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バーレーワインはご存知ですか?
ワインラバーの方でも飲んだことがあるという方は少ないはず。
それもそのはず、ワインという名前がついていますが、
バーレーワインはワインではなくアルコール度数の高いビールの一種なんです。
そこで、本日はバーレーワインについてお話します。
バーレーワインとは
バーレーワインは、19世紀にイギリスで発祥したビールで、
一説には300年以上前から造られていたとも言われています。
イギリスは、近年になって地球温暖化の影響で南部の方もワイナリーが増え、
イギリス産のスパークリングワインが世界でも注目を集めるようになりましたが、
少し前までは、ワインを造るには冷涼すぎる気候のため、
ワインに代わるアルコール度数が高く、長期熟成ができるビールを開発したのが
はじまりとされています。
バーレーワインのバーレーは、barley=麦という意味で、
直訳すると麦のワイン。
この名が広まったのは20世紀に入ってからで、
それまでは「オールドエール」「ストロングエール」「ストックエール」などと
呼ばれていたそうです。
バーレイワインのアルコール度数は8〜14%で、
まさにワインと同じくらいのアルコール度数があります。
また、ワインのように熟成期間も長く、
通常のエールは熟成させる期間が数週間程度なのに対し、
バーレイワインは半年~1年以上の熟成期間があります。
そのため熟成する際に使用する木樽の香りが移り、
複雑な風味を作り出します。
バーレーワインの製造方法
バーレーワインには、通常のエールよりも麦芽もホップもたっぷりと使い、
前述のとおり、通常のエールよりもはるかに長い熟成期間を用いて造られます。
また、通常のビールは発酵させた後に二酸化炭素を添加しますが、
バーレーワインの炭酸はシャンパンと同じ瓶内二次発酵という工程を用いて
瓶詰後も、酵母の活動しやすい温度で数週間保管し発酵させます。
瓶内が密閉状況の中で酵母が活動を始め、
糖が酵母によってゆっくりとアルコールと炭酸ガスに分解されます。
そのため、通常のエールよりも炭酸が強すぎず、
柔らかく繊細な泡が生み出されます。
バーレーワインの特徴
バーレーワインは、濃厚で複雑な味わいが特徴で、
時間をかけて熟成させるため、ドライフルーツを思わせるフルーティーな香りに、
樽由来のまろやかさも加わり、カラメルのような味わいが感じられ、
力強いボディとしっかりとしたコクに、上品なきめ細やかな泡は、
まさに、ワイン好きにピッタリのビールです。
アルコール度数は8〜14%で、熟成期間が長いほど、
色も濃くアルコール度数が高めのものが多いです。
飲み方は、通常のビールのようにキンキンには冷やさず、
少しぬるいくらいの温度で、チューリップ型のビールグラスに注いで
ワインを味わうようにゆっくりと香りを楽しみながら飲むのがおすすめです。
ワイングラスでもOKですが、ワインよりも少し多めに注ぐバーレーワインは、
ステムが長いと持ったときにバランスがとりづらいので、
できれば、ステムなしのワイングラスの方が飲みやすいと思います。
日本でも購入することが可能
さて、このバーレーワイン、イギリス発祥でまだ日本ではなじみが薄いですが、
じつは日本でも造られています。
そこで、日本で造られているおすすめのバーレーワインをご紹介しましょう。
ハレの日仙人
厳選した5種類の大麦麦芽を使用し、
半年以上もの時間をかけて熟成させた長期熟成のため、
フルボディで重厚感のある口当たりで、
レーズンやカラメルを思わせるような甘い香りや重厚感のあるコクが生まれ、
まろやかな味わいのバーレーワインです。
アルコール度数は9%。
ワインのように口の広いグラスでじっくり飲むのがおすすめです。
スワンレイクビール スワンレイクバーレイ
新潟県にある瓢湖屋敷の杜ブルワリーが醸造するスワンレイクビールは、
創業からわずか4年目で日本で初めて世界的なビアコンペティションで世界一となった
実力派のブルワリー。
そんなスワンレイクビールが手掛けるバーレイワインは、
約1年間熟成し、アルコール度数は8%で味わいは重厚なフルボティに仕上がっています。
フルーティーな香りに、麦芽の甘味が強く適度な苦味もあり、
非常にバランスよく調和した味わいのバーレイワインです。
いわて蔵ビール バーレーワイン
日本のビールとしてはアルコール度数が最も高い14度のビールで、
熟成期間は1年。
長期熟成させることで、ウイスキーのようなトロっとした舌触りと、
ドライフルーツのように濃厚で芳醇な味わいに、複雑さも加わり、
じっくりと香りを楽しみながら味わうビールです。
ワールド・ビア・アワードのアジア部門で3年連続金賞を受賞する実力派です。