ワインを殺菌する際に行われる火入れとは

ワインを殺菌する際に行われる火入れとは
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ワインを殺菌する際に行われる火入れとは

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ワインの殺菌方法の火入れ

意外に知られていないワインの殺菌方法に、
ワインに火入れをするという手法があります。
温度変化にとても弱くデリケートなお酒であるワインに火入れ?
それってどうゆうこと?と目を丸くするかたも多いですよね。
そこで、本日はワインを殺菌する際の火入れについてお話します。

ワインに火入れをする意味

日本酒を飲まれる方なら、火入れという言葉にピンとくるかもしれませんね。
日本酒を造る上で日本酒の品質を保つために行われる加熱処理の工程を火入れといい、
日本酒を搾ったあとに通常2回の加熱処理を行われます。
ちなみにこの加熱処理を加えず、生の状態で出荷される日本酒のことを「生酒」と呼びます。
このようにお酒を造る工程でおこなう火入れとは何なのか。
それは、ワインであればブドウの果汁がワインに変わる過程に深く関係があります。
ワインは、ブドウ果汁に酵母を加えることによって、ブドウに含まれる糖分を酵母が餌として食べ、
分解することで糖分がアルコールに変化していくことでワインが出来上がります。
その糖分をアルコールへと変化させる酵母は、25~30℃の温度にいる間最も活発に働き、
15℃前後の温度で不活発していきますが、それでも死滅することなく生きています。
活動しやすい温度と餌となる糖分があれば、瓶詰された後も瓶内で静かに発酵を起こします。
その酵母が瓶内で再増殖してしまうと、ガスを発生させ濁りの原因になってしまうのです。
そこで、ワインも日本酒と同様に、殺菌がおこなわれて最増殖しないように
酵母の数をある程度コントロールしてワインを安定させます。
その殺菌方法の1つが火入れです。

ワインを火入れによって殺菌する工程

火入れによる殺菌方法は、フランス語で「パスツリゼーション」と呼ばれ、
フランスの細菌学者パスツールが考案したもので、現在乳製品の製造などでも用いられています。
加熱殺菌は、70℃~80℃で約1分間、あるいは90℃~100℃で数秒行いますが、
一般的には約50~65℃で約5分間加熱すると、酵母はほとんど殺菌されると言われています。
しかしながら、この方法は瓶詰された後の緩やかな熟成に不可欠な酵母まで失い、
ワインの繊細な香りや味わいを損なってしまうため、
長期熟成させる高級ワインには向かず、現在は火入れを採用していないワイナリーも数多くあります。

その他のワインの殺菌方法

火入れの代わりに殺菌する方法として現在多く用いられているのが、
細かいフィルターで濾過して除菌する方法です。
濾過膜(フィルター)の急速な発達により、ワインの風味を損なうことなく殺菌させることができ、
瓶内の酵母の数をコントロールして安定した品質を保ちながら、
緩やかに熟成することが可能になりました。
ワイン用フィルターには2種類あり、除去したい物質をフィルターの内部で捕捉するデプスフィルターと、
フィルターの表面で捕捉するメンブランフィルターがあります。
しかし、このフィルターによる濾過でも、濾過の過程でワインの旨味となる微生物を取り除いてしまうため、
ノンフィルター、ノンコラージュの生産者もいます。

火入れを行わない生ワインとは

そして、熱処理も濾過もせずに瓶詰めがされているワインがあり、
このようなワインを「生ワイン」と呼びます。
生ワインはブドウ本来のフレッシュな果実味と旨みが味わえ、
香りも高く、より自然に近い味わいのものになりますが、
前述のとおり、火入れや濾過などを施していないため、
酵母による働きも活発になりやすく、温度変化に非常に弱いため、
とてもデリケートなワインでもあります。
そのため、酵母が活性化しない15℃以下の温度管理が必須になります。

火入れをしない生ワインとは

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