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カリフォルニアのロマネ・コンティの異名をもつカレラ。
かつてブルゴーニュワインに魅了された一人のアメリカ人が、
アメリカで最高のピノノワールを造るという目標をかかげ造られたカレラは、
わずか10数年という期間で、世界から賞賛を受ける
世界最高峰のピノ・ノワールとしてその地位を築きました。
そこで、本日はカリフォルニアワインのカレラについてお話します。
カレラワインの歴史
オーナーであるジョシュ・ジェンセンはエール大学を卒業後、
オックスフォード大学に留学した際、そこでブルゴーニュワインに魅了され、
1969年に憧れのコート・ドールを訪れ、
ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティでスタッフ兼通訳として働き始めます。
その後、ドメーヌ・デュジャックでワイン醸造を学び、
1971年にアメリカに戻り、アメリカで最高のピノ・ノワールのワインを造ることを目標に、
ブルゴーニュのテロワールに似た土地を探し始めます。
2年の歳月を要してようやく見つけ出した土地は、
カリフォルニアのソノマ・コーストのギャラヴィン山脈にあるマウント・ハーランでした。
標高670メートルというカリフォルニアでも最も標高の高いエリアに位置したこの土地は、
豊富な石灰質の土壌で、冷涼な気候ながら日照量も豊富で、
ピノ・ノワール栽培に理想的な環境でした。
1974年当時、水も電気もない廃墟となっていた、
かつての石灰岩の砕石場の跡地に土地を購入し、そこから畑づくりがはじまりました。
1975年に3つの異なるテロワールに、
ロマネ・コンティから持ち帰ったというブドウの樹を植えました。
1970年代は、カリフォルニアではカベルネ・ソーヴィニヨンの栽培が主流で、
良質のピノ・ノワールを造るのは誰もが難しいと思っていました。
1978年、自身の畑から初めてのワインが出来上がり、
これがカレラの初ヴィンテージとなりました。
カレラのワイン醸造において特筆すべきは、
自然の重力にまかせて高いところから低いところへブドウやワインを移動させる
「グラヴィティ・フロー」という技術を用いて、
出来るだけ人の手を加えないワイン造りを早くからおこなっていました。
そのような努力が実り、1990年にはその品質の高さから、
カレラのための唯一の原産地呼称「マウント・ハーラン・AVA」に認定されました。
カレラワインの特徴
異なるテロワールからそれぞれの個性を持ったワインが造られており、
カレラのワインはセントラル・コースト・シリーズ、
マウント・ハーラン・シリーズ、単一畑シリーズの大きく3つに分類されます。
単一畑シリーズは、ミルズ、リード、ライアン、ヴィリエ、ジェンセン、セレックの6つで、
ロバート・パーカー氏に、カリフォルニアのロマネ・コンティと称された
ジェンセンは不動の人気で、最も入手困難なワインと言われています。
1975年に植樹されたブドウ樹から造られるピノ・ノワールは、
チェリーなどの赤系果実のアロマに、スミレやリコリス、
バニラなどの甘く華やかな香りがあり、
口に含むと、果実の凝縮感と洗練された酸の見事な調和が感じられ、
豊富なミネラルと絹のように滑らかなタンニンがあり、
力強さがありながらも、しなやかな優美さとエレガンスさを兼ね備えた、
素晴らしいワインです。
ロバート・パーカーも大絶賛ワイン
ロバート・パーカー氏は、2003年に「カリフォルニアのロマネ・コンティ」という
タイトルで記事を書き、その中で「カレラはニューワールドだけではなく、
地球上で最も魅力的なピノノワールのスペシャリストのひとつである。」と
カレラを絶賛しており、
ニューヨークタイムス紙が企画したブラインドテイスティングでは、
ロマネ・コンティのリシューブルなど、
ブルゴーニュの最高峰のワインを見事打ち破る快挙を成しとげました。
かつて、ブルゴーニュのワインに魅了され、
ブルゴーニュのようなワインをアメリカで造ると志して造られたカレラは、
名実ともに世界最高峰のピノ・ノワールとしてその地位を築きました。
おすすめのカレラワイン
カレラ ジェンセン
「カレラ」はスペイン語で「石灰（ライムストーン）焼き窯」と言う意味で、
3フィートの高さのある石灰焼き窯をロゴマークにしています。
漫画「ソムリエ」では「ブラインドテイスティングでロマネ・コンティと間違えられ」、
人気テレビ番組でも「100万円のロマネ・ コンティに双璧」と紹介されたことで、
カレラの中でも最も人気があり、入手困難なワインです。
オーナーのジョシュ・ジェンセン氏の父親の名前であるジェンセンという名前のついた畑は、
カレラの数ある畑の中でも特に評価が高く、カリフォルニアで最も冷涼な畑の1つです。
ここで造られるピノノワールは、果実の凝縮感と洗練された酸の見事な調和が感じられ、
豊富なミネラルと絹のように滑らかなタンニンがあり、
力強さがありながらも、しなやかな優美さとエレガンスさを兼ね備えた、
素晴らしいワインになります。
