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トレッビアーノという品種をご存知ですか?
イタリアワインが好きな方なら飲まれたこともあると思いますが、
なんと世界で2番目に多く栽培されている主要なブドウ品種なんです!
フランスでトレッビアーノは、白ブドウの栽培面積は1位で、
イタリアでも1位~2位と主要な品種。
本日は、隠れた主要品種のトレッビアーノについてお話します。
トレッビアーノの特徴と造られるワインの特徴
トレッビアーノは、イタリア原産とされる白ワイン用のブドウ品種で、
おもにイタリアやフランスで広く栽培されており、
世界で2番目に多く栽培されている主要なブドウ品種です。
フランスでトレッビアーノは、白ブドウの栽培面積は1位で、
イタリアでも1位~2位と主要な品種です。
フランスで白ワインというと、シャルドネやソーヴィニョン・ブランの方が
先に思い浮かぶので、トレッビアーノが栽培面積1位と聞いて驚く方も多いと思いますが、
フランスではユニ・ブラン、またはサン・テミリオンと呼ばれ、
実はブランデーのコニャックの原料として使われているんです。
イタリアでトレッビアーノは全土で栽培されており、
単一品種で使われるよりもブレンド用の補助的な品種として使われることが多く、
この品種は各地でさまざまなクローンがあり、変種をを含めると16のクローンがあります。
トレッビアーノの特徴は、苗が強く生産量の多い品種です。
柑橘や青リンゴに新鮮な若葉やの香りが豊かで、
さわやかでフルーティな味わいで後味に若干の苦みを感じるのが特徴です。
フレッシュな酸を持つ辛口の味わいになり、軽快なワインになることが多いです。
価格はリーズナブルなものが多く、コスパの良い辛口白ワインです。
ただ、長期熟成には不向きで、冷涼な産地ではアルコール度数が上がりにくいため、
ブランデーのコニャックにブレンドされる原料として使われています。
おもな産地と特徴
■フランス
トレッビアーノは、14世紀にイタリアからフランスへ渡ったとされており、
樹勢が強く生産量も多かったため、南フランスで主に栽培されるようになりました。
中でも、コート・デュ・ローヌではユニ・ブラン、
コニャックではサン・テミリオンと呼ばれ、糖度が上がりづらく酸味が強い、
ユニブラン(サン・テミリオン)の特徴を活かし、多量のワインを原料とする
ブランデー造りに使用されるようになりました。
以前までブランデーの主要原料だったコロンバールがフィロキセラの影響で
栽培面積が減少したこともあり、よりユニブランの栽培面積が増加していきました。
そのため、ワインのラベルに表記されることが少ない品種ですが、
フランスでは白ブドウの栽培面積が1位の代表的な白ブドウ品種です。
プロヴァンス地方のマルセイユの東に位置するカシスという地域では、
スティルワインとしても重要な品種として使用されており、
カシスの白ワインはフルーティーな辛口が多く、ブイヤベースと非常に相性がいいです。
また、ボルドー地方でも、ボルドー・ブランやクレマン・ド・ボルドーなど、
補助品種としてのブレンドが認められており栽培されています。
■イタリア
イタリア全土で造られる白ワインの30%がこのトレッビアーノ系の品種から造られており、
DOCワインのうち80種以上にトレッビアーノ品種が使われています。
トレッビアーノとは、イタリアでの一般的な名称で、
主要なものは、トレッビアーノ・トスカーノ、トレッビアーノ・ロマニョーロ、
トレッビアーノ・ジャッロで、変種を含めると16のクローンがあります。
トレッビアーノ・トスカーノは、主にトスカーナ州で栽培され、
赤ワインであるキャンティにも10%以下まで使用が認められています。
また、トレッビアーノ・ロマニョーロは、エミリア・ロマーニャ州で栽培されていて、
スパークリングワインやバルサミコの原料にもなります。
トレッビアーノ・ジャッロはラツィオ州で栽培されており、
カスチッソ・ロマーニ、モンテ・フィアスコーネなどの白ワイン用にブレンドされ、
辛口の中にわずかな甘味を感じるデリケートな味わいのワインにしあがります。
また、1972年にDOCワインに、アブルッツォ州のトレッビアーノ・ダブルッツォの
名前で昇格し、果実味に富んだ辛口で、90年代から本格的に高品質なワインを造る
ワイナリーが増えました。
トレッビアーノから造られるおすすめワイン
エスト エスト エスト ディ モンテフィアスコーネ
カンティーナ ディ モンテフィアスコーネは1956年設立された生産者協同組合です。
1000名近い組合員が収穫したブドウの中で、品質の高いものを使用しています。
変わったワイン名は、ドイツ人の司教がこの地のワインに大いに感銘を受け、
後から来る司教が素通りしないよう宿屋の入口に「エスト! エスト!! エスト!!!」
(ラテン語である!ある!ある!という意味)と書き残したという物語に由来しています。
レモンや蜂蜜の香りで、すっきりとした酸味が心地よい辛口の味わいです。
幅広いお料理に合わせやすいので、デイリーワインとしておすすめです。
産地:イタリア/ラツィオ州
タヴェルネッロ オルガニコ トレッビアーノ・シャルドネ
世界で一番売れているイタリアワインブランドのシンフォニーIRIグループの
タヴェルネッロが手がけるオーガニック白ワインです。
美食の地エミリア・ロマーニャ州のトレッビアーノ種とシャルドネ種を使用し、
食事に合う味わいを追求。
りんごや黄色い花、ハチミツなどを連想させる甘い香り、
フレッシュな果実味とやさしい酸味が特長の、
素直でまろやかな味わいの辛口白ワインです。
産地:イタリア/エミリア・ロマーニャ州
グラン・サッソ トレッビアーノ・ダブルッツォ
グラン・サッソはアブルッツォ州にある最も高い山の名前で、
最新技術を用いてコスパの良いワインを造るアブルッツォのワイナリー。
近年コストパの高いイタリアワインとして、業界でも高い評価を得ています。
このワインは、トレッビアーノちマルヴァジーアをバランスよくブレンドした
品質の高いワイン。
色調は明るく黄色がかった麦藁色で、桃や西洋かりん、びわなどの黄色い果実の香りに
オレンジの花のような白い花の香りが感じられます。
豊かな果実味で、適度の酸味があるしっかりとしたボディとなっています。
また余韻も長く全体的なバランスがとれているます。
イタリア/アブルッツォ州
クロ・サント・マグドレーヌ カシーブラン
畑は19世紀末に開墾され、1900年にパリで行われた万博で
白ワインが金メダルを獲得した歴史もあるワイナリー。
フレッシュでミネラルの風味が際立つカシの白ワイン。
白い花、柑橘系の果実、蜂蜜のアロマに、ほんのりとアニスのニュアンス。
アタックは爽やかで軽やかに感じられながら、
中盤以降にボディの厚みと味わいの深みが増してくる。
アフターに潮っぽいミネラル味。魚介類全般にぴったりの白ワイン。
産地:フランス/プロヴァンス
おすすめワインに合う料理
フレッシュな酸味と果実味に後味にわずかな苦味が感じられる
トレッビアーノには、カルパッチョやシーフードフリッターなど、
シーフード料理にレモンをきゅっと絞っていただたくさわやかな料理がおすすめです。
また、イタリア料理の定番であるパスタやピザなどのカジュアルな料理とも良く合います。