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ワインのキャップシールを取ってみたら、コルクにカビが生えてた!
なんてことありませんか?
長期熟成したワインにたまに見られますが、キャップシールの内側や、
コルク上部に生えたカビは、むしろワインにとっていい環境に置かれていた証拠です。
そこで、本日はワインのコルクにカビが発生する原因についてお話します。
ワインのコルクにカビが発生する原因
年代もののワインを買った際や、誰かからの頂き物で開けたときに、
キャップシールを取り外すしたら、コルクにカビが生えててびっくり!
なんて経験をしたことがある方はいらっしゃいませんか。
こうした、キャップシールの内側や、コルクの上部(外側)に生えたカビは、
ワインにとっていい環境で保管されていた証拠なんです。
それというのも、ワインにとって理想的な保管場所の条件が3つあり、
温度は13~15度が最適な温度とされ、温度が暑すぎても寒すぎても
ワインを劣化させることになります。
また、ワインは紫外線に当てないことが望ましく、できるだけ光を避けて暗い場所で保存します。
そして、乾燥した場所で保管していると、コルクが乾燥して縮み、
そこから空気が入ってワイン酸化させてしまうため、
理想的な湿度は65~80%とされています。
暗くじめじめした湿度の高い場所がワインにとっては最高の保管場所ですので、
カビにとっても繁殖しやすい条件がそろっています。
このため、長期熟成するために寝かせているワインは、
ボトル全体がカビでおおわれていることもあります。
もちろん、出荷の際にボトルはすべて洗浄されてキレイな状態になりますので、ご安心ください。
ただ、中にはキャップシールの内側にまでカビが入り、
コルクの上部にカビが生えることもあります。
この場合、ボトルを洗浄しても、その部分までのカビは取り切れないため、
開けたときにカビが生えていた。ということになります。
年代もののワインを抜栓する際には、このようにキャップシールの内側に
カビが多く付着していることがありますので、
キャップシールをすべて取り外してから、クロスなどでしっかりと拭くとよいでしょう。
もちろん、こうしたキャップシールの内側やコルクの上部にカビが生えていても、
中のワインは問題なくお飲み頂けますのでご安心ください。
ただ、ワインと接するコルクの内側にカビが生えている際には、
ブショネと言われるコルク臭がついてしまったワインになっている可能性が非常に高いです。
高級ワインでもカビの発生は起こりうる
前述のとおり、長期熟成させたワインほどコルク上部のカビが生えやすくなるため、
もちろん高級ワインでもこのカビが生えることはあります。
とくに、高級ワインのように1本1本丁寧に造られているワインほど、
正しく保管されているため、カビが生えやすい環境下で長く熟成していますので可能性も高くなります。
でも先ほどお話したとおり、あくまでコルクの外側のカビは中のワインに影響はありませんので、
キャップシールをすべて取り外してから、クロスなどでしっかりと拭けば、
問題なく安心して飲むことができます。
液漏れをしている場合はきちんと密閉できていない
ただし、こうしたコルクの外側のカビで1点だけ注意が必要な場合があります。
それは、カビが生えているのと同時に中のワインが液漏れしている時です。
ワインの液漏れは、コルクがしっかりと密閉されていない場合に起こります。
もともと何らかの要因でコルクがしっかりと閉まっていなかったり、
ワインの保管時や、ワインの輸送中に急激な温度変化によってコルクが収縮し、
液漏れが発生する場合があります。
こうした液漏れがある場合、コルクのわずかな隙間から空気が中に入り込み、
ワインが酸化し品質が劣化している恐れがありますので、
コルクにカビが付着しているときは、液漏れがないかもチェックしておきましょう。