」のなかで、
シュナン・ブランとされるアンジューの白ワインをブドウの薬の効能として記しており、
当時すでにシュナン・ブランはロワール地方では有名なブドウ品種だったことがうかがえます。
その後、シュナン・ブランは南アフリカでも栽培されるようになりますが、
2つの説があり、オランダの東インド会社がケープコロニーをオランダ艦船の停留地とし、
艦船の司令官だったヤン・ファン・リーヴェックがそこで栽培を始めたという説と、
ルイ14世がナント勅令を廃止した際、迫害を受け国外に逃れたユグノーの人々によって、
南アフリカに持ち込まれたという説があります。
現在、この南アフリカで世界中のシュナンブランの3分の2が栽培されており、
南アフリカではスティーンという名前でよばれています。

おもな産地と特徴

■フランス
栽培地域によってスタイルの違うワインになるシュナン・ブランは、
他の品種とブレンドされることもありますが、
単一品種として造られるワインも多く個性の違いがはっきり分かります。
ロワール地方のシュナンブランの最大の特徴は、
ジャムやマルメロの香りが際立っており、まろやかな甘みを感じられますが、
味わいにはキレのある酸がしっかりとあり、きりっとした味わいがあります。
また、テロワールの特徴を反映しやすいため、
ロワールの中でも、さまざまなワインが造られています。
「フランスの庭園」とも呼ばれるトゥーレーヌ地区にあるヴーヴレイ村では、
ロワール地区で最も優れた白ワインと定評があるAOCヴーヴレイが造られており、
ここで造られたシュナン・ブランは、はちみつのような濃厚な香りを持ち、
バランスが良くまろやかな白ワインになります。
また、アンジュー地区の中でも最も広いAOCコトー・デュ・レイヨンは、
ロワールの3大貴腐ワインの生産地の1つで、ソーテルヌに劣らない貴腐ワインと、
遅摘みの甘口ワインが生産されています。

■南アフリカ
先ほども触れましたが、南アフリカのシュナンブランはスティーンとも呼ばれ、
世界のシュナンブランの栽培量の3分の2という世界一の栽培面積を誇り、
古くから栽培されてきました。
南アフリカにとってシュナン・ブランは「アフリカの国宝」と言われ、
無くてはならない品種となっています。
南アフリカでのシュナン・ブランのおもな産地は西ケープ州のコースタル地域で、
スワートランド、ステレンボッシュ、パールの各地区で栽培されています。
中でもステレンボッシュは、南アフリカのワイン産業の中心地であり、
ワインに関する研究機関が多く、優秀な醸造家を輩出する大学などの教育機関にも
力を入れています。
南アフリカのシュナンブランは、辛口の白ワインが多く、
トロピカルフルーツなど南国を彷彿とさせるニュアンスがあり、
酸もまろやかで口当たりの良い味わいです。
スパークリングワインや甘口ワインも造られており、
お手頃な価格のワインが多いのも魅力です。

■オーストラリア
オーストラリアの中でも西オーストラリアのスワイディストリクトでは
シュナンブランをはじめ、セミヨンなどの白ワインの生産が盛んで、
地中海性気候で、フリーマントルドクターといわれる海風の影響で
暑さは和らげられるため、栽培時期に降水量が少なくブドウ栽培に適した土地です。
生産量は少ないものの長期熟成向きの高品質なシュナンブランを生み出しています。

シュナンブランから造られるおすすめワイン

■白ワイン(辛口)
KWV クラシック・コレクション シュナン・ブラン
KWVはブドウ栽培農家によって造られた協同組合で、
南アフリカのワインやブランデーの最大の輸出者としてイギリス、
オランダ、ドイツ、ベルギー、カナダ、アメリカ、日本などを含めた
35カ国に南アフリカワインを輸出しています。
南アフリカの最もポピュラーなブドウ品種であるシュナン・ブラン100%のワイン。
透明がかった淡いイエロー、カリンとメロンのニュアンスのある香り、
口に含むとライムのような微かな酸味と豊かな果実味が優しく包みこんでいます。
すっきりとした飲み心地のワインです。
産地:南アフリカ/西ケープ州

