イタリアのカンパーニア州で造られるワインの特徴とは

イタリアのカンパーニア州で造られるワインの特徴とは
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イタリアのカンパーニア州で造られるワインの特徴とは

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カンパーニア州のワイン

ナポリ、アマルフィ海岸、ポンペイ遺跡など、風光明媚な観光地として人気のカンパーニア州。
古くから南イタリアの中心都市として栄えてきた歴史を持ち、
ワイン造りの歴史も古くローマ時代には高品質で高価格なワインを造る産地でした。
そこで、本日はイタリア・カンパーニア州のワインについてお話します。

カンパーニア州のワイン造りの歴史

数千年前、ギリシャの入植民によってもたらされたブドウによって
カンパーニア州でのワイン造りがスタートしました。
豊富な日照量と乾燥した気候に加えて、潮風と山から吹く冷涼な風のおかげで、
暑い夏の気温もちょうどよく緩和され、ブドウ栽培において完璧と言える気候の恩恵を受けて、
偉大なワイン産地として早くから名声を気づき、
ローマ時代には、現在のトップボルドーに少し似た、高品質で高価格なワインを産出していました。
しかしながら、ローマ帝国の崩壊とともにカンパーニアのワインも衰退し、
その恵まれた気候条件にあぐらをかき、品質を高める努力をせず、
品質は低下の一途をたどっていきました。
そんなカンパーニアのワインの品質が著しく高まってきたのが1990年代からです。
カンパーニアには、現在4つのD.O.C.G.があり、
その1つであり「南のバローロ」と称されるタウラージが1993年、
南イタリアで初めてD.O.C.G.に認められました。
イタリア・カンパニア州のアヴェリーノ県にあるタウラージ村は、
ナポリから東におよそ50kmに位置しており、アペニン山脈の間にブドウ畑があります。
ここで造られるアリアニコは、1970年に最初にDOCを取得しました。
もともと、ブドウ栽培に適した環境ということもあり、
品質よりも量を生産する事が重視され、長くバルクワインの生産に力を入れていましたが、
そんなタウラージを一躍イタリアを代表するワインにした立役者が、
1720年に設立されたマストロベラルディーノ社の
9代目当主のアントニオ・マストロベラルディーノ氏でした。
伝統的な品種で伝統的な栽培方法を重んじていたマストロベラルディーノ氏によって、
地元の生産者に固有品種であるアリアニコの栽培が推奨され、
人望が厚かったマストロベラルディーノ氏に賛同し、
多くの地元生産者がアリアニコの栽培を継承していきました。
そして、マストロベラルディーノ氏によって南イタリアで初めて世界に輸出され、
以来、国際的にも高い知名度を誇るワインとなっていきました。
アメリカのワイン雑誌では、「イタリアを代表する10本のワイン」にも選ばれました。

カンパーニア州について

よくイタリア半島全体をブーツに例えますが、カンパーニア州はブーツでいうところの足首の部分に位置し、
北にモリーゼ州、北西にラツィオ州、北東にプッリャ州、南東にバジリカータ州に面し、
西側はすべてティレニア海に面しています。
カンパーニア州は、カゼルタ県、ベネヴェント県、ナポリ県、アヴェッリーノ県、
サレルノ県の5県からなり、州都のナポリは州中部の沿岸部にあります。
リゾート地として人気のアマルフィ海岸沿岸のソレント、ポジターノ、ラヴェッロ、
古代ローマ皇帝アウグスティヌス帝やティベリウス帝も愛したカプリ島、
ヴェスヴィオ山の噴火によって埋まったローマ時代の街がそのまま保存されたポンペイなど、
歴史的、文化的遺産も多く風光明媚な観光地としても人気です。
また、州都のナポリは、古代ギリシャ人がこの地に来て以来、
幾度となく統治者が変わりましたが、古くから南イタリアの中心都市として栄え、
各時代の遺産を多く残しています。

カンパーニア州のテロワール

地中海性の温暖な気候とヴェスヴィオ山の豊かな火山性土壌に恵まれた
カンパーニアのテロワールは非常に多様であるため、古くからワイン産地として栄えていました。
内陸のアヴェッリーノ県にあるイルピニア地方では3つのD.O.C.G.があり、
タウラージ、グレーコ・ディ・トゥーフォ、フィァーノ・ディ・アヴェッリーノが造られており、
いずれも南イタリアを代表する高品質なワインとして人気を集めています。

カンパーニア州で造られるブドウ品種

カンパーニア州は、固有品種である黒ブドウのアリアニコがもっともポピュラーな品種で、
カンパーニア州全体で栽培されています。
アリアニコはカンパーニア州のテロワールにピッタリの品種で、
アヴェッリーノ県で造られるタウラージ、カゼルタ県で造られるファレルノデルマッシコ
ベネヴェント県のアリアニコデルタブルノが有名です。
そのほか、バルベーラ、グレコネロ、サンジョヴェーゼなどの黒ブドウ品種が栽培されています。
また、白ブドウはフィアーノ、グレコ、ファランギーナが主に栽培されており、
ファランギーナは、イタリアで最も古いブドウ品種の1つであり、
古代ローマ時代からカンパーニア州で栽培されてきました。
アヴェッリーノ県で造られるフィアーノ・ディ・アヴェッリーノと、
グレーコ・ディ・トゥーフォが有名で、
沿岸地域のワインは、さわやかで軽やかなワインが造られ、
内陸の方では優れたストラクチャーと熟成の可能性を秘めた白ワインが造られています。

カンパーニア州で造られるワインの特徴

カンパーニア州を代表するタウラージのワインは、プラム、ブラックチェリーなどの黒系果実に、
スミレ、チョコレート、スパイスなどの複雑なニュアンスが加わり、
たばこや、挽きたてのコーヒーといったスモーキーさも感じられます。
タンニンと酸が豊富で、高いアルコール度数のものが多く、
しっかりとした骨格のパワフルな味わいです。
法定熟成期間が3年とバローロ並の熟成を経て、ようやくリリースされる熟成型のワインのため、
「南のバローロ」と称され、上質なものなら20年以上の熟成にも耐えうるワインになります。

タウラージのワイン

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