近年栽培量が増加しているブドウ品種タナと造られるワインの特徴

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近年栽培量が増加しているブドウ品種タナと造られるワインの特徴

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タナから造られるワインの特徴

以前、このソムリエ手帳でウルグアイワインをご紹介した際に、
お話したことがあるブドウ品種のタナ。
フランスの南西地方で広く栽培されていたタナがウルグアイに渡り、
現在では世界各国で栽培されるブドウ品種となりました。
本日は、そんなタナについてお話します。

タナの特徴

タナは、フランスの南西地方が起源の固有品種で、
ピレネー山脈に近いフランスのバスク・ピレネーでおもに栽培されています。
名前の語源ともなったタンニンが豊富なことで知られ、
ポリフェノールの含有量は他の赤ワインと比べ約2倍~4倍あり、
非常に深い渋みのある味わいです。
この品種は乾燥には弱いですが、適度な水分量のある水はけのよい土壌で、
豊富な日照があれば丈夫なため収量も多く比較的栽培しやすいブドウです。
タナから造られるワインは、タンニンが豊富なこともあり、
バランスをとるため、カベルネソーヴィニヨンや、カベルネフランと
ブレンドした赤ワインも多く造られています。

主な栽培地域

古くからフランス南西地方のガスコーニュ州にあるマディランAOCでおもに栽培されており、
19世紀に入って、バスクの入植者によってウルグアイにタナが持ち込まれ栽培されるようになりました。
ウルグアイは、チリやアルゼンチンと同じ緯度に属し、
大西洋からの影響を受けた穏やかな気候で、タナの栽培にとても適しており、
現在、ウルグアイが世界最大の生産国となっています。
ウルグアイで造られるタナは、ウルグアイのタナという意味の「ウルタナ」
という名称で呼ばれ、その栽培面積は年々増加しています。
ウルグアイからタナは、アルゼンチンに渡り、
現在、オーストラリア、ブラジル、イタリア、ペルー、カリフォルニアで栽培されています。

タナから造られるワインの味わいや香り

フランスのタナは、濃い色調で、ラズベリーのアロマに、
しっかりとしたタンニンが感じられ、熟成を経ると、スパイスやコーヒー、
ココア、バニラのニュアンスが出てきます。
かつては、色調が濃すぎることや、しばしばアルコール度数が高くなりすぎ、
渋みが強すぎて、熟成しても深みがでないことから、
高い評価を得られるワインを造ることが困難なブドウ品種でしたが、
醸造技術が高まり、しっかりとした骨格をもちながらも渋みが強くなりすぎず、
フルーティーな味わいのワインを造ることができるようになり、
タナから造られるワインは、20年以上の熟成を経る熟成型のワインも造られるようになり、
評価も高まっていきました。
マディランで造られるほとんどのワインは100%タナですが、
タナが60〜70%に、カベルネソーヴィニヨン、カベルネフラン、フェルと
ブレンドしたワインも造られています。
ウルグアイで造られるタナは、フランスに比べ、
ブラックベリーやプラムなどの黒系果実のアロマが強く感じられ、
ミネラルと、スパイスのニュアンスがあり、よりフルーティーで柔らかく、
上品なワインに仕上がります。

タナワインの相性の良い料理

タナと相性が良い料理はなんと言っても肉料理です。
ウルグアイは、国民1人当たりの年間牛肉消費量が約60kgと、
世界トップクラスで、そんな肉好きなウルグアイの人にとって欠かせないペアリングが、
タンニン豊富なタナです。
肉の脂をしっかりとしたタンニンがスッキリとさせてくれるため、
お肉料理を食べる際には、よく一緒に飲まれます。
その他に、グリルしたマッシュルームなどのキノコ料理とも相性がいいです。

タナと相性のよい料理

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