KWV クラシック・コレクション シュナン・ブラン

ボーモン・シュナン・ブラン
南アフリカのケープ地方ウォーカーベイ地区にあるため、
海流の影響を受けて全般的に冷涼な気候が特徴となっています。
所有している畑は34ヘクタールと小規模ですが、1700年代から続く
家族経営の歴史あるワイナリーです。
もともと白ワインに向いている土地ですが、
フレッシュな酸味を残すために早朝に収穫を行ったり、
その収穫も熟度によってブドウの樹を選びながら行われたりするなど、
素晴らしい白ワインを造るための工夫が行われており、味わいは繊細で上品。
特に、シュナン・ブランはあえて樽を使用せずにスッキリと仕上げたタイプ。
フローラルな香りと、フレッシュでフルーティーな味わいは、
魚介との相性がよくお食事をより楽しめます。
産地:南アフリカ/ケープ州

ボーモン・シュナン・ブラン

ボーグル ヴィンヤーズ シュナン ブラン
ボーグルファミリーはカリフォルニアのサクラメントで6世代にわたって
農業を営んでおり、1968年からはじめてブドウ栽培を始めました。
現在AVA Clarksburgで1500エーカーを超える畑を有し、
ブドウ品種ごとに、カリフォルニア州の中の最適な土壌を選んで栽培しています。
シュナン・ブランで造られたこのワインは、
トロピカル・フルーツような甘く豊かな香りを持っています。
ハニーデューメロンとパイナップル・ジュースの様な果実感満載で、
シルキーで甘い白桃を思わせる旨味がフィニッシュを包み込みます。
100%ステンレス・スチール・タンクを使い醗酵させることにより
フレッシュさが一層高められ、いきいきとした酸がよく表現されています。
産地:アメリカ/カリフォルニア州

ボーグル ヴィンヤーズ シュナン ブラン

■白ワイン(甘口)
ムーラン・トゥシェ コトー・デュ・レイヨン 1985 
ロワールの甘口白ワインの中でもトップクラスに位置付けられる極上品。
1787年創業のアンジュー地区の最古ドメーヌの1つである
ドメーヌ・トゥシェは、ワイン造りには特にこだわりがあり、
コトー・デュ・レイヨンのセパージュはシュナン・ブランとされていますが、
トゥシェのワインに使われるシュナン・ブランは熟度が異なる状態のものを
4~5回に分けて綿密な選別を行った上で、手摘みで収穫されます。
その後自然酵母を使用し発酵後瓶詰されると、
最低でも10年間じっくりと寝かせてリリースされるため、
よりまろやかで芳醇な味わいが楽しめます。
このムーラン・トゥシェは、トゥシェのワインの中でも良い年にのみ生産され、
生産量が少ないプレミアムレンジのもの。
産地:フランス/ロワール

ムーラン・トゥシェ コトー・デュ・レイヨン 1985 甘口

■スパークリングワイン
ドメーヌ・ヴィニョー・シュヴロー ヴーヴレ ペティヤン ブリュット
1995年からビオディナミでブドウ栽培を続けるヴーヴレのドメーヌ。
洗練された細やかな泡立ち。輝きのある黄金色。
リンゴや白桃を想わせるアロマが特徴的。
シュナン・ブラン 100%
産地:フランス/ロワール・トゥレーヌ

ドメーヌ・ヴィニョー・シュヴロー ヴーヴレ ペティヤン ブリュット

おすすめワインに合う料理

極辛口から甘口の貴腐ワイン、スパークリングワイン、ブランデーと
さまざまな味わいを楽しめるシュナンブランは、合わせるお料理の種類も実に豊富。
すっきりとした酸が特徴のワインの場合は、さっぱりとしたサラダなどの前菜や、
シーフードのマリネなどが合い、おだやかな酸のボリュームのあるワインの場合は、
バターがたっぷりと使われたソースの白身魚のムニエルになどしっかりと味付けの
魚料理がよくあいます。
また、南アフリカで造られるシュナンブランは、
リーズナブルなテーブルワインとしても楽しめるものも多いので、
豚の生姜焼きやコロッケなどの家庭料理にもよく合います。
甘口のシュナンブランには、濃厚なチーズもオススメです。

シュナンブランに合う魚料理

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