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イタリア北部のピエモンテ州のワインといえば、
イタリアワインの王と称えられるバローロや、女王のバルバレスコなど、
高級な赤ワインの産地として知られていますが、
シーフードによく合う白ワインとして有名なのが、ガヴィ。
上質な辛口ワインで国内外でとても人気の白ワインです。
そこで、本日はガヴィについてお話します。
ガヴィの生産地
ガヴィD.O.O.Gの産地は、ピエモンテ州南部のリグーリア州との国境にあり、
リグーリアアペニン山脈のすぐ近くにあります。
実際にはリグーリア州とロンバルディア州の一部も含んでおり、
そのブドウ畑は主にアレッサンドリア県の13のコミューンの丘にあり、
ボジオ、カプリアータドルバ、カロッシオ、フランカヴィラビジオ、
ガヴィ、ノヴィリグレ、パロディリグレ、パストゥラナ、サンクリストフォロ、
セラヴァッレスクリヴィア、タサロロの11の市町村で生産されるワインに
ガヴィの名称が与えられています。
中で最も有名なのは、ガヴィ、ノヴィリグレ、セラヴァッレスクリヴィアです。
これらの地域では、かなり寒い冬、暑い夏、春と秋は穏やかで、
多少の雨量があり、ここで育つブドウは、アルコール度数はそれほど高くなく、
複雑で香り高いワインができます。
ラベルにガヴィ・ディ・ガヴィ(Gavi di Gavi)と記載されているワインは、
そのブドウがガヴィの町のブドウ畑から生産された場合にのみ表示できます。
なかでも地域の中心となるガヴィ村(コムーネ・ディ・ガヴィ)の
コルテーゼ種というブドウ品種だけで造られるワインが、
ガヴィ・デル・コムーネ・ディ・ガヴィとされています。
ガヴィの歴史
ワインの名前でもあるガヴィという地名には、とても素敵な逸話があり、
6世紀のフランク王クロドメールの娘ガヴィアが警備係の男性と恋におちます。
そして結婚の許しを得ようと父である王のクロドメールに伺いを立てたのですが、
もちろん身分の違いから許しを得ることができず、2人は長い逃避行の旅に出ます。
ちいさな村にたどり着いた2人は、そこで捕らえられてしまいますが、
最終的に、娘の切実な思いを受け止め、父親は結婚を許します。
二人には結婚お祝いに、思い出の小さな村が2人に与えられ、
王女の名前をとってガヴィと名付けられました。
ガヴィワインは中世から造られており、972年の文書でその記録が残っています。
何世紀もの間、ジェノバの高貴な家族がこの地域を所有しワインを生産してきました。
コルテーゼ種のブドウはピエモンテのこの地域で長く栽培されており、
18世紀にはピエモンテで知られていた品種ですが、
その起源ははっきりと解明されてはいません。
はるか昔は、甘口のワインを造っていたそうです。
19世紀末に猛威をふるったフィロキセラによってブドウ畑が荒廃しましたが、
コルテーゼ種は接ぎ木をおこない、ブドウ畑再興のため広く植えられました。
この地域の生産者の努力によって、
ガヴィはイタリアで最初に国際的な評価を得た白ワインとなり、
1974年からDOC認定を受け、1998年にDOCGに昇格しました。
ガヴィのテロワールとブドウ品種
ガヴィの地域には白と赤の2種類の土壌があり、
白い土壌は砂と石灰質の泥炭で、赤い土壌は鉄と砂利に富む石灰質の粘土です。
冬は寒く、夏は暑いピエモンテの厳しい気候と石灰質土壌が、
非常にエレガントな白ワインを生み出します。
このガヴィを造るブドウ品種コルテーゼ種は、
アルコール度数はそれほど高くなく、複雑で香り高いワインができます。
グレープフルーツやパッションフルーツなどのさわやかな柑橘のアロマに、
白い花、青リンゴを思わせる繊細でフルーティーなアロマがあり、
あとからアーモンドのような香ばしいニュアンスも感じられます。
口に含むとフレッシュで繊細な酸が印象的で、
しっかりとしたミネラルもあり、シャープな味わいがシーフード料理によく合います。
一般的には、早飲みタイプの白ワインが多く造られていますが、
近年、ワイナリーによっては長期の熟成タイプの白ワインも造られています。
おすすめのガヴィワイン
ピエモンテ DOC コルテーゼ ウンベルト・フィオーレ
マンフレディ家のワイン造りの歴史は、
1930年、初代のジュゼッぺは、美しいランゲの丘の周囲にあるブドウ畑と
醸造所を購入し、ワイン造りを始めました。
1980年代になると、イタリア国外への販路も広がり、
ヨーロッパをはじめ、アメリカやアジア各国まで流通するようになりました。
「ブドウ畑をより良い状態で後世に受け渡すこと」という哲学のもと、
薬品などを使わず、太陽光発電に切り替え、
自然の法則に合わせた畑仕事を頑なに守り続けています。
そんなマンフレディ家が手掛けるコルテーゼ100パーセントのこのワインは、
緑がかった、明るい麦わら色の色調で、
とても生き生きとしてフレッシュなレモンやライム、
グリーンアップルを思わせるアロマに、ハーブやドライフラワーの香が混じります。
生き生きとフレッシュな酸味・甘味のバランスがあり、
滑らかなミネラル感の喉越しも魅力です。
魚介料理全般、野菜料理などと相性が非常によく、
また、ピザやパスタといった、食事とあわせて飲むのに最適な1本です。
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