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州の70%が緑豊かな自然で、山の幸が豊富で
黒トリュフの一大産地としても有名なウンブリア州。
ウンブリア固有の品種から個性豊かなワインが造られています。
そこで、本日はウンブリア州で造られるワインについてお話します。
ウンブリア州について
ウンブリア州はイタリア半島のほぼ中央に位置し、
イタリアの中では唯一海と国境に接していない州です。
周りはマルケ州、トスカーナ州、ラッツィオ州に囲まれ、
州の70%が緑豊かななだらかな丘となっており、
多くの川と大きい湖もあり水源にも恵まれた豊かな自然環境です。
2000年以上前にエトルリア人によって造られた城壁や門などが残っており、
歴史的な町並みを見ることができます。
ウンブリア州で主に栽培されているブドウ品種
ウンブリア州では、黒ブドウ品種であるサンジョヴェーゼがもっとも多く栽培されており、
サンジョヴェーゼを主体とした柔らかなタンニンの深みのある味わいの赤ワインが造られています。
また、マルケ州やラツィオ州のような白ワインを造る産地としても有名で、
ウンブリア州で最古のワイン産地として知られているオルヴィエートは、
現在もウンブリア州で生産するブドウの約80%を栽培している一大産地でもあり、
ここではサンジョヴェーゼのほかに、グレケットとプロカニコという白ブドウ品種がおもに栽培されています。
グレケットはレモンなどの柑橘のアロマに白い花のフローラルなアロマがあり、
しっかりとした酸が感じれブレンド用としてよく用いられます。
プロカニコはトレッビアーノ・トスカーノとも呼ばれ、
亜種の多いトレッビアーノの一種でプロカニコから造られるワインは、
フルーティーでありながらドライな白ワインになります。
ウンブリア州の代表的なワイン
DOCGトルジャーノ・ロッソ・リゼルヴァ
サンジョヴェーゼを50~70%使用し、残り15~30%をカナイオーロ、
10%までならトレビアーノ・トスカーノやチリエジョーロなどが使用できます。
トルジャーノ・ロッソ・リゼルヴァのブドウは、平地のブドウ畑ではなく、
高地にあるブドウ畑からのみ収穫され、少なくとも3年、ボトルで最低6ヶ月熟成します。
イタリアの顔とも言えるキャンティの最高峰であるグランセレツィオーネととても似たブレンドですが、
キャンティよりもタンニンが柔らかく、ふくよかで深みのある味わいで、
エレガントなラズベリー、ストロベリー赤い果実に、フローラルな花のアロマがあり、
ピリッとした酸味のあるコーヒーやココアパウダーのニュアンスが加わり、
ヴィンテージから約10年以上経ってからはじめて楽しめる長期熟成のポテンシャルを持ったワインです。
DOCGモンテファルコ・サグランティーノ
丘の中腹にある小さな村モンテファルコ周辺で栽培されているサグランティーノと呼ばれる、
赤ワインの中で最も多くのポリフェノールを含んでいると言われる黒ブドウから造られます。
サグランティーノから造られるワインを、カベルネソーヴィニヨン、ネッビオーロ、
そしてタンニンが豊富なタナから造られるワインと比較したところ、
どのワインよりもタンニンが多いことがわかりました。
サグランティーノのワインは、プラム、ブラックベリー、ココア、スミレなどのアロマに、
バニラ、セージのアロマが加わり、黒系果実のしっかりとした果実味に、ミネラルと、
そして非常に高いタンニンが感じられます。
豊富なタンニンからサグランティーノワインは、30年以上熟成することができます。
DOCオルヴィエート
ウンブリア州で最も古いワインと言われる白ワインで、
トレッビアーノの一種であるプロカニコと、ギリシャ起源の白ブドウ品種のグレケットから造られています。
オルヴィエートは、レモンなどの柑橘にリンゴ、そしてジューシーな酸味のあるイチゴのアロマがあり、
フルーティーでありながらドライな味わいの白ワインです。
ウンブリア州は黒トリュフの産地としても有名
ウンブリア州は前述のとおり、州の70%が豊かな自然ということもあり、
山の幸も豊富で黒トリュフの一大産地としても有名です。
サンジョヴェーゼを主体としたDOCGトルジャーノ・ロッソ・リゼルヴァと、
黒トリュフを使った肉料理が非常によく合います。