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ニューヨークというと、自由の女神に摩天楼のある大都会を思い浮かべますが、
実はニューヨークの4分の1は農業地で、
カリフォルニア州、ワシントン州についで全米第3位のワイン生産量を誇る
アメリカのワイン産地として有名です。
そこで、本日はニューヨークのワインについてお話します。
ニューヨークのワイン生産量
ワイン生産量はカリフォルニア州、ワシントン州に続いて全米第3位ですが、
じつは、アメリカワインのおよそ90%がカリフォルニア州ということもあり、
ニューヨーク州のワイン生産量は、約1億8000万本でアメリカ全体の5%にも満たない程度です。
ニューヨークでワイン造りが始まったのは1820年。
当初ニューヨークはワインの産地としては、寒すぎるという認識でしたが、
緯度で見るとフランスのシャンパーニュやブルゴーニュと近く、
環境もブドウ栽培に適しており、
ヨーロッパ移民によってニューヨーク州北部のフィンガー・レイクス周辺で始まり、
1950年代に入ってから、ウクライナ移民の醸造家がブドウ栽培に尽力し、
ニューヨークのワイン造りが本格化していきました。
1970年代に入ると当時わずか14軒ほどしかなかったワイナリーが、
小規模ワイナリーにもワインの製造及び販売を許可する法律が施行されたことで、
ロングアイランドでもブドウ栽培が本格的にスタートし、
アメリカのワイン国内での需要が増加するとともに、急激にワイナリー数も増え続け、
この10年で200軒ものワイナリーが設立され、
現在、ニューヨーク州には400軒ほどのワイナリーがあります。
そのほとんどは、家族経営の小規模なワイナリーのため、
生産量はそれほど多くはなく、ほとんどが地元で消費されます。
そのため、日本であまり見かけることはありませんが、
高品質でありながら個性的なワインを造るワイナリーも多く、
ニューヨーク州のワインの評価も上がっており、だんだんと輸出も増え始めています。
ニューヨークの主な産地とテロワール
ニューヨーク州のワイン産地は、大きく分けて4つの地域があり、
州の西端にある五大湖AVA、西中央部にあるフィンガーレイクスAVA、
ニューヨーク州東部にあるハドソン川地域AVA、マンハッタンの東に浮かぶ細長い島ロングアイランドで、
どの産地も水源に恵まれた地域です。
そのため、夏は冷涼な風が吹き、冬は霜被害からのリスクも緩和され、
ブドウ栽培に適した環境が整っています。
土壌は氷河期に形成されており、フィンガーレイクスはその名の通り、
指のように細長い形をした11もの湖があり、砂利と泥板岩に砂質という土壌ですが、
ロングアイランドは、大西洋からの気候影響を受けたりと、産地によって様々な特徴を持っています。
ニューヨークで主に栽培されているブドウ品種
ニューヨーク州では30種類以上のブドウ品種が使われており、
白ワイン用はリースリング、シャルドネなど、
赤ワイン用はメルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンなどの品種が多く造られています。
特にフィンガーレイクスのリースリングとロングアイランドのメルローは、
その品質の高さからも注目を集めています。
ニューヨークで造られるワインの特徴
前述のとおり、ニューヨーク州のワイナリーは、カリフォルニア州などのワイナリーにくらべ、
ブティック・ワイナリーと呼ばれる家族経営の小規模ワイナリーが多いことなどから大量生産型ではなく、
個々のワイナリーの特徴をいかした個性的なスタイルのワインが造られています。
また、カリフォルニア州にくらべると冷涼な気候で、
ニューヨーク州最大の産地であるフィンガーレイクスは、
冬はマイナス20度にまで気温が下がるため、
栽培されるブドウもリースリングなどの耐寒性のあるブドウ品種の栽培が活発で、
できるワインも繊細でエレガントな味わいのものが多いのが特徴です。