なぜワイン栓にコルクが使われるの?コルクの種類はどのくらい?

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なぜワイン栓にコルクが使われるの?コルクの種類はどのくらい?

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ワインに欠かせないコルク

コルクを抜く瞬間のポンという音は、
ワイン好きの方ならたまらない音ですよね。
良いワインには、良いコルクが使われています。
最近は、ニューワールドを中心にスクリューキャップが増えてきましたが、
それでもまだ世界のワインの8割以上はコルク栓が使われており、
ワインにとって欠かすことのできない大切な要素の1つ。
そこで、本日はコルクについてお話します。

コルクとは

コルクの歴史はなんと2000年(諸説あり4000年という説も)と言われており、
当時アンフォラというワイン用の壺の口をふさぐために用いられていました。
1700年代に入ってから、ワインの容器がアンフォラからガラス瓶になり
コルクで栓をするようになってから、
長期熟成のワインができるようになりました。

コルクの原料

コルクはブナ科の「コルク樫」という樫の木の厚い樹皮から作られており、
この樫の木は地中海から大西洋にかけて生息し、
南フランス、イタリア、スペイン、北アフリカなどが有名で、
もっとも生産量が高いのは、ポルトガルで全世界生産量の70%を生産しています。
コルク樫の寿命は平均150年ほどと言われており、
樹皮のみを剥がすことで、9~10年ほどで新たな樹皮が形成され再生されます。
樫の木の樹皮は丈夫で軽く弾力性があり、断熱効果が高いので、
ワインを保存させるのにぴったりの素材でした。

コルクの種類

コルクには種類があり、天然コルク、圧縮(圧搾)コルク、
一部圧縮(圧搾)コルク、樹脂製(プラスチック)コルク、
スパークリングワイン用コルクと大きく分けて5つあります。

天然コルクは、コルク樫の樹皮を自然乾燥させ、洗浄した後、
切断したものを横から円筒形にそのまま型抜きして作られます。
最良のコルクは、分厚い樹皮で気密性が高く、
断面部に傷がないミロワールと呼ばれる樹皮から打ち抜いて作られるもので、
最も強度があり価格も1個3ユーロの高値がつくものもあります。
こうしたコルクは半世紀以上寝かせることができる高品質なワインに用いられます。

圧縮(圧搾)コルクは、天然コルクを打ち抜いた後に残るコルクの部分を
粒状に細かくして圧縮し、固めて作られるコルクです。
耐久性と強度に関しては天然コルクより劣りますが、
コルク樹皮の品質に左右されないため、品質は安定しています。
早飲みタイプのカジュアルワインに使用されることが多いです。

一部圧縮(圧搾)コルクは、真ん中に圧縮したコルクを使い、
強度が必要な端に天然コルクを使用したもので、
端に天然コルクを使用しているので、見た目に高級感と耐久性があり、
真ん中に圧縮コルクを使用している分、安価でいいとこどりのコルクと言えます。

樹脂製(プラスチック)コルクは、シリコンなどを原料とするプラスチックから
作られた合成コルクで密閉性が高いため、開け方に少しコツが必要で、
力を必要とするT字型オープナーでは抜栓がなかなか難しいです。
また、密度が高いことから、長期熟成型のワインには向かず、
安価なカジュアルワインに使用されています。

スパークリングワイン用コルクは、瓶内にガスを含んでいるため、
密度が高く重めのコルクを使用しています。
スパークリングワインでイメージする、あのキノコ型のコルクは、
もともとがあの形ではなく、もとは円筒型のコルクで、
ボトルの口をしっかりとふさぐためにボトルの口よりも大きなコルクを差し込む際に、
コルクがくびれて、あのような形状になります。
また、通常はガス圧でコルクが飛ばないようワイヤーとセットで固定されます。

ワインのキャップにコルクが使われている理由

ワインの栓にコルクが使われる理由は、前述のとおり
コルクは軽く弾力性があり、気密性と断熱効果が高いので、
ワインを保存するのに適した性質を持っています。
また、ワインは酸を多く含むため、コルクのように酸に強い性質を持っているのも
大きな利点と言えます。
余談ですが、ワインによってコルクの長さが違うというのはご存知ですか?
コルクの長さは約3~6センチとワインにより異なり、
この長さはワインの価格によって決まります。
たとえば、高級ワインの場合には、
コルクの長さが6センチ程度のものが多く使われています。
なぜなら、コルクが長ければ長いほど、ワインボトルを密閉できるため、
高級ワインは、長い時間瓶で寝かして熟成させる長期熟成型のワインが多いため、
長いコルクが使われていることが多いのです。
また、コルクの中には刻印が入ったものもあります。
これは、ワインが本物である証であり、
高級なワインほど刻印を入れているものが多いです。

ブショネとその対策

前述の通りワインに栓をするのに、コルクはさまざまな利点がありますが、
1点だけどうしても避けらないのが、ブショネです。
フランス語で「ブショネ」とは=コルク臭の意味で、
コルク臭の表現としては、水で濡らした段ボールとか、
塩素、濡れた雑巾の臭いなどといいますが、
これはコルクの原料であるコルク樫に元々存在していたか、
成形の過程で発生した化合物TCA(トリクロロアニゾール)が原因となり、
不快な臭いを発するものです。
コルクに変わる代替栓として、樹脂製(プラスチック)コルクや、
スクリューキャップが開発され、近年ではスクリューキャップのシェア率が拡大し、
ニュージーランドワインのじつに99%がスクリューキャップになりました。
しかし、まだ世界的にはスクリューキャップワインは15%ほど。
大半がコルクで栓がされており、どうしても一定量のブショネは避けきれません。
そこで、コルクの製造会社もブショネの原因である
TCAを感知できないスーパーコルクが次々と開発しています。
ポルトガルのコルク最大手のアモリム社が2016年に発表した「NDテック」は、
TCAリスクゼロを保証した世界初の天然コルクで、
2020年までにすべての商品をTCAフリーにすると宣言しました。

コルクの種類

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