フランスのコルシカ島で造られるワインの特徴とは

フランスのコルシカ島で造られるワインの特徴とは
ワクワクが止まらない!GWを楽しみ尽くすワインが続々登場!

フランスのコルシカ島で造られるワインの特徴とは

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

コルシカ島のワインの特徴とは

のちのフランス皇帝となるナポレオンの生地としても有名なコルシカ島。
切り立った岩山に、むき出しの断崖が多くみられる起伏に富んだ地形のコルシカ島は、
手つかずの自然が残っているフランスの秘境と称される地中海の島です。
そこで、本日はフランスコルシカ島のワインについてお話します。

コルシカ島について

地中海で4番目に大きい島で、地理的にはイタリアのサルディーニャ島のすぐ上に位置し、
イタリア文化の影響が色濃いですが、フランス領となっており、公用語もフランス語です。
その地理的な条件から、古くからイタリアやフランスといった沿岸諸国の交易の中継地となり、
紀元前3世紀にはローマ帝国の支配下に置かれ、いくつかの都市が建設されましたが、
次第にローマ帝国の勢力が弱まると、現在のイタリアのトスカーナ州の有名都市であるピサの、
ピサ共和国が統治するようになり13世紀まで安定した時代が続きました。
13世紀末、ジェノヴァ共和国がピサの艦隊を破ったことで、
コルシカはジェノヴァ共和国の支配下に置かれました。
その頃、ジェノヴァ共和国の抑圧に対してコルシカ島の住民の反乱がたびたび起こるようになり、
その反乱は、やがて独立戦争へと発展していきます。
1755年には、亡命先から帰ったパスカル・パオリによって、
独自の憲法草案が作成され、コルシカ共和国の誕生が宣言されました。
しかしながら、ジェノヴァ共和国がフランスとの間にヴェルサイユ条約を結び、
コルシカ島の領有権を譲渡したことで、1769年、ポンテ・ヌオヴォの戦いでコルシカ共和国は敗れ、
コルシカはフランスの領土となりました。
こういった歴史的背景から、コルシカ島はイタリアではコルシカと呼ばれ、
フランスではコルスと呼ばれています。
また、公用語はフランス語ですが、日常的にはトスカーナの方言に近いとされるコルシカ語も使用されており、
ワインにもその独自性が反映されています。

コルシカ島のテロワール

切り立った岩山に、むき出しの断崖が多くみられる起伏に富んだ地形で、
2000m後半級の山々が連なる険しい山岳地帯の島です。
気候は、平均気温は23.3度とフランス本土よりも暖かく乾燥していますが、
冬には雪が積もるほど寒くなります。
ブドウ畑のほとんどは海岸沿いにあり、いくつかの異なる土壌で構成されています。
コルス岬半島からなる北部は、主に片岩土壌で、コルス岬のすぐ南のパトリモニオ地方は、
石灰岩が豊富なチョークと粘土質の土壌があります。
西海岸に沿って、高濃度の花崗岩を含んだ土壌があり、
標高差による気候の変化だけでなく多様な地質の土壌により、
場所によってコルシカ島のテロワールは様々に変化します。

コルシカ島には、世界的に評価を高めているアペラシオンもいくつかあり、
その中でも個性のある5つの地域が地名を付記できます。
有名なAOCには、パトリモニオとアジャクシオがあり、
島の西部にあるアジャクシオ近辺では、コルシカ島の固有品種であるシャカレッロという黒ブドウから、
フローラルなアロマにふっくらとした滑らかで上品な味わいの赤ワイン
AOCアジャクシオが生産されています。
島の北東部に位置するAOCパトリモニオは、コルシカ島ではニエルキオと呼ばれる
サンジョヴェーゼを主体とした赤ワインが造られており、
その味わいは、しっかりとした飲み応えに野性味も感じるパワフルなタイプで、
長期熟成にも耐えられ、コルシカ島でも最高品質のワインです。
その他パトリモニオの産地で造られるAOCミュスカ・デュ・カップ・コルスは、
ミュスカを使った甘口の白ワインがあり、
広域で認定されるAOCヴァン・ド・コルスは赤・白・ロゼと多様なワインを生産しています。

コルシカ島で造られるブドウ品種

白ブドウは、イタリアで栽培されているヴェルメンティーノがおもに栽培されています。
ヴェルメンティーノから造られるワインは、レモンやライムのような柑橘のアロマに、
パイナップルなどのトロピカルなアロマ、白い花のフローラルなアロマもあり、
フレッシュな酸味と豊かな果実味を合わせもつ、バランスの良い白ワインです。
デイリーワインとして気軽に飲めるものから、
しっかりとした果実味のボリューム感とミネラル感のある高級なものまであり、
近年非常に品質が向上しています。
黒ブドウはシャカレッロとニエルキオ
シャカレッロはコルシカ島原産と言われている品種で、
黒コショウやフローラルなアロマがあるスパイシーな味わいの赤とロゼが造られています。
ニエルッキオは、イタリアのサンジョヴェーゼと同じ品種で、
ジェノヴァ共和国の時代に、イタリアから持ち込まれ土着化しました。
厚みがありしっかりとした構造から、長期熟成にも耐えられる高品質なワインが造られています。

コルシカ島のワイン

ワインコラムカテゴリの最新記事

特集一覧