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収穫量はなんとシャルドネの5倍以上とも言われるほど
収穫量が多い品種カリニャン。
発芽の時期が遅く、収穫時期もその他の品種に比べてかなり遅いため、
寒い地域では完熟させることが難しく、
比較的温暖な産地で栽培されています。
本日は、地中海岸側を中心に多く栽培されるカリニャンについてお話します。
カリニャンの特徴と造られるワインの特徴
カリニャンは、スペイン北東部のアラゴン州を原産とする赤ワイン用のブドウ品種で、
原産地ではカリニェナと呼ばれ、スペインと地中海沿岸のフランス全域で多く栽培されています。
またイタリアではカリニャーノと呼ばれ、アメリカやチリでも栽培されています。
カリニャンはシャルドネの5倍以上とも言われるほど収穫量が多い品種で、
ブレンド用として栽培されている産地が多く、
特にフランス南部ではブレンドとして用いられる傾向が高いです。
収穫量の多い品種ではありますが、育てやすい品種とは言えず、
発芽の時期が遅く、また収穫時期もその他の品種に比べてかなり遅い特徴があるため、
寒い地方では収穫時期までに完熟させることが難しく、
比較的暖かい地中海岸沿岸やカリフォルニアがおもな産地です。
また、うどんこ病などの菌に弱く害虫も付きやすいこともあり、
産地は限定されてしまいます。
カリニャンから造られるワインは濃いルビー色で、
香りは干しぶどうやプルーンの凝縮された香りに、
スパイシーでなめし革に似たニュアンスが少し加わり、
味わいは豊かなベリーと強めの酸味の後にカカオのようなざらついた渋みが残ります。
タンニン、苦み、酸味が強いかなり刺激的な味に仕上がります。
他の品種とブレンドされることが多く、
スパイシーな香りや重たい渋みを加えるのに役立っています。
おもな産地と特徴
カリニャンの原産地であるスペインでは、カタルーニャ地方を中心に栽培されていますが、
カリニャンの栽培量は年々減少傾向にあり、おもな産地はフランスです。
フランスでは、ラングドック・ルーション、プロヴァンスがおもな産地で、
ラングドック・ルーションでは、グルナッシュに次いで多く栽培され、
甘口から辛口までバリエーション豊かなワインが造られています。
カリニャンはブレンドワインに使用され、品種の割合は低いことが多いため、
ラベルに品種名が表示されることはほぼありませんが、
しっかりとした骨格を造るのに適した品種として重宝されています。
カリニャンにとって最適な気候である地中海性気候のプロヴァンスでは、
高級感と深みのある味わいの熟成タイプが多く造られています。
カリニャンから造られるおすすめワイン
ラ・クロワザード レゼルヴ カリニャン ヴィエイユ・ヴィーニュ
生産者のグザビエ・ロジエは、ラングドックのワインを
世界中の人に楽しんでもらうという夢の実現のため、
栽培の指導も行いながら、ラングドックの代表的な特徴を反映させた、
クリーンで果実味にあふれた伝統的なワインづくりを目指しています。
平均樹齢40年の古樹が生み出す芳醇な果実味。
レッドベリー、バニラの香り。
丸みのある芳醇な果実味、ソフトでなめらかな口あたりの良い味わいで、
とてもコスパの高いワインに仕上がっています。
産地:フランス/ラングドック・ルーション
ウンドラーガ テロワール・ハンター カリニャン マウレ
ウンドラーガ社は、世界70ヶ国以上で親しまれるチリ最古のワイナリーの1つ。
銘醸7地域に8つの自社畑1,359haを所有し、
ブドウ栽培からワイン造りまで一貫して手掛けています。
チリのテロワールを反映したプレミアムワインの可能性を示したパイオニア
として知られており、各国の要人をもてなすワインとしてふるまわれてきました。
カウケネス・ヴィンヤードはブドウ樹1本当たりわずか1.2㎏の低収量で、
ワインに凝縮感を個性や複雑さ、熟した果実の味わい、
まろやかさを与える為にブレンドされます。
レッドチェリーやブラックチェリーなどのフルーティーなアロマに加え、
わずかに華やかなバラや、白胡椒などのスパイシーな香り。
フレッシュな果実味と美しい酸、よく練れたタンニンのバランスがよく、
後味にはミネラルのニュアンスも感じます。
樹齢40年以上の古樹のカリニャン100%で、
5から10年の長期熟成の可能性を秘めたワインです。
産地:チリ/マウレ・ヴァレー
おすすめワインに合う料理
カリニャンは、黒系果実のアロマとスパイシーさに
凝縮感のあるタンニンが特徴なので、
赤身のステーキやローストチキンなどに合わせるのがおススメです。
ソースにベリー系の果実を入れて酸味を出して、
八角やコショウなどのスパイスを加えると、より相性がよくなります。