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フランス語で「黒い宝石」という意味を持つビジュノワール。
その名の通り、果実は小粒で色が濃く、
まるで黒い宝石のように見えることからそう名付けれました。
この品種は山梨県で開発され、2006年に品種登録された新しいブドウ品種です。
日本の風土気候に適したブドウで、注目を集めています。
そこで、本日はビジュノワールについてお話します。
ビジュノワールの特徴と造られるワインの特徴
ビジュノワールは、山梨県果樹試験場が山梨27号(甲州三尺×メルロ)と
マルベックを交雑して開発し、2006年に農林水産省で正式に品種登録された
新しいブドウ品種です。
ビジュノワールという名前は、ビジュ(Bijou)とはフランス語で宝石、
ノワール(Noir)は黒で、ビジュノワール(黒い宝石)という意味です。
その名の通り、果実の粒は比較的小粒で色素が濃く、
ブルームと呼ばれるブドウの粒の表面を薄く覆う白い粉の間から見える
果皮の色がまさしく黒い宝石のように見えます。
ビジュノワールは、萌芽が遅いため霜害にあいにくく、
さらに結実してから熟する速度が速く、収穫期は9月上旬でメルロより1週間、
カベルネ・ソーヴィニヨンより1ヶ月以上早い特性があるため、
秋の長雨や台風などがくる前に良好な果実を収穫することができます。
樹勢は中程度で、花ぶるいは少なく、北海道などの冷涼な産地での
耐寒性も確認されていることから、日本の気候風土での栽培に適しているとされ、
注目を集めているブドウ品種です。
ビジュノワールは、果房重、果粒重はメルロと同じくらいですが、
他の品種に比べ果肉の弾力が強く、噛みごたえのある食感が特徴的です。
ビジュノワールから造られるワインは、ラズベリーやブルーベリーなどの
フレッシュな果実の香りが豊かに感じられ、メルロやカベルネソーヴィニヨンに比べ、
糖度は高く、酸がまろやかなので、口当たりがやわらかいですが、
豊富なタンニンがあるので、しっかりとしたボディのコクがあるワインに仕上がります。
おもな産地と特徴
現在、おもな産地は山梨県ですが、前述したとおり日本の風土気候に合っており、
耐寒性もあるため、今後、日本全国で栽培が増えていきそうです。
山梨県では、特にサントリーの登美の丘ワイナリーのビジュノワールが有名です。
また、世界のワイン産地の5~8倍もの雨が降る高温多雨の南九州の宮崎県でも
ビジュノワールが造られています。
ビジュノワールから造られるおすすめワイン
登美の丘ワイナリー ビジュノワール
外観はルビー色で、ラズベリー、ブルーベリーなど果実の香りが豊かに感じられ、
口当たりは柔らかく、しっかりとしたタンニンと自然な甘みがバランスよく調和して、
心地よく広がっていく素晴らしい味わいの高級純国産ワインです。
産地:山梨県
都農ワイン ビジュノワール
南国の都農町で育った初のフルボディ。
艶やかな黒みを帯びたルビー色で、ミントのような清涼感の中に、
プラムや黒いベリー系、煮つめたジャムのような甘みのある香り。
クローブやシナモンといったスパイスも感じられ、
複雑で繊細な香りが楽しめます。
骨格のしっかりとしたタンニンに、ベリー系のジャムや
青いバナナのような甘い果実味も感じられ、ボリューム感と凝縮感があり、
余韻も長く飲み応えがあるワインです。
産地:宮崎県
おすすめワインに合う料理
酸がまろやで口当たりがやわらかく、しっかりとしたボディのビジュノワールには、
しっかりとした脂のうまみを感じられるサーロインや、
こってりとした味付けの和食のすき焼きなど、肉料理との相性がとても良いです。
また、中華料理のチンジャオロースや南仏料理のカスレなど
ボリュームのある世界の料理ともあうので、幅広いお料理と合わせられます。