日本で3番目に生産量が多い北海道で造られるワインの特徴

日本で3番目に生産量が多い北海道で造られるワインの特徴
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日本で3番目に生産量が多い北海道で造られるワインの特徴

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北海道ワインの特徴

日本ワインの最も有名な産地といえば山梨県ですが、
北海道は広大な敷地を生かし、生産量は年々増加傾向にあり、
また湿度が低く冷涼な気候でヨーロッパの冷涼な産地と同じように、
耐寒性のあるブドウ品種の栽培に力をいれ、年々品質が高まっています。
そこで、本日は北海道のワインについてお話します。

北海道ワインの特徴

北海道の広さは、中欧のワイン産地で有名なオーストリア一国と同じくらいの広大な面積を誇り、
ワイナリーの数は多くはありませんが、1軒1軒のブドウ畑はとても広大で、
ブドウの収穫量は日本でトップクラスです。
北海道の緯度は、北緯42度から最北の稚内市で45度と、
フランス北東部のシャンパーニュ地方やアルザス地方の北緯49度と比べると、
やや南に位置していますが、ほぼ全域が亜寒帯気候であり、年間を通じて気温が低く、
夏でも30℃を超える日は数日で、25℃以上の熱帯夜はほとんどありません。
夏場でも朝・夕は冷え込むこともあり、真冬は日中でも氷点下の日が多い冷涼な気候です。
また、北海道は台風の影響や梅雨がないため、高温多湿な日本の夏とは違い、
湿度が低く、夏の降雨量も少ないため、冬の積雪対策だけをしっかりすれば、
比較的ブドウを育てやすい地域でもあります。
1日の気温差も大きいため、糖度と酸のバランスが良く香りの高いブドウが育ちます。
そんな北海道でブドウが栽培されはじめたのが1875年で、
この時点ではワイン用ではなく、生食用のブドウの苗木が植えられたのがはじまりでした。
翌年に札幌で北海道初となるワイナリー開拓使葡萄酒醸造所が設立され、
ヤマブドウからワインが造られました。しかしながら当時、ワインが北海道では浸透せず、
1913年に廃業しました。
それから半世紀ほど北海道のワイン造りは中断しますが、
1960年に池田町の町長が町おこしの一環としてワイン造りを提唱したことで、
再び北海道でのワイン造りがスタートし、1970年代に入るとドイツからブドウの苗木が寄贈され、
1979年からドイツやオーストリア、ハンガリーなどのヨーロッパの冷涼な産地で広く栽培される
ミュラー・トゥルガウというスイス原産の白ブドウの収穫に成功したことで、
ヨーロッパ系のブドウ品種の栽培が活発になっていきました。
現在、北海道で栽培されるブドウは、白ワイン用ブドウが65%、赤ワイン用ブドウが35%ほどで、
おもなブドウ品種が、白ワイン用がケルナー、ミュラー・トゥルガウ、バッフスなどのドイツ系品種が盛んで、
その他、シャルドネやソーヴィニヨン・ブランの栽培面積も増加してきています。
ケルナーは、マイナス10度の寒さにも耐えることが出来る耐寒性から、
ミュラー・トゥルガウやセイベルに次いで北海道に導入され、
現在はアロマティック系白ブドウの代表格として、
辛口、中甘口、極甘口、スパークリングワインと様々なスタイルのワインが造られています。
ケルナーから造られるワインは、マスカットのようなアロマティックな香りがやさしく感じられ、
白桃やよく熟れた洋ナシのフルーツ・フレーバーと、
ハーブや柑橘系のニュアンスを感じることもあります。
酸味は穏やかで、親しみやすく優しい印象で豊かな果実味を楽しめる味わいです。

赤ワイン用のブドウ品種は、キャンベル・アーリーが最も多く、
ツヴァイゲルトやピノ・ノワールの栽培も盛んです。
キャンベル・アーリーからは、ストロベリーキャンディーのような甘い香りのある、
フレッシュな酸が感じられるワインが造られています。
味わいは甘口、辛口両方のタイプがあり、ロゼワインも造られており、
全体的に早飲みタイプの軽快なワインが多いです。
近年、世界から注目を集めているのが、ピノ・ノワールから造られる余市町のワインで、
余市町のピノ・ノワールの栽培量は急激に増加し、
日本のピノ・ノワールの生産量の半分以上を占めています。

北海道ワインの産地

北海道ワインのおもな産地は、十勝地方と余市町で、
1960年代に町おこしの一環で再スタートした北海道ワインが現在の十勝ワインです。
大きな平野で畑作が盛んな十勝平野は、山に囲まれ、南部は太平洋に面していることから、
北海道の中では雪が少なく、ツヴァイゲルトやケルナー、
ドイツ系のブドウ交配品種が盛んに栽培されています。

現在、北海道ワインの中でブドウ栽培が非常に盛んなのが余市町です。
気候は暖流の影響もあり比較的温暖で、ブドウ畑は丘陵地帯の斜面に広がっているため、
日照時間も長く、ブドウの成長に適した環境をもっています。
1990年代からヨーロッパ系のブドウ品種の栽培が始まり、
主な栽培品種はケルナー、ツヴァイゲルト、ミュラー・トゥルガウなどのドイツ系品種、
そして近年はピノ・ノワールの栽培面積が急増しています。
そして、2010年に、曽我貴彦氏によって余市町登地区に設立されたワイナリーで造られた
ピノ・ノワールが高品質と話題になり、「世界のベストレストラン50」で
4度も世界一に輝いたデンマークのノルディック・レストラン「noma」のワインリストに
初めて日本のワインがオンリストされました。

代表的な北海道のワイン

洞爺湖農産 月浦ワイン ミュラー・トゥルガウ
北海道月浦を舞台にした映画「しあわせのパン」で登場!
大泉洋と原田知世が演ずるパンカフェ「マーニ」で使われたワイン。
洞爺湖畔月浦の自社農園産ミュラー・トゥルガウ100%使用。
選果を徹底し低圧搾にて得られた高品質な果汁を低温にて
ゆっくりと醗酵させた上品な果実味溢れる香り。

洞爺湖農産 月浦ワイン ミュラー・トゥルガウ

 

北海道ケルナー
北海道産ブドウで生粋の国産ワインを造り続ける日本最大のワイナリーが手掛ける、
ケルナーを使用したフルーティーな白ワイン。
日本ワインコンクールにおいて金賞、コストパフォーマンス賞を受賞した実力派。
軽快かつ適度なボリューム感を備えた味わいは、
カルパッチョなど魚介類との相性抜群です。

北海道ケルナー

北海道ワインと合う料理

食の宝庫ともいえる北海道で造られるワインに合わせる料理は、
やはり北海道の名産品ともいえる魚介類がおすすめです。
特にフレッシュな酸で香り高いフルーティーなアロマがあるケルナーに合わせるなら、
ホタテやカニやイカなど素材の味を生かしたシンプルな調理法で調理されたシーフードがぴったりです。
また、酪農も盛んな北海道では、チーズやバターといった乳製品もおいしいものがたくさんありますので、
白カビチーズやたっぷりのバターを乗せた蒸したジャガイモには、ミュラー・トゥルガウが合います。
また、きれいな酸にほんのりスパイシーさが感じられるピノ・ノワールには、
北海道の名物であるジンギスカンがよく合います。

北海道ワインに合う料理

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