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ピノ・ムニエは、シャンパーニュ地方では、
ピノ・ノワール、シャルドネにつぐ大事な品種で、
この3つのブドウ品種のブレンド比率により、
さまざまな味わいのシャンパンが造られています。
そこで、本日はピノ・ムニエについてお話します。
ピノ・ムニエの主な産地
ピノ・ムニエは、フランスのシャンパーニュ地方で主に栽培されている黒ブドウ品種で、
シャンパーニュ全体の栽培量の約30%を占めており、
栽培のしやすさからかつてはシャンパーニュ全体の40%を占めていたこともありました。
ピノ・ノワールとシャルドネとともに、
シャンパンを造る上で認められているブドウ品種の1つです。
以前まではピノ・ノワールの変異種とされていましたが、
DNA検査の結果、系統の違う品種であることが分かり、
最近ではピノ・ムニエではなく、単に「ムニエ」と言う表記に替わってきています。
葉の裏側が粉をまぶしたように見えることから、
フランス語で粉屋を意味する「ムニエ(Meunier)」という名前がつきました。
果皮の色調は明るく、酸が強い方ですが、
ピノ・ノワールと同等の糖度とアルコール度数を確保できる品種で、
霜害に強い耐寒品種であるため、シャンパーニュ地方の気候に適しており、
ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区のマルヌ川沿岸地域で多く栽培されています。
また、発芽が遅くて熟成も早いことから収量も多く、
シャンパンの安定的な供給をする上で欠かせない品種です。
ドイツではシュヴァルツリースリングという名前で栽培されており、
ドイツで栽培される黒ブドウ品種としては5番目(2011年統計)に多く栽培されている品種です。
オーストラリアでは、ヴィクトリア州でスパークリングワイン以外にも、
スティルワインも造られており、
ピノ・ノワールよりもピノ・ムニエの方が栽培の歴史が長く、
造られるワインは、イチゴなどのベリーのアロマに、
カカオやキノコなどの熟成香が感じられる味わいです。
熟成が不向きとされる品種ですが、
オーストラリアでは長期熟成タイプの赤ワインも造られています。
ピノ・ムニエから造られるワイン
ピノ・ムニエは、ピノ・ノワールとともにブラン・ド・ノワールに使われており、
イチゴやサクランボなどの赤系果実のアロマに、カカオやキノコ、
腐葉土など熟成のニュアンスが感じられる複雑なアロマもあり、
コクのある余韻が長いシャンパンを生み出します。
ピノ・ムニエ100%のシャンパンも造られていますが、
ピノ・ノワールやシャルドネを主体としたシャンパンとは異なり、
熟成には不向きで、どちらかといえば、柔らかくフルーティな味わいを
若いうちに楽しむのに適しているシャンパンです。
また、ピノ・ムニエから造られるスティルワインは、シャンパンと同じく、
ピノ・ノワールとブレンドされ、フルーティーな味わいの赤ワインが造られています。
比較的若いうちからキノコや枯葉といったアロマがあり、
熟成のニュアンスが感じられるワインになります。
ワインに合う料理
タンニンも穏やかで柔らかくフルーティな味わいのピノ・ムニエは、
若いうちに楽しむのに適しているシャンパンが多いので、
比較的どんなお料理にも合わせやすく、食事に合わせながら気軽に飲めます。
とくに合うお料理は、ハーブをきかせたチキンのグリルやサーモンのクリーム煮、
また、キノコなどの熟成香をつよく感じられるピノ・ムニエなら、キノコ料理との相性も抜群です。
おすすめのピノ・ムニエのワイン
コンテス・ド・グラモン シャンパーニュ・ブリュット
コンテス・ド・グラモンは、モンターニュドランスの中心に1985年に設立された
長い歴史を持つシャンパンメゾンです。
約20のクリュのブドウを使い造られるシャンパンは、
リザーヴワインを約25%ブレンドして製造します。
熟成期間は、18ヶ月から24ヶ月間、澱とともに瓶内熟成させます。
ドサージュ量はおよそ10g/Lです。
ピノ・ムニエ50%、ピノ・ノワール45%、シャルドネ5%のブレンド比率のこのシャンパンは、
金色のニュアンスを含むペールイエローの外観に、
美しく生き生きとした白い花のアロマが広がります。
味わいは3種類のブドウが素晴らしいハーモニーを奏で、
ピノ・ムニエはまろやかさとフルーティーさを、
ピノ・ノワールは力強さと豊かなボディを、
シャルドネは繊細さと気品をもたらします。
熟れたフルーツのアロマと非常に丸みのあるバランスのとれた味わいの1本です。
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